第二章 嫉妬と誤解【8】
……。
「李桜も冗談とか言えたんだっ!」
李桜の言葉を耳にしてからおよそ五秒はあっただろう。
僕は驚くとともに、思わず叫んでいた。
「……お前はいったい私を何だと思っているんだ」
ジト目で見つめられる。
いや、この表情の李桜もいいなぁ……。
なんてことは置いといて。
「李桜ってさ、話言葉もそうだけど、雰囲気とかで、どうにも堅苦しいような感じがするんだ。だから、ちょっと意外でさ」
たぶん、僕だけじゃなく、彼女を見ただれもが賛同してくれると思うんだけどな。
「この話し方は昔からだから、仕方がないが……そんな雰囲気を纏っているのか、私は」
「そうだね。少なくとも僕にはそう見えたよ」
素直に答えると、李桜は唸った。
どうやら、なにかを悩んでいるらしい。
「……確かに、よく、作戦中でもないのに気を張るな、とか、もっとリラックスしろ、などと言われるようなことがあるが、そういうことなのだろうか」
どうやら《狩人》の中でもそうらしい。
そういえば、と、
「ねえ、李桜ってさ、どうして《狩人》に入ったの?」
純粋に、好奇心として訊ねる。
「突然だな……まぁ、別に話すことに関しては構わないが」
しかし、と李桜。
「もう昼休みも終わりだ。その話は後日改めてしよう」
言われて、腕時計で時間を確かめる。
うん、確かにもう一、二分で予鈴がなるみたいだ。
李桜のことや、《狩人》のことも気になるけど、時間がないみたいだし、仕方がない。
食べ終えた弁当を持って、僕と李桜は屋上を出て、教室まで向かう。
その最中に予鈴が鳴り響き、僕と李桜はそれぞれの教室に入る。
そこで自分の席に着こうとするんだけど。
「……座れないなぁ」
アリーシアの席に集るクラスメイトを見て、僕は苦笑した。




