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嫁いだ王子様  作者: 朝比奈 黎兎
第二章  芽生え
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第十三話   頂戴

ちょっとエロっぽい感じかもです。


クロウはちゃんと時期を見計らってここぞ!というときは行動を起こす子なんです。そして被害をこうむるのはもちろんセリア。


 「あ・・・・あのさ・・・なんか手伝うから・・・・。」

「いい。お前は黙ってろこの野郎。」

「な・・・なんか怒ってんの?」

「怒ってんのって・・・包帯で窒息しかけるとか初めてだぞ俺!」

「だからごめんって言ってんじゃんかよ・・・・。俺そういうの苦手なんだよ。人にそんなことするってなかったし・・・自分のはできるけど・・・・。」


先ほど、クロウのおなかのけがを手当てすると言っていたセリアだったが、何をどうすればそうなったのか、クロウは窒息しかけた。そのため今は自分で手当てしているクロウ。


そしてセリアはクロウに叱咤され、少し離れたところでそれを見てます。


「っし、こんなもんか。・・・・・・・・・おい、もういいから、んな顔してんなよ。」

「だって・・・俺のせいでそんな怪我させたのに・・・俺なんもしてないじゃん。あいつが来たのは・・・俺がここにいたからだし・・・俺が・・・あんな力持ってるから・・・だから、誤解されてクロウ怪我したんだし・・・・だからせめて・・・手当だけでもって思ったのに・・・俺・・・・。」


そういって、セリアはしゅんとうつむく。そんなセリアを見てクロウははぁ・・・と息を吐いた後、彼に近づいて行った。そして、うつむくその顔を覗き込むように顔を近づけた。


「え・・・・・?」

「へぇ、あいつって誰だか知ってんだ?」

「っ・・・しらない!!俺はあんな奴知らない!!」


ぶんぶん顔を横に振って知らないと言い張るセリアだが、クロウはそれを受け入れない。器用にセリアのあごをつかむと、強引に自分のほうを向かせた。


「知ってんだろ?あいつあいつ言ってんだし?よく知ってるやつなんじゃねーの?」

「ち・・・ちが・・・・・。」

「教えないってか?」

「え・・・・・・・・・・?」


ぬるりとした感触が、耳にあった。生温かいそれはセリアの耳を掠めて徐々に首筋を下る。


「ちょ・・・や・・・・ん・・・やだ・・・くろ・・・ぅ・・・・。」

「やめてほしきゃ、あいつが誰なのか教えろ。」

「いやっだぁ・・・・なめんなぁ・・・・ふっ・・・ん・・・。」


そしてクロウの舌はとある一点にたどりつく。そこは昔クロウ自身がかみついて今はかさぶたになった首筋だった。


「ちょ・・・・いい加減に・・・しろよぉ・・・!!」

「いやなら教えろ。」

「教えない・・・・・。教えんの・・・・やだ・・・・・。」

「こんなことされてんのにか?」

「教えるより・・・・は・・・・まし・・・ひぁっ!?」


かさぶたをなじるようにクロウの舌が這う。


やめて・・・・やめて・・・・。だめなんだ・・・・あんたにそんなことされたら・・・思い起こされる・・・・。あの人のこと・・・思い出すんだ・・・・。


「く・・・ろぅ・・・・も・・・や・・・・・・っんふ!?」


合わさる唇、そして絡まされて来る舌から訪れる感覚が、遠い記憶から一人の存在がよみがえる。


「ふん・・・あふ・・・・あ・・・・・ん・・・・・あ・・・・・アロウ・・・・。」


その名前にクロウはピクリと反応した。セリアから離れたクロウは、そのまま驚き顔でセリアを見つめる。


なんでこいつが・・・・あの野郎の名前を知ってんだ・・・・・・・・・

あいつって多いですね。


もうあいつばっかりですよ。

黒いローブの男と、セリアが言ったアロウは別人ですので・・・・

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