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嫁いだ王子様  作者: 朝比奈 黎兎
第一章  はじまり
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第二話  ナイヴィシア王子現る

タグ変更しました。詳しくはあらすじをご覧いただきたいと思います。


それほど詳しく表現しませんが、念のためです。

 ついたそこは、異なる国にある城の前。セリアはそれを、無言で睨みつけていた。今日からここで嫌でも暮らさなければならない。


もう帰れる家はないから・・・・・。


 セリアはナイヴィシアの使いの人たちに、案内されその城の中に入った。大理石の白い床は天井の明りを反射させ、中央に赤いじゅうたんが敷かれている。金色の糸で縁取られたじゅうたんだ。深紅の垂れ幕が天井から下がり、その垂れ幕にはこの国の国章が刺繍されている。大きな鳥が羽を広げているしるしだ。


「こちらでお待ちください。」


 そういって、とある一室に半ば強引に押し込まれた。見るからに生活感がある部屋。一体だれの部屋なんだろうか。いや、セリアは頭の片隅でだれの部屋だかわかった気がした。これから嫁ぐことになる王子に決まっている。大体王子の部屋とはどこに行ってもこんなものだろう。セリアはとりあえず、部屋の中央付近に合ったソファーに勝手に座った。どうせ自分の意見など聞き入れてもらえそうにないのだから、勝手に行動するのも悪くないと思ったからだ。ずるずると、セリアの体はソファーにだんだん横たわるような姿勢になった。そして、セリアは身を小さくし丸まるようにしてそのまま寝てしまった。眼の端に涙を浮かべながら。


 部屋に帰ったら先客がいて、腹が立った。俺の部屋に勝手に入るなと文句を言ってやろうと思った。だから、一直線にソファーに近寄ってそいつの顔を見たときは、思わず叫びそうになった。そこにいたのは、国内では考えられない色をした髪の毛の同い年くらいのガキだった。かといって、俺は別にガキじゃない。この誰だかわからないやつが幼く見えるからガキだと言ってるわけだ。金髪ってことは・・・なるほど、隣国のシューディレンの人間か。


 この世界の住民は国によって髪の毛の色が違うのだ。それを見れば、その人が、どこの国の出身なのかが分かる。ナイヴィシアは黒。シューディレンは金だった。


「そういや、俺のとこにシューディレンの王子がくるっつってたな。ふーん・・・・こいつがねぇ・・・。」


正直、親が勝手に決めた結婚相手だ。どんな奴かと思ったらこいつ・・・・。


「よくあっちがよこしたな。こんなやつ。存在自体が国宝級だろうにな。」

「ん・・・・・あ・・・・・にきぃ・・・・・・。」

「・・・・・がっきっぽい。ますますがきじゃん。何寝言で兄ちゃん呼んでるわけ。しかも、涙浮かべてるとか何者?ほんとに男かよっての。」


王子が嫁いできたらやってやろうと思っていたことがある。ちょうどいい暇つぶしだ。ナイヴィシアの皇子はセリアにそっと近づいた。そして、首にかかる金色のきれいな髪の毛をそっと指でかき分ける。セリアのきれいな首筋があらわになる。ナイヴィシアの王子は何のためらいもなくそこにかぶりついた。


「いっ・・・・い・・・・たああああああああああああああああああああああああああ!!」


歯が皮膚にめり込んだ気がする。一気に目が覚めたセリアは思わず、自分にかみついているその人物をどかそうとした。だが、なぜか動かない。力ははいるのだが、力の差があってなのか、押し戻せないのだ。


「いた・・・痛い・・・・痛いって言って・・・・・いったぁ!!!!」


ようやく離れた歯。セリアの白い首筋には赤い歯型がくっきりと残り、わすかに血もにじんできていた。唇にわずかに付着したちをナイヴィシアの王子は舌なめずりしてなめとった。セリアは首筋を抑えつつ、余裕の笑みを浮かべるもう一人の王子をにらみつけた。ソファーに腰かけなおし、視線はしっかり王子のほうを見る。


「いきなりなにすんだよ、この野郎!!」

「は?いきなりとはなんだいきなりとは。俺の部屋で寝てるお前が悪いんだろうが。それじゃ、襲ってくださいっていってるようなもんだぞ。」

「おそ・・・・!?頭おかしいんじゃないのか?自分の部屋で寝てるからって、かみついていいわけないだろうが!!」

「俺の部屋で何をしようと俺の勝手。なにか文句あるのか?」


そう言われると何も言えなくなってしまう。


「って、もしかして、あんたがこの国の王子?」

「クロウ・フォーミット。よろしく、元王子様?」

「もとってなんだよ!!」

「だっておまえ、今日からおれの嫁になるんだろ?だったら、王子じゃなくて姫にしないとな!!」


なんともいやな嫌味である。


「うっさい!大体俺はお前なんかに嫁ぐ気もない!!」

「じゃあ、捕虜ってことでいいんだな?」

「なんでそうなるんだこのやろう!!俺はこの国になんか縛られねーよ!!」

「それはどうだろうな?」

「え・・・・?」


クロウはそういうと、がっとセリアの顎の下に手をいれ、上を強制的にむけさせた。見つめたくも見たくもないのに、顔をそらすことができない。


「お前にとっては、こうして俺に嫁ぐことが一番の幸せだと思うぜ?お前が嫌でも、この国に縛られることが、お前の幸せにつながるんだ。お前の親はそう考えたんだろうな。」

「なんで・・・・父さんがそんなこと思うはずない・・・・。」

「お前は何も知らないからな。お前の親は知っていてこそ、選択した。それが今を作っているんだ。解るか意味?」


さっぱり意味不だが、やはり俺はここに嫁ぐしかないんだろうか・・・・・。

なかなか話が進みません。


ぼちぼちやっていこうかと思います。

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