表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キングテレトリー  作者: フクツノタロウ
ゴールドイート商会編
283/283

ジャパ商会戦Ⅳ ~対聖堂2~

重要な表記変更のお知らせ

今更ですみませんが、このep以降は技関連の表記については

「技名」→ <<技名>>

と変更します

「勝手に終わらせてんじゃッねえよ・・・ッ」







ダガァァッン・・・!「・・・!?」


それは「聖堂」が戦闘を終えてその場から立ち去ろうと、歩を進めていた時の事だった。

歩行を前に進めようとした「聖堂」の体が意思に反してビクリともせず動かなくなってしまい、突如歩行しようにもできずその位置で棒立ちになってしまう。

次の瞬間、「聖堂」の背後からそんなゴゴゴゴ…と憤ったかの声が聞こえると同時にその現象の原因はどうやら背後から来た人物に片手で自分の一方の肩を恐るべき凄まじい力で引き留められる形で掴まれたことによるものだったと、「聖堂」は否応なく察知するしかなかった。――決して油断していたのではない。間違いなく殺したと確信していたはずだった。

一方、死地から蘇ったかのようなタイミングで上の状況を作って現れたダンのその時の姿は、シルエットからはすぐにダンとわかるがコナンの犯人のように全身が黒くなっており(これは演出上このカットのみ)、さらに全身中から発汗している汗からの蒸気がオーラのようになってまとって、加えて両目の白目部分には血管がほとばしるようにバキついて、瞳部分には赤い斑点(モーションブラーは起こらない)が現れ出ている見た目に変わっていたのだった。

こうした特徴を一目するだけでも、何やら尋常でない状態というのが伝わる。


「・・・っ!!」ガチャン


しかも掴まれた「聖堂」の片方の肩には、あまりにも強力な握力によって鎧なのに掴んだ際の手形が出来る程にまで達していた。

「聖堂」が急いで振り返ろうとした、その次の瞬間・・・!


フゥゥズドオオオォオオオォッ!!フウウゥゥゥゥ…ボゴオオォオオォォ!!


「聖堂」が振り返りの動作を見せようとした矢先、ダンは間髪入れず渾身の片手ラリアットを命中させて、まともに食らった「聖堂」は完全に両足が地面から離れて数十mほどぶっ飛んでいき、最後は壁に激突し、めり込む。派手に瓦礫が散乱した。


「ハァァ~まだ終わってねえだろうが・・・!」


「聖堂」をラリアットで豪快にぶっ飛ばした直後、ダンは先を見据えながらそう呟いた。衣服は血まみれであるもののどうみても生きている。

あの時「聖堂」に斬首されて倒れ込み、死んだかのように見えたダンの身に一体何が起きたのか。

実は今のダンは本人は無自覚ながら<<傭兵本能(戦闘本能)>>というアビリティ技が発動している状態にあり、それによって生き永らえることができたといえる状況にあった。

別名カッコの通りのこのアビリティ技は、いよいよ”死”に近づくことでドーパミンやアドレナリン(俗に言う脳汁)がドバドバと出る事で肉体の潜在能力が引き出されるといったイメージの技で、ダンが死を感じとったその瞬間、脳内物質が過剰に全身を駆け巡り突き抜けて発動する。

実用設定上は、まずダンの耐久力が何らかの攻撃を受けて20%を下回ったその瞬間、1.0秒間だけダンの認知上世界が止まって、無敵状態になると同時にスーパーアーマーを得る。つまりこの効果は”サーキットブレーカー”的な役割を果たすもので、連続攻撃を受けている最中であろうがとりあえずこの効果でまず持ちこたえる(=20%で一度止まる)。さっきの斬首もおそらくこれによって死亡を回避したといえた。

その効果を経た後、ダンは上記の見た目(オーラと目のエフェクトが注目点)に変わって、特に制限時間なくその戦闘が終了するまで常時次のⅠ~Ⅳの強化を得る。

肉体(筋肉・心肺機能や運動神経系)が潜在能力を発揮するのでⅠ.全攻撃力上昇Ⅱ.全攻撃速度上昇。そして感覚が研ぎ澄まされることでⅢ.パリィの成功タイミングがやや緩和。さらに死が近づいたことでダンはより大胆に戦うようになり全体的に一段とアグレッシブさが増しⅣ.一部アクションが強化されて、新アクションが使える(詳細は後程個別に。実はさっきのラリアットも強化されており<<傭兵本能>>中のみスーパーアーマー状態で繰り出せる)。

