嫁二人の破壊力
昨夜は危なかった。色々危険を感じたが、レンとモナが帰ってきてくれて本当に良かった。
結果としては、あの後レンとモナも混じっての女子会が開催されたので、俺だけ店舗側で寝た。
おかげで背中と腰が痛い。
まぁ。みんなが楽しめたのでよしとする。
ようやく解散したのが昼前。
質問責めされていたモナが疲れ切っている。
「お疲れさん」
「んーなんかようやく帰ってきた感じがする」
「そうだな。騒がしかったしな」
【ただいま】
「レンもおかえり、意外と早かったな」
【遅い方が良かった?】
「そんなことはない、ちょうど良かった。お風呂まで来たのはびっくりしたけどな」
そういうと二人は恥ずかしそうにしている。
「セラが、早く行ってやれって急かすから」
【寂しがってたって聞いたから】
「間違ってはないなが、間違ってるな。いや、間違ってない」
「どっちかわからないよ」
「一緒にお風呂に入る。いいきっかけではあったってこと」
セラのおかげで、3人仲良く入れたよ。
まぁ俺がガン見してただけだが、おかげでのぼせた。
【また一緒に入る】
「セト、また一緒に入ろうね」
その一言で、心臓の鼓動が加速する。背中と腰の痛み? 全部吹き飛んだ。
あまりいちゃついてるとセラが帰ってきそうなので話題を変える。
「里帰りはどうだった」
「父の死も私の獣人化もびっくりされたけど、問題はなかったよ」
「そうか」
「妹はすごい泣いてた」
「妹がいるのか」
「兄弟は多いんだ。その中ですぐ下の妹がすごい泣いててね」
少ししんみりとする。家族がなくなったんだ。そうなるだろう。
「で兄弟全員レンに飛びかかって、レンにボコられた」
「何やってんの?」
【楽しかった】
「いや、魔物と警戒されてた上、私に勝ったって話したら。その血の気が多い兄弟でごめんなさい」
【全部倒した】
「倒すなよ、いや倒していいのか?」
「怪我らしい怪我はないよ。ほぼ武器なしで制圧」
「無双してるな」
「兄弟ほとんどレンを認めてるよ」
「ほとんど?」
「すぐ下の妹だけ、まだ納得してなかったかな」
いかん、なんか危険なことを聞いた気がする。
その後も、二人は色々教えてくれた。
モナが獣と獣人への変身を自由に行えるようになったこと。
二人ともセトを愛していること。
布団に入る時の順番について、二人で話し合ったこと。
ハーレムが増えても構わないという、衝撃の発言もあった。
うちの嫁二人の攻撃が半端ない。
昨日の金髪三人は、まだ優しかった方だ。
怖くてもう何も聞けない。
……でも、この三人が特別なのは、三人とも“同じ気持ち”だったこと。
だからもう少し、だけ。三人の時間を、楽しみたい。