12日目
「日常の中にある魔法を主題にしたお話はどうだ?」
「日傘で空を飛ぶ描写は好きですね」
唐傘の傘の部分が回転して空を飛ぶとかになりますと、一息に妖怪味が増しますし、からすの群れなのでつられて運ばれると、さらにそうです。素直に箒で飛んでいた方が良いのでありましょうね。使い魔とかも登場させますか?こうやはり黒猫か、白いフクロウでしょうか?
「そうかーある意味妖怪ものも魔法的な範疇と言えるのか」
「明確に違います、と言えないくらい混沌としている場合もありますね」
魔法の定義が結構曖昧なまま進んでいたりしますからね。理論もないものが多いですし、ある意味、オカルト、の言葉通りのお話ではあります。それは理屈が分かってしまったら、仕組みが分かってしまったら、意味がないか、意味が違ってくるものでありますから。どこがどうなってそうなったかが説明できなものが魔法だと思うわけです。
「起点と終点はあるよね?」
「途中がないだけです」
そこに神秘性を感じるか感じさせることができる仕組みが魔法でありましょうね、使用している本人にもどこがどうなっているのか分からないというパターンもありそうではあります。不思議を全面に押し出して、力技でお話を進めていくようなものでありましょう。
「脳みそまで筋肉な魔法使いは、新しい?」
「結構いそうではありますね、といいますか、実際に存在したような?」
筋肉美に溺れた魔法使いとか、力はパワーだ、というような掛け声はすでに一般名詞化しているのではないでしょうか?とりあえず全ての厄介ごとを、魔法で作り上げた爆炎で解決するような魔法使いは、むしろ古典的な作品分類の中に存在するような覚えがございますね。
「立ちふさがるものも、道を譲ってくれたものも平等に吹き飛ばす!的な」
「ただの頭のおかしい人ではないですかね?」
力に振り回されるといいますかむしろ、力の方が主体な感じは致しますね、名前を覚えられなくて、爆炎のとか、爆発の、とか二つ名しか読者にも登場人物にも、認識されないようなキャラクタでありましょうか。それはそれで美味しい立ち位置ではありますが。
「登場人物が全て爆発系のすげー奴というのはどうかな?」
「地獄かな?」
全ての行動に爆発が関連づけられているお話でどう日常を行わせようとするのでありましょうか?
なるほど、全ての物質やら人物やら、話に関わるものに耐爆性能を持たせるわけでありますね。爆音が生活音になっているという世界ですか、それはそれで面白そうではあります。
「爆発音の描写だけでページが埋まる、これは楽だろ?」
「読むほうが苦行になりませんかね?」
爆発系小説とか、読んでみたい人がいるのでありましょうかね?後、爆発のバリエーションを考え続けるのは意外と難しくありませんでしょうか?
どかーんとか、バーンとか擬音だけを話すようになった先輩を眺めつつ、先は長そうだなと思う私でありました。