上の強化内容そのどれもが強力だが、特に強力なのはⅡでこれによりいよいよダンの弱点がなくなる。

さっきも述べた通り、ダン本人はこの技を技と認識せず発動しているのだが、実は10代の頃は何度かこの状態じみたものを戦場で経験しており、言い換えれば大人になってからこれまで耐久力が20%を下回るほど追い込まれた事がなかったともいえる。今回、初めて「聖堂」相手に発揮した。

 古き良き傭兵たちの心持”ピンチになればなるほど強くなる”といった根性・精神論を象徴するように、見方によってはインフェルは<<ブラッドアップ>>など悪魔の力を借りて実現していたが、ダンは本当の意味の生身一つで実現したともいえる。正真正銘、技名からもダンの最後の切り札。

特に前回の局面からのこの展開は、”死んだと思ったら覚醒した”というまさに王道胸熱展開といえた。


ドゾッ、ドゾッ・・・バシッガドォォン

ドゴォッドゴォォォバサァァパラパラ「・・・くぅっ、死に損ないが」


ワンテンポ後、ダンはぶっ飛ばした先の「聖堂」に対しロックオンしたまま(体を正面に向けたまま)、落ちていたクレイモアの元まで横歩き気味で移動すると、拾い上げると共に改めて力強く構えた。

それとほぼ同時ぐらいに「聖堂」も不愉快そうな動きと言動で壁のめり込みを脱して、改めて構える。崩落気味だったその壁の部分から礫と砂埃がもっと散乱した。中々重たい一撃を食らった感。


ドゾッ、ドゾッ…ガチャンガチャン…!!


そこから先に動き始めたのはダンで、ダンがクレイモアを持って接近していくと「聖堂」も迎え撃つ形でそっちに走り込んでいく。両者の近接戦が再び繰り広げられようとしていた。


ビュシイィィン!ドゥフュゥゥン!

フゥゥオンギイィィン・・・!


まず、適正距離になった瞬間「聖堂」はチャージ動作をとって斬撃(大)をダンに向けて放つ。が、<<傭兵本能>>状態のダンはクレイモアで薙ぎ払って打ち消すと共にさらに前へと重心を移動させながら「聖堂」へと長いリーチを活かした斬りこみ攻撃を繰り出し、その応対を契機に30秒近く続く激しい近接戦が始まっていく。

この辺のダンの流暢な対応と攻勢への転じ方は前回までと結構違う展開でやはり全攻撃速度が上がっていることで、結果的に手数が増えている上に何より隙を与えない。


――ドゥギイィィィン!!「くぅッ!(この期に及んで、力が増しているだと・・・!)」


繋がる30秒近い近接戦の中で、「聖堂」は元の実力差を以て何とか猛攻を凌ぎ小さい反撃を繰り出していけはするが、前回のどこか余裕を感じられる近接戦とは打って変わって、下手をするとダンのパワーに押され始めているようにも見える光景があった。

それは盾で受け止めた瞬間の攻撃の重みや衝撃から「聖堂」自身、身に沁みて自覚するしかなかった。

いくらダンが強化されたとはいえ、「聖堂」の世界最強レベルの実力から俯瞰すればこの程度既知想定内の域に過ぎないはずだが・・・では一体何がここまで「聖堂」を苦戦させるのか。それは、出血も続く中戦闘の消耗が積み重なる一方、ダンはここにきてこれまで以上の最高のパフォーマンスを発揮していくという展開。つまり、ダンは”展開勝ち”でそれに「聖堂」は負けているといえた。


フウゥゥズゴオオォォオン、「ぐっ!」ズズゥゥッズザアアァァ・・・!


そうもしているとダンのクレイモア足払い攻撃が繰り出され、うっかり足元を取られてしまった「聖堂」は全身が浮いて、横一回転を起こした上でサイドへと大きく吹っ飛ばされてしまう。かろうじて受け身はとってすぐに片膝をつく体勢になったが、今回初まともに正面から押されてしまいダウンを見せた。


ガチャン、ビュシイィィン!ドゥフュゥゥン!…


すぐに立ち上がった「聖堂」は一旦ダンの攻勢を落ち着かせるという判断をとったのか、その場で毎度チャージ動作をとって3、4連続もの斬撃(大)をダンに向けて次々放っていく。「聖堂」にしては珍しく単調な繰り返し攻撃で、それほど困る様子とも見てとれる。


「・・・」ドゾッ、ドゾッ、ガギイィィンギイィィン!!


