第4話:地下室
超絶不定期ですが、投稿は続けます。
「──ミラちゃんはね………………『地下』にいるわ。」
「え?地下、ですか?」
「そう。ミラちゃんは、村長宅の真下。つまり、地下室にいる。」
そう言うと、精霊は記記に近づき、小声で耳元に囁きかけた。
「……っ!!」
情報屋から出た後、記記は即座に村長宅へと走り出した。
村長宅にはこの前行ったばかりのためか、道は覚えている。
「……ミラ……!!」
数10分で、村長宅に到着する。
現在、時刻は午前8時頃だ。
「すみません!!開けてもらえますか!!聞きたいことがあるんです!!」
記記は、遠慮なく村長宅の扉を叩く。
緊急事態であるため、いちいち気にすることはできない。
数秒後に、中から村長が出てきた。
「……おや、勇者様ではありませんか!こんな朝早くにどうしましたか?」
村長は、少し微笑みつつ、首をかしげる。
「ミラを見ていませんか?」
もっとも重要なことだ。
記記は本題へと入る。
「……ミラさん……ですか?」
「はい。ミラが昨日の夜に居なくなりました。村長さん、何か知っているんですよね?」
「…………」
「ミラは、この家の地下にいると聞きました。念のため、地下があるなら、確かめさせてもらっていいでしょうか。」
「……そう、ですね。分かりました。どうぞ中に。お話いたしましょう。」
「はい。」
「では、こちらへ。」
ガンッ!!!!!!!!!!
「……っ!???………………」
村長に誘導され、家に入った瞬間。
記記は頭部に強い衝撃を受け、意識を失った。
彼が最後に見たのは、先ほどまでの温厚で微笑みを浮かべていた老人の顔が、醜く、まるで自分たちを苦しめた騎士団長のような、酷い嗤い顔へと変わった光景だった。
***
〜ミラ視点〜
「……う……ここ……は……どこ?」
何も見えない。
私は確か──コヅカ様の隣で見張りをしていた時、変な気配を感じて玄関へと行った。そして扉を開けた。
その瞬間、突然辺りが暗転して……。
「──起きたようだな、幸福な少女よ。」
「……っ!?」
突然、背後から声が聞こえた。
気配を全く感じなかった。
気づくと、男が前に立っていた。
「……あなたは一体…………なっ!?」
「気づいたようだね。」
「……っ」
体が……動かない。拘束されている……!?
よく見ると、体の至る所が魔法を付与した鎖で結ばれている。
「……何が目的ですか?コヅカ様は無事なんですよね!?」
「おや?何の話かな?」
「とぼけないで下さい。私の横で寝ていたお方です!彼は無事なんですよね?」
男は呆けたような顔をしたが、私は気が気でなかった。
私にしては珍しく、かなりの怒気を含んだ声が出る。
「……ああ、あの人間ですか。……残念ですが、あれは私たちの基準を満たさなかった。我らの目的には、なんなものは似合わない。」
「……は?」
今、この男は何と言った?
この男は、コヅカ様ことを、『あれ』と言った?
私の中で、何かが弾けた。
「君のように、我らの王の生贄になれる幸せ者は、それなりの実力がなければならないのだよ。」
「……生贄?」
「そうです。これから貴女は、我らの尊敬する王の復活のため、命を捧げるのです。ああ!なんて幸福な少女なのでしょう!!!!」
王……?
命を捧げる?
生贄、ということは、私の命によってその王が復活できるということ?
「……貴方達が尊敬している『王』とは誰ですか?……それに、貴方達も一体何者なんですか。」
「ああ、言っていませんでしたね。これは失礼。私は『悪魔』。人間族とはそもそも魂の格が違う。そして彼は──我ら悪魔族の王にして最強のお方。悪魔神様です。」
***
「……っ」
「起きたか、餓鬼が。」
「……やっぱり……何か隠していたんですね?」
身体中に、釘を刺されたみたいな痛みを感じる。
とても動けそうにないが、なんとか会話はできる。
「やれやれ、そのまま気づかなければお前は助かったというのに、つくづく愚かな人間だ。所詮は、生贄に相応しくないゴミのような魂か。」
「質問に答えてください。ミラは……彼女は今どこにいるんですか?」
「……はぁ……」
「ぐぅっ!?」
突如、お腹の辺りに強烈な痛みを感じ、胃の中の物を吐き出した。
どうやら、村長……いや、この得体の知れない老人に蹴られたようだ。
「いいか、よく聞け。私たちは偉大なる悪魔神様の復活のため、質の高い魂を集めている。そして、お前の奴隷が、それに選ばれたのだ。」
老人がそう言い終わると、再び僕の視界は黒く染まった。
―第4話 完―
お読みいただきありがとうございます。
読んでくださった方には申し訳ありませんが、不定期投稿になるので、次回投稿日は未定です。




