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最強スケルトンに恋をした ~嫁達が強すぎて魔王認定されました~  作者: Hike技研
魔王城完成 そして

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選べる事と、やりたい事

「それで、成果らしい成果はあげずに帰ってきたと」

執務室でセラが辛辣だ。


「何か掴みかけた気はするんだよ」

「キツネに化かされただけ、いやタヌキですかね」


セラもルナも通常運転だ。クバネでのことは、確かに先に進んだとは言い難い。

だが、黒い骨を見られたのは収穫だった。

そして、モナの仇も明確になった。



「セト君がいない間、平和ではあったよ。街も出来上がり、人も増えてる」

「いいことだ」


「そうだね。街として機能し始めた。有能なものも多いし、勝手に成長するだろう……」


「なんだ、最後が歯切れが悪いな」


「まだ、先の心配だけどね。成長が止まった時が怖いんだよ」

「先の心配なら、セラに任せる」

「はいはい。魔王様、お任せあれ」


セラはいつも通りだ。


通常運転。そう思いながらも、俺の通常運転が魔王業ってどういうことだろう。




「そう言えば、ティナの手ほどきは続けてるのか?」

俺の声に、ティナが振り向き。ルナの手が止まる。


「力はあるんですが、なかなか型は覚えてくれませんね」

「ティナは我流というか、そもそも習ったことはあるのか?」



ティナが少し考えてるな。

「ない。アヤネの姿を見てただけだ」


「ティナは力は強いんですが、戦い方はまるで知りません」

なるほどな。


ある意味モナの最初と同じか。


「セト相手ならもう勝てるぞ」

ティナが自信満々に言う。


「俺に勝っても自慢にならんぞ」

「こないだ最弱がどうの言ってただろ」


一瞬なんの事だかわからない。


「あー確かに言ったわ。ハーレム内最弱か」

「そうだ、だから勝負してやる」


「パス」


「なんでぇ」


思惑が違ったのか、ティナが拗ねている。


「また今度な。てかお前の方が力強いのは知ってるから。最弱は俺だよ」


「その余裕がむかつく」


認めても駄目とは、難儀な子だ。


「成長を見てもらいたいんだよね」

ルナがティナに話しかけると、ティナが首を振る。


「違うぞ、セトをボコボコにしたいだけだ」

なんて奴だ。


ルナの言葉通りなら、勝負してもよかったのに……


俺は、執務室を後にする。


「あーセト待て」


ティナも俺の後をついてくる。


「勝負はしないぞ。これから北区にいくから」


「逃げないように見張ってるだけだ。帰ったらやるぞ」


話が通じてないな。振り返るとルナが手を振ってる。


仕事が詰まってないならいいか。



中庭を通るとモナがいる。


「あれ、セト出かけるの?」


「クバネの件でヨウに会ってこようかと思ってな」


「なら私もいくよ。あれ?ティナも一緒?」


「そうだ。北区から帰ったらセトをボコボコにする約束だ」

「どう言うこと?」

モナが少し困った顔で俺に問いかける。



「知らん。ルナに手解きを受けたから、早く試したいんじゃないか?」


「それは……なんとなくわかるけど、なんでセトと?」


「最弱決定戦だ」


なんとも締まらない決定戦だ。


歩きながら、モナとティナが話している。


「でもティナ。強くなりたいなら強い人と戦わないと」

「セトより強ければいい」


なんだそれ。


「セトより強くなったら次は?」


「アヤネを超える」


「いきなり目標が上がったな」


びっくりして振り返ると、ティナの目は本気だった。


「守ることばかり考えてるアヤネを楽にしてあげたい」


しかも立派なことを言っている。

「変なもの食べたか」


余計な一言だったか。噛まれた。


そんなこんなで北区へたどり着くのが遅くなった。





「それで、成果もなしに帰ってきたのかい」

