変化
ある1人の青年が森へ狩りにきていた。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・キリがない・・・。」
青年はウルフの群れに囲まれていた。
1匹のウルフが鋭い牙をむいて飛んで襲い掛かる。
それを剣で受け流し側面から斬りつけ、さらに追撃でウルフの体を空中で蹴ってぶっ飛ばした。
さらにもう1匹が同じように襲いかかるがそれを斬りつけながら地面に叩きつけた。
「あと6匹か・・・素材がもったいないが仕方ねぇ!・・・。」
「すべてを燃やせ! ファイアブロウーーー!!」
そう言うと、その青年は手に炎をやどし球状に飛ばした。
見事1匹のウルフに命中。爆発とともに炎は広がり合わせて4匹が延焼し焼死した。
さらに生き残った1匹に全力で剣をふりおろす。
「はっああぁ!!」
ウルフの威嚇にも負けないほどの力強い雄叫びを上げる。
衝撃波がでるような重い一撃でウルフは即死した。
「なんとか片付いたな・・・。今日は結構狩れたか。」
青年は呼吸を整えながら、ウルフの死体を見渡す。
「さて、獲れる分だけ獲って帰るか。しっかし皮はやっぱ燃えてダメだな。これじゃあ使えないな。」
そして青年は自分の村であるデサン村へと帰ることにしたのだった・・・。
青年が村に帰ると何やら見慣れない顔の人物が村を訪れていた。
特徴的な髭に長いコートを着て、手には紋章のようなものがついていて渋めの人物だ。
村民に何かを聞いていた。
「ここにルークドという名の人物はいるかね?」
「ルークド・・?今はデサン森に狩りに行っていると思うけど・・・
それにしてもあんたこんな所までわざわざ会いにきたのかい?」
「うむ。その通りだ。」
「お、ちょうどよく帰ってきた ルークドぉーー!知り合いがきてるぞーー!!」
村民は遠くにいるルークドに向けて、手を振る。
ルークド、それは青年の名前だった。
ルークドは、その声のする方へウルフの肉が入った袋を肩に担いでいる状態で歩いて近づいていった。
顔が見える距離まで近づくと、じっと見るがそのものの顔に見覚えがなかった。
「誰だ?あんた?」
「私の名前はエドワール・ノルス。久しぶりではあるかな。
まぁ君は覚えていないだろうがね。
さっそくで悪いが本題に入りたい。」
そう言うとさっきの紳士的な雰囲気から厳格で圧倒されるような雰囲気に変わった。
「君にはあることを手伝ってもらいたい。」
「あること?」
「それは・・・「キングテレトリー」の復活だよ。」
そう言いながらノルスはルークドの目を渋い目つきで見た。