第四話 一匹猫
セリアはオオカミというよりもねこのイメージがつよいです。なので一匹猫。
しゃーっ!!という感じです。
意味解らないですよ、自分が・・・。
それから、セリアは自分の殻にこもってしまった。クロウの部屋から出ていくことも許してもらえず、セリアは部屋の片隅で膝を抱えて座っていた。窓に背を預けるように座って、その外を見る。遠くかなたに大きな門が見える。ナイヴィシアと、シューディレンの国境にある門だ。あの向こう側に、故郷がある。それなのに、帰ることも訪れる事も許されなくなってしまった。正直、父親の心配などしてはいない。もともと国王という立場の父親とは、それほど接点はなかった。今一番気がかりなのは、次兄のソランのことだった。あの優しい兄は今頃どうしているのだろう。今思えば、あのブラコンともいえる兄が、あんなに冷たい態度をとったのは初めてだった気がする。
どうして止めてくれなかったのだろう。あそこで、兄が引き止めてくれていたら、自分は今ここにいなくてよかったんじゃないのかと、移動中も、今も考えていた。ここ(ナイヴィシア)には自分の味方など一人もいない。自分を守ってくれる人もいない。文字通り、一人なのだ。誰も頼れず、さびしく永遠に一人として生きていかなければいけないんだろうか・・・。たとえ、クロウなんかに嫁いだとしても、どうせ仲良くなんかなれるわけがない。ましてやそんな仲になるなんて思えない。孤独ってこんなものなんだろうか・・・。こんなことになるなら、たとえ幸せになれなくても・・・。
家族と一緒にいたかった。
信じることができる人たちとともにいたかった。
それなのに、今自分は異国の地に独りだけでいる。自分ひとりだけ幸せになったって・・・どうしろっていうんだろう。どうせここにいたって、その幸せを共有し合うことなんかできないのに。ずっと一緒にいられると思っていたのに・・・・。
「おい・・・・・。」
おいとか呼ばれることもなく、ちゃんと親しみを持って呼んでもらえていたあそこがよかったのに・・・。
「聞いてんのか、おい。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・むかっ・・・・・
「なんだよしつけーな!だからおいって呼ぶんじゃねーよ!」
「ああ?お前が名乗る名はねーとか言ってたんじゃねーかよ。ったく、じゃ嫁。嫁でいいな。」
「待ってよ、なんだそれ!馬鹿か!?なんで俺が嫁なんだよ!!ってか、嫁なんか呼ばれたら死ぬから!!」
「死ね。」
「ひっでーなおまえ!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・セリア・・・・。」
「は?」
「俺の名前!セリア・ジェイニアス!ちゃんと覚えろ。」
「ちっ・・・・・つかお前もうジェイニアスじゃねーから、今日からセリア・フォーミットだからな。」
「ちってなんだちって!嫁って呼びたかったのかよ!」
「ちげーし、ただのいじめだし。」
「性悪だな。つか、勝手に名前変えんなよ!俺はまだ、ここに嫁ぐ気も、お前の伴侶になる気もさらさらない!まったくない!俺は女の子と結婚するの!たとえ国が同性愛認めてるからって、嫌なもんは嫌なんだよ!」
あの人以外の男なんか好きになれるわけない。あの人は特別なんだ。初恋が男とかってその当時は悩んだけど、でも好きなんだって思ってからは、必死だったんだ。あの人の横に行けるように・・・。でもそれはいまだにかなえられていない。だからほかの、ましてや男なんかに嫁ぐ気はないんだ。
「俺は、ここにいるしかないけど、だからってここの人の施しは受けないからな!ごはんとか、絶対に食べない。毒とか入れられて死ぬのはまっぴらだ!勝手に自分でやってやるからな!」
「・・・・勝手にすれば?後で泣きついてきてもしらねーよ?」
「お前らなんかの手を借りるほうが嫌だからね!」
そうだ。一人しかいないなら、独りでやるしかない。やってやる。俺だって一国の王子だ(ったかもしれないけど、俺はまだ王子だ。)もん。自分のことくらい出来て当たり前だ。それに敵国だったやつらの手を借りるかってんだ。
人は一人ではけっして生きていけない。
永遠に完全なる独りでいることもできない。
必ず周りには、どこかには
あなたという人間につながっている人がいる
一度出会ったときから
同じ空間にいたことがある時から
『縁』というものはつながったままになっているのだから
遠く離れていても
近くにいても
それだけは変わることのない絶対のもの・・・・・・・
『あなたは一人じゃないのよ・・・・セリア・・・・・・。』
途中から(終盤から)何か偉そうな文が入っていますが・・・
あまり深くは考えていません一匹猫のようなセリアにこの言葉が届いていたらなぁ・・というようなかんじです。実際は届いてませんが・・・。
最後のセリフはとある女性が昔セリアに言った言葉だと思ってくださればいいです。