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第9話:王城魔法図書館

 第9話です。本編です。



 森から王城へと戻ってきた記記(ふさふみ)とミラは、部屋で夕食を食べていた。


 「いやーー、でも良かったよ、今日はミラの分もあって。いくら僕が小食でもこれだけ活動したらお腹はすくからね。」


 「何で私にくれる前提なんですか……。」


 今日からは奴隷の分の食事も提供されるとのことで、僕とミラはテーブルでそれぞれの夕食を食べていた。


 「あっ、そういえば図書館についてなんですが、この王城の中にある『王城魔法図書館』は、この世界で唯一無二の蔵書数を誇っています。私みたいな田舎者でも知っているくらいですから相当です。コヅカ様が仰っていた"記憶魔法"についての本もあるかもしれません。ただ、逆に言えばここの図書館になければほぼないということにもなりますが……。」


 「ふーーん……。」


 (図書館のこと忘れてた……。)




            *




 夕食の時間が終わり、今から就寝までの時間は自由時間だ。


 「じゃあ、行こっか。」


 「はい。」


 僕とミラは、無駄に長い廊下を歩いていく。


 途中、クラスメートの数人とすれ違ったが、みんな静かだった。クラスメートの死が響いているのだろうか?


 そんな中、廊下の端にいる秀助くんを見つけた。


 「あっ、秀助くん!!」


 「記記(ふさふみ)か。こんな時間にどうした?」


 「実はここの図書館に行こうかと思って。」


 「ふーーん。そういえば図書館もあったっけか。」


 「僕の魔法変わってるから……、何か手がかりがあれば良いなって。」


 「まっ、よく分からんけどがんばれ。」


 「うん。」


 僕は秀助くんも別れ、ミラと一緒に更に歩いていく。


 「コヅカ様のお友達ですか?」


 ミラが聞いてきた。


 「うん。僕のことをめんどくさがらずに相手してくれる唯一の男友達かな。」


 「そうですか……。」


 更に歩いていくと、一際目立つ豪華な扉があった。


 その扉の上には、『王城魔法図書館 入り口』と書いてある。


 「ここみたいだね。」


 「はい。私たちはそのまま入って良いと言っていたので、早速入りましょう。」


 「うん。」


 こうして、僕とミラは王城魔法図書館へと足を踏み入れた。




            *




 「うわぁ……、広い……。」


 入り口の扉を開け、中に入ると、そこはまるで別世界だった。


 入り口付近には受付のような物があり、その横から螺旋階段が上へ上へと続いていた。


 「すごい……!」


 ミラもかなり驚いていた。


 ここなら、僕の魔法について何か手がかりがあるかもしれない!


 「えっと……、じゃあ手分けするってことで良いかな?あっ、でも、せっかく来たんだからミラはミラで別の本を見てても良いよ。僕のことは僕自身で解決した方が良いしね。」


 「いえ、私は特に見たい本があるわけではないので大丈夫です。ここに来ることができただけでもとても幸せなことですから。私はコヅカ様のために本を探します。時間を決めましょう。今から1時間後にまたここで待ち合わせでよろしいですか?」


 「う、うん。じゃあ早速探そう。」


 年下なのにほんとしっかりしてるな……。




            *




 記記(ふさふみ)は、まず魔法書のおいてあるコーナーを探していた。


 「……こんなにあるんだ。」


 壁一面に敷き詰められた魔法書たち。


 これを全部確認するのは流石に無理だ。


 (何となくそれっぽいタイトルのを探すしかないか……)


 そして、探し始めてから15分が経過した。


 それなりに関係のありそうな本が3冊ほど見つかったので、それらをパラパラとめくってみる。


 (うーーん……。『魔法属性の攻略』って書いてあるから期待したんだけどな……)


 どうやら一般的な魔法属性しか書いていないみたいだ。


 (次は……『魔法の基礎知識』。これも一般的なのしか乗ってないみたいだな……。まぁ基礎だし仕方ないか……。)


 (最後は……『記憶に残る魔法全集』。記憶に残るように分かりやすく書いてあるみたいだけど……、記憶魔法について書かれているわけじゃないか……。)


 ここにはこれ以上なさそうだったので、記記(ふさふみ)は別のコーナーに向かうことにした。





            *





 記記(ふさふみ)が次に向かったのは、魔法歴のコーナーだ。


 ここには、魔法の発展の歴史や神話などが書かれている本がある。


 記記(ふさふみ)は、さっきと同じように本を探した。


 「うーーん……、やっぱり関係ありそうなのはないか……。」


 10分ほど経ち、もうみる物がなくなったと判断した記記(ふさふみ)は、次のコーナーへと向かおうとしていた。


 しかし、たまたま目を向けていた方向に、興味深い本があったので、読んでみることにした。


 「『神々の魔法』か。こんなの誰が書いてるんだろう?」


 そこには、本当かはさておき全ての神々の使う魔法や、何を司っているのかが丁寧に書かれていた。


 パラパラと読んでいくと、あるページで記記(ふさふみ)の手が止まった。


 そのページにはこう書かれていた。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 名前:メモリー


 第11神。11番目に生まれた神で、第11神世界の管理を最高神より任されている。記憶の神。

 

 使用魔法:()()()()


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 「!?」


 あった。


 その『メモリー』とかいう神様が使うのが記憶魔法らしい。


 神の紹介文の下には、記憶魔法の説明も載っている。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 記憶魔法


 人間が使おうとしても、せいぜい記憶力を少し低下させることくらいしかできないが、記憶の神『メモリー』はその記憶魔法で死者を生き返らせることすらできるという。


 本来、記憶魔法というのは"忘れされる"魔法であり、忘れさせる対象は脳の記憶だけとは限らないのである。


 なお、ここに記憶魔法の使い方を記す。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 「……これって」


 記記(ふさふみ)は、時間を忘れてその本を読み耽っていた。


 約束の1時間後はとっくに過ぎているのだが、記記は結局、ミラが探しにくるまで本を読むのをやめなかった。


 なお、まだきちんと読めていないということで、記記はその本を借りた。


 「明日にでも試す価値はあるな……。」


 こうして、記記(ふさふみ)とミラは王城魔法図書館を後にしたのだった。



 ー第9話 完ー

 お読みいただきありがとうございます。


 これからも更新頑張ります。

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