13 永遠に彼女のように……
言いようのない寒気が一瞬で足の裏から頭の先まで駆け上がった!全身の血がその瞬間、凍りついたように感じた!
彼は私の顎を捻じり、骨を砕くほどの力で押さえつけ、もう一方の手から不気味に青く光る薬剤――化形抑制剤を取り出した!
「やめて……レオン!やめてよ!」
私は恐怖で抵抗したが、無力だった。
虚ろに虚空を見つめる彼の瞳を見て、私は初めて気づいた。かつて星を宿していたその瞳の奥には──もう何も映っていなかったのだ。
「飲め!」
冷たいガラスの縁が私の歯に当たった。
青黒い液体が喉の奥に流れ込んだとき、私はようやく理解した。
これが、人間が『愛』と呼ぶ劇薬の味だと。
(ただし、この愛は私に向けられたものではない。)
「うあっ――!」
激痛が瞬間、腹部に走った!
無数の冷たい錐のような衝撃が狂ったように掻き回し、私の魔力本源を引き裂いた!
本来なら順調に縮んで化形の完成を示すはずの白い玉の角が、制御を失って再び額の皮膚を突き破り、えぐるような痛みを伴い、滾るような鮮血が頬を伝って、下に敷かれた高価な掛け布団を赤く染めた。
私ははっきりと感じ取った。
本源の力が狂ったように流出し、あの薬剤によって強制的に凝固・歪められ、『完璧でない』慣れ親しんだ形に固まっていく――それがリディアの形態なのだ!
「良い子だ、アリシア。恐れるな……」
彼は私が苦痛で丸まり、冷や汗に全身が濡れるのを見ながら、むしろ奇妙で背筋の凍るような優しさを帯びた口調で言った。
「貴様は召喚獣だ……耳と尾がなければ、貴様の形態は純粋ではなくなる……こうしてこそ、永遠に彼女に似るのだ……」
彼は再び生えてきた血に染まった玉の角を撫でながら、その眼差しを次第に嫌悪へと変えていった。
「だが、この羊角は見るからに不快だ。俺が……お前のために鋸で切ってやろう。どうせリディアには元々これがない」
ドン――!
脳が真っ白になった。
彼が求めていたのは、決して私――アリシアという存在ではない。
彼が求めたのは、ただリディアを思い出させる、完璧な代用品。
角がなく、より彼女に似た、従順な傀儡だった。
「レオン、あなた……狂ってるの?!」
私は激痛に耐えながら、声を張り上げた。
「聖国には、魔法ダメージを無効化できる天賦の子供が必要なの! それが私たちの契約の一部だ!」
「聖国が?」
彼は鼻で笑った。まるで天にも昇る冗談を聞いたかのように。
「だが、俺には必要ない」
「あなたは聖国の王太子なのよ!」
私は自分の耳を疑った。
「契約を破って、召喚秘境と聖国の戦争を起こすつもりなの?!」
「ああ、そうか?」
彼は首をかしげ、まるで天気の話でもするかのように淡々と言った。
「戦争を起こすな……? なら、戦えばいい。大したことじゃない。死ぬ者が増えるだけだ。どうせ召喚契約がある以上、お前たち秘境が勝てるはずがない」
……!!!
「でも、あなたたち聖国は最初に確かに約束した。!」
「アリシア」
彼は私の言葉を遮った。その声は冷たく、残酷だった。
「貴様は今のこの姿で、まだ子を産めると思うか? 約定など、自然に消えるだけだ」
……そうか、そういうことか……。
なるほどな……彼は最初から、もう決めていたんだ。
可笑しい……!
なんて、可笑しな話なの……!!
「レオン――!」
「レオン――!!」
「レオン――!!!」
高熱にうなされる悪夢の中、声を枯らして叫んだ。一語一語は天までみなぎる程の恨みに染まっていたが、喉の中では砕けた嗚咽にしかならなかった。
貴様を恨む!
貴様は虚偽で利己的な裏切者を!
貴様たちの自由を名目とし、略奪を実行する恥知らずを!
私をがっちり鎖で縛り、玩具のように扱う「責任」という名の枷を!
私の無数の獣族の仲間たちをゴミのように扱い、好き勝手に踏みにじる世界を!
涙が額の角からにじみ出た冷や汗と混ざり、枕を濡らした。
私は激しい震えと、心を焼くような憎しみの中で抵抗した。全身が燃え上がる思いで、この醜い未来と冷たい現実を共に灰燼に帰そうとした!
秘境の王族は、生死の境に立つと非常に高い確率で予知夢を見る。
そうか……これが私の未来だったのか!
私は私の可笑しい一生を見た!
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