「さっきセラにも同じこと言われたわ」


ヨウに会うなりセラと同じことを言われた。

「てか、まだ報告もしてないだろ」


「コンノから聞いてるよ。オオタには煙に巻かれたってね」


「大体あってる」

ヨウの店の縁台に腰をかけ、お茶をいただく。

中庭ではモナがティナに手解きしてる。

教えてるというか、剣を相手してやってるのか。



「あんな小さい子までハーレムに入れるのかい?」

ヨウの目がティナを追っている。


「あれは、ただ飯と遊んで暮らせると思ってうちに来ただけだ」

「そう言う言い方もできるかもしれないね。でも、女は化けるからね」

「成長するって意味なら、まぁ先はわからんけどな。でもないな」


「先はどうなるかわからないよ。東の国のお姫様なんだろ」

「それはそうだな。お姫様にさっきも噛まれたけど」


「懐かれてるじゃないか」

「ティナの話はそれぐらいで良いよ。それよりオオタだ」


「なんだい、たぬき親父の方が良いのかい。随分仲良くなったみたいだけど」

「判断基準がおかしい。仲良くなったわけじゃない。アイツの言ってることが、少し気になっただけだ」


ヨウはキセルをくわえ。ティナをまだ見ている。


「アイツの話は話半分に聞かないと、良いように誘導されちまうよ」

「それらしいところはあったな」


「黒い骨を見たんだろ。アレが何か肝心な事を知らずに見せられて、帰らされた」


「何がしたかったんだろうな」

「長く生きすぎてるからね、暇つぶしかもしれない」


「レイスが生きていると言うのも語弊がありそうだな」


「骨で生きてるのもいるんだ一緒だよ」


それを言われると、返す言葉がない。

骨で生きている。

そう。レンは生きている。


「暇つぶしで何をさせたいんだ」


「さあね。人を迷わせたり選ばせたりする。肥溜めを風呂と偽ってつからせたりね」


「嫌な例えだな。だが、選ばせて地獄に突き落とすこともあるってことか」



「そう。でもね。正解も用意して選ばせる。そうじゃないとつまらないからね」


「やってきたみたいな言い方だな」

「私も長く生きているからね。色々あったさ」


まだヨウの目はティナを見ている。


「そんなにティナが気になるか?」



「モナもそうだけどね。あの子もまっすぐだ。素直と言えばいいが、それだけだと折れる」


「素直ね。確かに、素直に俺をボコすとか言うわ」


その言葉にヨウが笑う。


「あんたみたいなのが、一緒にいれば問題ないのかもね」




「嫁扱いする気はないんだがな」


「それでも、一緒に過ごしてるんだろ。先はわからんさ。骨に獣に吸血鬼。鬼が増えても良いだろ」


ヨウが大きく煙を吐く。


少し甘い香りがあたりを包む。


「なんにしても、あんたは好きなことをしてればいい。どうせ周りが勝手に動く」



「誘拐されたり散々なんだが」


「自分の人生が大きく動くのは自分からじゃない。何かに巻き込まれた時さ。骨だって自分では穴から出てこなかったろ」


そう言われると、納得してしまう自分がいる。



「ほれ、あまり二人を待たせるな。あとティナはしばらく出入り禁止な」


「なんで?」


「女目当てで来てるのに、子供がいたら男どものスケベ心が下がるだろ」



「あー」


「そう言うことだから、もう少し大きくなるまで出入り禁止」



納得しかけるが、店の娘にはもっと小さい子もいる。


「あの子達は良いのか?」



「自分で選択してあの子達は私の元にいるんだ。客を取るかどうかも含めてね。雑用だけの子もいる。ここにいる理由は、それぞれ違う」





俺はそこの言葉に黙る。



「ティナが何を選択するかは知らないが、やりたいことがまずあるんじゃ無いのかい」



そこに戻るのか。



「セトをボコす」


ティナがいつの間にか目の前に立っていた。


「帰ってからやりな」


そしてヨウに追い出された。



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