対し、尋常でない集中状態にあるダンはクレイモアを正面構えでガード。落ち着いてその連続する斬撃攻撃を防いでいくと同時に、自身はそのガード体勢のまま一歩、一歩とジリジリ前に出て「聖堂」に接近していく。この場面の、クレイモアでガードを作りながらも移動する(できる)というアクションは<<傭兵本能>>Ⅳの強化内容に該当する。歩行スピードレベルとはいえ堅守で守りながら相手に寄っていけるので、かなりプレッシャーを与えられる。


フッドゴオオォオ・・・!

ガチャンガチャンフゥゥゥ、ドオォォッ!「・・・っ!?」


するとそんなダンの行動を捉えた「聖堂」はすかさず今度は高速スタートダッシュ、ダンの側面に回って渾身のシールドバッシュを繰り出そうとする。急なスピード勝負へと変化させた。

が、ダンはまだ防御を続けて少し反応に出遅れたものの両目視線を動かして「聖堂」を捉えると、そうくるとわかった瞬間にダンはクレイモアを素早く手放して素手状態に移行、方向転換を行い「聖堂」を正面に置く。出来ることが増えると自然と対応にも余裕が出てくる。

繋げて、繰り出されたシールドバッシュに対しダンは小手のある腕一本でボクシングブロックを作り、ガードを成功させ、


フゥゥドォッドゴオオォッ!!フゥゥズドオオォッ!「ぐふ、ッ・・・!」フゥゥゥ、ドザアアァァ…ガチャン


即座にもう片方の手で「聖堂」の後ろ肩から抱え込むように自身の方に勢いよく引き寄せると、そのまま頭突き。さらにそれでよろめいた所、がら空きになった「聖堂」の腹部に向けて膝蹴りを叩き込む。叩き込まれた「聖堂」は前のめりに体勢を崩すと共にやや吐血を起こし、フワッと両足が地面を離れ、ワイヤーアクションばりに後方10m程吹っ飛んだ。ダウンはせず結局直立のまま再度着地したが、ダメージが蓄積する上に、何より自分から仕掛けにいってもダンにむしろ反撃されてしまった初の場面。

ここの攻防も<<傭兵本能>>Ⅳ強化内容が表れていた。近接距離において武器を使わない肉弾通常攻撃(またはそれに準ずる攻撃)までなら小手の片手でブロックし、自動入れ違いでもう片手で相手を掴みにいけるというアクションが可能になっており、これにより全てをパリィで合わせなくても上のように即カウンターできる。もはや格闘ゲームの高度なテクニックみたいなものを実現できている。

ダンは止まらない。


ドゾッ!ブォォォン!

「ジャストオォオオッ!!」ガギイ゛イィイイイン!!「馬鹿なッ!?」


間髪入れず距離を詰めにいった素手のダンが接近すると、「聖堂」も素早く反応しビームソードで強い斬り攻撃を繰り出すが、なんとここでダンの”パリィ”が強烈に炸裂。ここにきて「聖堂」は大きく体勢を崩しがら空きを晒す。この時のパリィは当然<<傭兵本能>>Ⅲの強化されたパリィになっており、パリィ動作もよく見ると通常時では少し握り拳構えを作ってからカチ上げるという手の動きになっているが、この状態中はほぼいい加減に横に払っているだけに見える手になっているのが確認できた。だが、一見雑になっているように見えて実は余分な動きや力みが無くなって洗練されている(成功させやすくなっている)というカッコよさが感じ取れる。

この瞬間、ダンに大きなチャンスが到来する。


「はあああぁぁオラヨオォオ!!」フゥゥゥドオオォッブチャアアアァッ!!――バシィィン!!「もういっちょオォオッ!!」フウウゥゥバゴオオオォォオオズドオオオオォオオ!!メキメキメキメキ!!


