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26.吸血鬼さん、魔王改めマオを抱く。

本日三回目の更新です!(/・ω・)/

 ルヴィグの拠点は迅速に離れたが、ムーンディアへ向かう道中については俺は特に急がずにゆっくり行くことにした。


 ドラティア以外の残りの勇者たちの消息がどこで掴めるか分からないので、こまめに情報収集をする狙いがあるのだ。


 とはいえ、ずっとのんびり歩いて行くのも億劫ではあるので、恒例の新眷属―今回は魔王―に与える新たな服を買いつつも、途中で小さな馬車を手に入れた。


 馬車の扱いは慣れたものなので、特に問題は無く普通に運用が出来るということもあって購入に踏み切った。


 さてそして。


 所々にある宿場に泊まりながら色々と噂を聞いたりして行ったのだが……しかしながら、有益そうな情報は手に入らず終い。


 まぁ、これは想定の範囲内ではあるので失望はない。各々が表舞台に出ることを控え気味なのだから、簡単に噂になるような事も無いのは当たり前なのだ。


 今回の本命は基本ドラティアの記憶だ。そこに何か有益な情報が手に入ることを期待したい。


 仮にも一国の王女であるのならば、表に出て来ない情報を獲得しているかも知れない。なんなら”眷属化”させた後に、記憶吸い出し以前の真似をさせて王女の権力を使って探るのでも良い。


 俺の復讐は着実に前に進んでいる。確かな感触が俺の手にはある。





 ムーンディアに着く前の最後の宿場街の夜。いつもならば夜はティティかミミにご奉仕をさせるのだが、二人には今日は遠慮して貰い魔王を呼ぶことにしていた。


 魔王には今のいままで手はつけなかったが、そうしていると次第に機嫌を悪くしていったので、さすがにそろそろ抱かないと駄目な感じがあったからだ。


 それと、与える名前も決めたので伝える必要があると言うのもある。


「ぬし様、夜に妾を呼ぶということは、とうとう妾と初めての夜を過ごす気になったのじゃな……?」

「そうだね。今日はマオを抱くよ」


「男らしい断言に妾の心もきゅんきゅんするのう……ところで、マオとはなんじゃ?」

「君の名前だよ。ずっと考えて決めた名前なんだ。受け取って貰えると嬉しい」


 名前の由来は魔王の読みが”マオウ”だから”ウ”を取って”マオ”だ。


 本当に色々と考えた結果捻りだした名づけなのだが、やはり俺にはセンスが無いらしく、どうにも安直で単純なものになった。


「マオ……うん、良い名前じゃ。これで妾も名無しは卒業じゃな」


 魔王――マオは噛み締めるように微笑んで頷いてくれた。


 名前を伝える時はいつも俺も緊張する。”眷属化”の効果もあって、そう酷く言われること無いのは知っているが、それでも気に入ってくれるかどうかはいつも心配だ。


 今回も不満がほぼ無さそうで何よりである。


「ぬし様……妾はこんな小さな体じゃ。だから、優しくしてくりゃれ?」


 マオは俺の隣に来ると、ベッドのシーツを手繰り寄せて口元を隠した。


 俺がマオに買い与えた服は何の色気も無い、ハートマークのついている白のニーソックや見た目に違和感のない短パン、それに袖が少し長いニットのセーターだ。


 しかし、朱色に染まった頬や細かなマオの仕草の数々が、体は小さくとも見た目が子どものようでも、確かに”女”であることを匂わせている。


 それでもまだどうにも犯罪臭は残るが、こう見えてもマオは既に三十路。何ら問題は無い。単に俺が覚悟を決めれるかどうかという話だ。


 もちろん、呼んだ以上は引くつもりは俺には無いのであって、だからその小さな体を本人の希望通りに優しく味わうことにしたのだった。





 翌朝――マオは内股になりながら、随分とふらふらしていた。


 なるべく優しくしたのだが、ティティとユスハに続きなんとマオも男が初めてであったようで、その小さな体で俺を受け止めるのは大変であったらしい。


 見た目はともかく、年齢的には経験済でもおかしくないと思っていたので、破瓜の血が出た時に俺は冷や汗を出してしまった。


 なんら問題が無いと分かっていても、その見た目ゆえに取り返しがつかないことをしてしまった気になったのだ。


 後ろめたさを感じる必要は無い、というのを心できちんと受け止められるようになったのは、一夜明けた今になってからだ。


 それにしても……こうも処女が続くとなると、眷属にする予定である残り二人の女の勇者も処女であるような気がしてくる。


 特にドラティアに関しては、王女という立場もあって貞操を守ってもいそうなのでなおさらその確率が高い。


 復讐の時に無理やり奪った瞬間の表情が今から楽しみ――おっといけない、思わず下卑た笑い声を上げてしまう所だった。これは本人に聞かせる為に取って置かないとな。


「お、おぉぉぉ……歩くのが大変じゃ。ぬし様抱っこ~」


 マオが抱き着いて来たので、俺はやれやれとため息を吐きながら抱っこしてやることにした。


 さて、明日にはムーンディアに着いてしまうので、その前に調整として全員のレベルを一旦横並びに調整しておこうかな。


 マオから吸った経験値と魔王城近隣のほぼ全ての大量の魔物を”瘴気”で駆逐したこともあり、俺のレベルが少し上がって今は215になっている。


 三人揃えて120ぐらいに上げても俺のレベルはそうは下がらない。212か213ぐらいまでの下げなら許容範囲だ。


 レベルを横並びにする中で、俺が特に楽しみにしているのはマオである。なんとそのスキルの名称が”魔王”であると言うのだ。


 聞いたことも無いスキルであり、これは使えそうな気がひしひしとしている。記憶を破棄されたせいで、各レベル帯で増えるスキルの使い方が分からない、というのも好奇心をくすぐってくる。


 ドラティアを誘拐して復讐する方針を俺は定めており、基本はティティに動いて貰うことにはしているのだが、それが更に楽になるかも知れない。


 ティティより誘拐に向く効果が出て来るのならば、マオに任せるのも一興ではあるが……本人の性格を考えると、隠密は向いてはいなさそうなので今回は控えたい。


 俺の為と言って斜め上のことをしそうな気がするので、そうした不確定要素はなるべく外して行きたい。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  見た目ロリでも手をだしちゃう、主人公の潔さ。  いっそ清々しい。
[一言] 油断しないでレベルを上げた方が良いと思うけどね。
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