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夢
荒れた稲荷神社の前で朱理が泣いている。
彼女の前には三人の少女と一人の女性が横たわっている。
四人とも眼をカッと見開き、何かを叫んでいるかのように口を開けたまま息絶えている。
助けられなかった。
由衣だけではない。
凜も香澄もそして宏子まで殺された。
殺したのは朱理だ。
取り憑かれ、その手で友人たちの生命を奪った。
おじさん、わたし、どうしたらいいの?
朱理が尋ねる。
お前は何も悪くない、全部おれのせいだ。
そう言って、慟哭する姪を抱きしめた。
失われた生命を取り戻すことは誰にも出来ない。