ダンは低姿勢になって拳を温めるかのように溜め動作を作ると、それで溜めた後、渾身のアッパーブローを「聖堂」のがら空きの顎へと叩き込み、大ダメージで「聖堂」の体をややエビぞり気味に完全に浮かせる。しかもこれだけで終わらず、ダンは繋げて浮いた「聖堂」に向かってジャンプ。その空中で「聖堂」をキャッチすると、そのままプロレスのパワーボムで地面へと「聖堂」をおもっくそ叩きつけた。叩きつけた瞬間、地面全体が凄まじく破壊されて周囲にも砂埃と亀裂が広がり、気持ち床が沈んだような気がするほどの威力だった。

これも<<傭兵本能>>Ⅳの強化内容で、アッパーで浮かせた相手をそのままパワーボムで叩き落とすというえげつないコンボ。ep.217であったパワーボムでは立っていた状態で一度掴んでから繰り出していたが、この状態ではコンボに組み込まれる上に、ダン自身もプロレスリングコーナーから飛び降りるように両足を地面に対し平行扇状に広げて尻で地面に相手と一緒に着地するのでその分体重が乗ってそうなイメージで、一段と威力が上がっているといえた。もはや格闘ゲームの…(略)


ゴオォォォォォ・・・ドゾッドゾッドゾッ、バシッフウゥゥズドオオオォ・・・!!

ドサァァン!ドサアァァン!ゴロゴロ…


普通なら決定打になるほどのダメージだろうが、相手は人外レベルなのでダンはその手応えを感じる間もなくターンで後ろに向かって立ち上がりながら、すぐにクレイモアの元に近づいて掴むとそっから止まらない砂埃の中で仰向けに倒れているであろう「聖堂」へと追撃。長いリーチで全体重を乗せた両手握り垂直振り下ろしの一撃を片方の肩から豪快に繰り出した。

が、やはりギリギリ間に合わなかった。「聖堂」は地面にめり込んでかなり出血を広げていたが、咄嗟に仰向け体勢からのダイブで紙一重にクレイモアの直撃を免れる。とはいえ、衝撃と破壊には巻き込まれて「聖堂」は大きく体を避けた先の地面で滑らせ転がったのだった。


「ハァァ、ハァァ、ハァァ」


この辺りからダンの方も、さすがに<<傭兵本能>>状態であり続けるのはかなり肉体的負担があるのか異常なまでに発汗しているのが見て取れる上に、激しい息切れが起こり始めている。

だが、一つ忘れてならないのは<<傭兵本能>>状態は大幅に強化されると同時に耐久力的には”ピンチのサイン”であるという事で、「聖堂」相手に絶対に今の流れを止めてしまうわけにはいかない。ダンの勝算としてはこの展開勝ちのまま一気に勝ち逃げを決めにいく。それしか考えていなかった。


ガシャァァドオォッ!ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…!


息をつく間もなくダンは両手で掴んだクレイモアの切っ先を地面の方に落とすと、そのまま引きずりながら「聖堂」へと勢いよく接近していく。直線上に地面が派手に削り取られていく。


ドッ、ガチャ「・・・ハァ、ハァ・・・!」


兜の中から血が滴り続ける「聖堂」は片膝と片手をついて立ち上がろうとしていたがすぐには立ち上がれなかった。うなだれるように地面を見つめそんな溜まる血を視界にしているとダンが接近してきたので、すぐに応戦する。本当は距離を大きくとって魔法技でも入れて立て直しを図りたいが、消耗が中々そうさせない。


ガギイイィィンピィィィン「どぅ、ぐっ・・・!?」


ビームソードを両手握りにした「聖堂」の渾身の縦斬りとダンのクレイモア斬り上げがカチ合った瞬間・・・!大きく体勢を崩したのは「聖堂」の方だった。これも実はダンの<<傭兵本能>>Ⅳの強化内容によるもので、タイミングはよりシビアになるがクレイモアの攻撃で相手の武器通常攻撃とジャストタイミングでカチ合った瞬間、相手はパリィを決められたのと同等の硬直が起きる。つまりクレイモアの攻撃が小手パリィも兼ねる可能性が帯びるということだった。ただ、相手の振られた武器と振られたクレイモアの刀身がタイミングよくカチ合わないとできないので、やはりシビア。積極的に狙いにいくのは難しいがパリィチャンスは大幅に増える。もはや格闘ゲー…(略)


ドゾォンッ「・・・フハッ!俺の勝ちだァア・・・ァッ!」


その瞬間、思わずダンはしてやったという興奮した笑顔を浮かべて、「聖堂」にそう言いつける。熱い剣戟戦の様相で、ここまできて初めて「聖堂」を部分的にも上回ったと実感できたことが嬉しくなったのかもしれない。いずれにしろこのタイミングで笑えるのは大したものといえた。

間髪入れずダンはその隙を使い、後ろへのターンで間合いを図ると同時に両手持ちクレイモアを水平にし、切っ先を「聖堂」の方に向ける。直後、全力で踏み込む!


