神様と侵入者
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私の足には、ガラスの破片が突き刺さる。
私はとっさに、ガラスが刺さった場所を手で隠した。
「二人とも無事か?」
「ワタシは大丈夫です。しかし、ゼロくんが気絶しています」
テントの外から砂利を踏む音が聞こえてる。だんだん近づく音。今のテントの揺れは、外部からの衝撃のようだ。このままでは二人が危ない。ついに出入り口の垂れ幕に、侵入者の手が差し込まれた。
「ジャック、ゼロを安全な場所まで頼んだ」
「いいえ。ワタシが安全な場所に連れて行っても、その場所が危険になるだけです」
「そのとうり。大人しくきてくれれば、痛い目には合わないさ」
垂れ幕から現れたのは、金髪赤目の男だった。広く開けられた首元には、銀の十字架が揺れている。
「オレはセブン。しがない何でも屋。目的は悪魔の生け捕り」
「ジャックは何か悪いことでもしたのか?」
「いんや、彼は何も悪いことをしていないよ。たちの悪いコレクターに目をつけられただけさ」
くるくると銀の十字架をいじるセブン。憂いげに目を伏せている。
「オレもできれば、逃げる手助けぐらいしたいけどさ。コレクターに頼まれた最後の仕事なんだ。許してよ」
ピタリと止めた十字架には、赤い石が埋め込まれていた。




