14 絶望に満ちた未来、私は死ぬ
五臓六腑を引き裂かれるような、絶望に満ちた未来の光景だった。
それは深い沼のように私をぐいぐいと引きずり込み、足掻けば足掻くほど、その呪いの鎖から抜け出すことができなかった。
冷や汗は寝衣を濡らし、冷たい感触が肌に張り付いていた。
激しい震えの中で私は飛び起きた。心臓は爆発しそうなほど狂ったように鼓動し、あの契約の魔法で凝縮された青い矢が、再び胸を貫き、窒息するほどの激痛をもたらしたかのようだった。
私は無意識のうちに体を丸め、制御できない震えに包まれた指先で下腹をさすった。そこにはまだ、化形抑制剤によって本源を無理やり歪められ、引き裂かれるような幻の痛みが残っている気がした。
額の角もひりひりと痛み、玉角が皮膚を突き刺す感覚が、血のように生々しく恐ろしかった。
私は全身を丸め込み、そうしていなければ、あの骨の髄まで凍る寒気と恐怖に押し潰されてしまいそうだった。
夢の最後の断片は、最も悪毒な呪いのように何度も脳裏を旋回した。
聖国建国記念日の喧騒の中、リディアは凱旋した女王のように勝ち誇り、レオンの失ったものを取り戻したという狂気じみた陶酔に酔いしれていた。
なんと巧妙な手口だろう。たった二年の沈黙で、レオンのあの浅薄で移ろいやすい「好き」を、骨の髄まで染みつく執念へと変えてしまったのだ。
そして、私が死んだ日――聖都には百年に一度の大雪が舞い、空気は刃のように冷たかった。
リディアは得意げな顔で私の前に立った。その唇に浮かんでいたのは、残酷な笑みだった。
彼女は突然、私の首からネックレスを引きちぎった――それは、母妃が亡くなる前、最後の本源の力を振り絞って私に託した御守りであり、この冷たく絶望的な世界で、私に残された唯一の温もりだった。
ネックレスが冷たい石の床に叩きつけられた。
パリンッ!
――玉のペンダントが、一瞬で粉々に砕け散った。
その耳をつんざく破裂音は、まるで私の心臓が砕ける音と重なったかのようだった。
頭の中で、理性という名の弦が音を立てて断ち切れた!
本源はすでに壊れ、魔力は尽き果てた。そんな私に、いったい何ができるというの?
視界が真っ赤に染まり、机の上の鋏が目に飛び込んだ。
反射的にそれを掴み――駆け出す――刃先が空気を裂いた。
「許さない……! 絶対に、許さないっ!!」
叫びとともに鋏が閃き、リディアの腕に真紅の花が咲いた。
取るに足らない傷だった。けれど、それが私にできた唯一の反抗だった。
そしてあの矢だ……氷のように冷たい霊力を注ぎ、私とレオンの契約符文で生まれた、あの青い矢……耳障りな破空音を響かせて――
視界が血に染まりゆく最後の瞬間、遠くの高台で、レオンが青く光る符文の弓を静かに下ろす冷たい姿が見えた……
彼だ……! 本当に、彼だった……!
自らの手で、私たちの許嫁契約を使って――私を、殺したんだ……!
***
「あああああっ――ッ!!!」
抑えきれない嗚咽がついに喉を突き破り、私はベッドの上で丸くなって泣き叫んだ。
肺の奥を抉るように、全身が痙攣し、五臓六腑までも吐き出してしまいそうだった。
それはただの悲しみじゃない、恨み、憎しみ、そして信じていたものが崩れ落ちた後の、徹底的な絶望だった。
「アリシア! 私の娘! どうしたの?! 悪夢でも見たの?!」
母妃は私の叫び声に驚き、寝室に駆け込むなり、蒼白になって震える私を力いっぱい抱きしめた。
その抱擁は温かく、懐かしいはずのものだった。けれど、私の心の寒さを溶かすことはできなかった。
私は溺れる者のように、母妃の衣の襟を必死に掴んだ。
「嫁がない! 母妃、私……お嫁になんて行かない! レオンなんて、もう要らない! こんな忌まわしい契約も、全部――いらないの!!」
涙で滲む視界の中、私は母妃の驚きと痛みに満ちた顔を見上げた。
声には、これまでにない恐怖と決意が混じっていた。
「母妃……! 私、レオンとは結婚したくない! だって、最初から、最初から私じゃなかったはずなのに!」
その最後の言葉は、歯の隙間から絞り出すように漏れ、尽きることのない屈折と、諦めに満ちた宿命の色を帯びていた。
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