ブォオオォンフゥゥギイイィィイィィンドジュウウウゥゥウウゥッン!!「ぐはあああぁぁあッ!!」

グワァアァン・・・!ドゴオオォオオォオンバギイイィイイインドオオォォォオオ!!


ep.234冒頭私兵筆頭に繰り出したのと全く同じ攻撃、まずクレイモアで「聖堂」の胴体を貫いた。貫いた瞬間にとうとう鎧が大きく破損、破片が激しく飛散し、大量の出血が飛び散った。これにより鎧内部が隙間から見えたが、どうやら鎖帷子くさりかたびらを着ていたらしく、「聖堂」の肌自体は見えなかった。

貫通させたところから繋げてダンはそのまま持ち上げて、最後は反対方向の地面へと「聖堂」を豪快に叩きつけた。叩きつけた瞬間、地面の凄まじい破壊が進んだ。また、この衝撃の弾みにより「聖堂」の肉体からクレイモアが抜けて、「聖堂」の手元からビームソードが吹き飛んで離れてしまった。


ドォォッドッドッ、バシイイィッギュウゥウウゥゥゥウ…!!「ヒィ、ヒィ、ヒィ…ィ!ここでェ、仕留めてぇッやるゥ、よォ・・・ッ!」

バシッ「うゥゥッ・・・!ゥゥゥ!!」ドズゥ、ドズゥ、ドズゥ・・・!!


それでも殺しきれないのでダンは勢いそのままにクレイモアを乱暴に手放して、叩きつけられて仰向けのままの「聖堂」に浴びせ倒れて馬乗りになると繋げて両手で首を絞め始める。この時のダンは全身が力み過ぎているので歯を食いしばりながら息切れしている。

対し、「聖堂」は首を絞め始められた瞬間に反射的に防御反応を見せ、片手は絞めつけを緩めようと自身の首元へ、そして盾の片手で馬乗りのダンの顔面を何度か殴打していく。鈍い音を立てて、ダンもあざと出血が増えていくが、馬乗りを食らい首を絞め続けられる体勢ではやはり大した力は出ず、止めきれない。


「か、カァッ、ッァァ・・・ァッ!!ァァっァァ!!」ギュウウウゥゥウウウゥゥ…!


それで10秒経過すると、とうとう苦しさのあまり「聖堂」は盾殴打を自然と諦めて両手で自身の首を絞め続けるダンの両手を引き剥がそうと必死に試みる。耐久力的にも継続ダメージで減っていき、本当にこのまま殺されるような切迫さで、かなり泥臭くなってきた上にハラハラする場面。

対しダンの方もここで終わらせてやる!という必死の形相で、より馬乗りを強めるが如く体重を掛けて前のめりになって絞める腕の力を強めて維持していく。圧倒的有利な体勢に見えるが、何気にこの時の「聖堂」の力も凄まじく、ちょっとでも油断すれば馬乗りを解除されそうな危うさを感じていた。

ダンの凄まじい歯の食いしばり表情がそれを物語っていた。

その時。


ズドオオォォン!・・・ズドオオォォン!!


馬乗りの力の拮抗した状態が、自然とここまでの戦闘によって痛んだ倉庫地面全体に陥没を起こし始める。両者がいる位置を中心にどんどんと地面が崩落へと向かっていっていた。

そして、さらにその10秒後の事だった・・・!


ドッバギイイィドゴドゴドゴドゴドゴドゴオオォオオッ!!ズドオオオオォバサァアアアァァン!!


なんと、そのまま地面がド派手に抜けてep.273で先述した樽がいっぱいある地下空間へと馬乗り状態のまま二人は落ちて行ってしまった!

ここまでヒリヒリする、息をつく間もない経過だった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