図書館
とある光の曜日、俺は図書館に来ていた。色々と調べ物があるからだ。
ちなみに、俺は毎日の勉強の成果で、結構文字が読めるようになった。
さて、まずは、っと。そうだなぁ・・・モンスターについて調べるかな。
魔物、魔物・・・あった。『魔物大図鑑』っていう本だ。とりあえず、読んでみよう。前書きはすっ飛ばす。魔物の説明からだな。
『魔物とは、テリスにいつからか現れた、危険な生物で、いつから存在していたのかは全くの謎です。元々は動物で、この世界に発生した原因は、魔力による突然変異体が現れたこと。そして、それらが子孫を残したもの、と考えられています。が、真相は定かではありません。』
魔物・・・。やっぱし、危険なのかぁ。魔力による突然変異・・・ねぇ。
『魔物の種類は、大きく分けると、三つあります。
まず、一つ目は、ただの魔物です。これは、特に説明することもありません。
二つ目は、幻獣です。魔物の中でも、人語を解する事のできる種族をそう呼びます。同じ種族でも、個体によって人間に好意的なものと、そうでないものがいます。
最後の三つ目は、精霊です。幻獣の中でも、人間に好意的なものがほとんどの種族を、そう呼びます。』
・・・精霊かぁ。契約とかして召喚とかできるのかな?後で調べてみよう。
『このページからは、それぞれの魔物の生態などについてが載っています』
その、文字を読んだ俺は、本を元の場所にしまう。どんな魔物がいるかの確認は、また時間があるときにやるとしよう。そういや、この図鑑、どっかで売ってるかな?帰りに探してみるか。
次は、精霊についてだな。精霊は・・・あった。『精霊について』だって。読んでみよう。これも、前書きはすっ飛ばす。精霊の召喚、から見よう。
『「精霊の召喚」
精霊から力を借りるためには、基本的には召喚をする。精霊を召喚するためには、契約を結ばなければならない。契約を結ぶためには、精霊に気に入られなければならない。また、下位の精霊ならば、何も無しで契約をすることができるが、上位の精霊と契約をするなら、契約の印が必要となる。なんでも良いという訳ではなく、強力なアイテム(武器や防具、アクセサリーなど)を用意しなくてはならない。
上記のような精霊の召喚を、召喚術と言い、それを行う人達の事を、召喚術士という』
召喚術・・・かぁ。んー・・・。
『なお、幻獣とも契約する事ができ、契約した幻獣は、その個体に限り、精霊と呼ばれるようになる。』
なんとなく、召喚術は自分とは違うと思うので、適当に読み流す。
後は・・・何調べようと思ってたっけ?・・・そうだ!種族についてだ。『テリスの住民達』という本が目についたので、それを読む。
『このテリスに住む種族は、人族、亜人族、魔族がいることは皆さん知っていますね。この本は、それぞれの種族について簡単に記しています。』
などなど。冒頭部は飛ばす。まずは、人族の説明からだ。
『人族は主に、この世界の中央にある、ヒューマニック大陸に住んでいます。人族の国は、複数あり、ヒューマニック大陸には、いくつもの国があります。その中でも特に大きい国が、デロス王国、カメリア王国、ヒュニズム王国です。これらの国は、人族三大国と呼ばれます。人族は、この三つの国を紹介しようと思います。
まず、デロス王国ですね。大陸の中央にあり、森に囲まれている国ですが、他の国との中継地点となっているため、資源に困らず、人口も多い国です。また、様々な種族が住んでいる国でもあり、異種族交流を積極的に行っています。
次に、カメリア王国です。この国は、大陸の西側にある、魔道具技術の発達した国で、産業も魔道具中心となっています。その国の産業のため、ドワーフには、とても住み心地の良い国です。
最後に、ヒュニズム王国です。この国は、大陸の北側にある国で、デロス王国とは逆の国です。人族至上主義の考えが多く広まっており、人族以外には、差別などにより、とても住みづらい国です。それどころか、人族以外の種族と共にすごす、人族でさえも差別します。中には、差別をしない人もいますが、少数です。
もし、この大陸に来てみたい、という他種族の方がいるならば、デロス王国へ行くのが良いでしょう。そして、ヒュニズム王国には絶対に行かない事をお勧めします。』
だ、そうだ。ヒュニズム王国・・・。あんまし、行く気が起こらないなぁ・・・。
『次は、亜人族についてです。亜人族は、ヒューマニック大陸の西にある、アニマ大陸に住んでいます。亜人族には、国がありません。それぞれの部族などで、村を作ったりして生活しています。代表的な亜人族は、エルフ、ドワーフ、それに獣人でしょう。エルフは、魔法の扱いや魔力に長けており、ドワーフは、魔道具や武器などの、道具の製造に長けています。獣人は全体的に、身体能力が高く、種族によって、様々な固有能力を所持しています。その他にも、様々な種族の亜人族がいますが、それはまた、別の本で紹介させていただきます。』
まあ、大体予想がつく内容だなぁ・・・。しかし、国が無い・・・か。ん?そういえば、噂で聞いたんだが、亜人族の各種族が集まって、何やら会議をしているとかなんとか・・・。ま、いいや。次次。
『最後に、魔人族についてです。魔族は、ヒューマニック大陸の東にある、デモニク大陸に住んでいます。魔族は、大陸の中央にある、一つの国により、まとまっています。国の名前は、イーブル王国といいます。基本的に、魔族は他の種族に対して友好的です。が、自分達こそが、この世界を征服するにふさわしいという考えを持つものも少なくありません。そのような考えを持つ魔族が、国の外に村を作っていることもあり、襲われる事もあるので、気をつけた方が良いでしょう。』
うわぁ・・・。本当は良い種族なのかもしれないけどなぁ。ちょっと、今の俺じゃあ行く勇気はない。
まあ、これでこの世界の種族の事はそれなりに分かった。もう、この本は良いや。
ただいまの時刻、十一時三十分。城に帰って昼飯食ったら、気の扱いの練習でもしようかな。
あ、そうだ。気についての補足事項というか、わりかし大事な事を説明しとく。この間説明されなかった事だ。
気には、属性というものがあり、一人につき、一属性、個人によって違うらしい。属性は、魔法と同じ、八種類だ。
属性による違いは、体内で循環させるだけの身体能力強化などではほとんどないが、気を外に出して攻撃する、などとなると、違いは出てくる。その中でも、無属性の気に関しては、そのままでは攻撃ができない。
気は魔力との合成も可能で、同じ属性同士、それか無属性の魔力で合成する事ができるらしい。
ちなみに、俺は無属性の気だった。今回に関しては、落ち込んでいない。寧ろ、嬉しい。
理由は、まあ無属性と他の属性の違いについて説明すれば、理解していただけるだろう。言うほど、違いは無いが。
先程言ったように、無属性の気は他の気と違い、そのままでは気を外に出して攻撃する、という事ができない。が、そのままでは、ということであって、魔力との合成により、攻撃などができるようになる。この時の威力は、他の属性の気が魔力と合成した時と同じだ。
そして、だ。ここからが俺が嬉しいと思った理由なのだが、無属性の魔力が、どの気とも合成できるように、無属性の気は、全ての属性の魔力と合成が可能なのである。他の属性の気だと、その属性と無属性しか合成できない。全属性が扱えると考えて良いのだ。
俺にも、ようやく運が回ってきた・・・か?あ、でも魔力少ないし、気の量も少ないから結局意味がない気がする。
ま、いいや。とりあえず、こんな所ですかねぇ。飯食って、気の訓練して寝る。
作者のネーミングセンス(の悪さ)が抜群に光った回です。




