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11、姉と友人

アップ遅くなりました。

 午後からは王都のタウンハウスの使用人達を鑑定して過ごしました。


 膨大なフェチ情報に心が荒んできたころ。3時のおやつです。本日のおやつはシンプルにチョコクッキーでした。口いっぱいに広がる甘さがチョコというよりバター効きすぎと感じる重いクッキーでした。


 おやつのあとのまったり時間ですが、階下がどうやら騒がしい様子です。お姉様が学園から帰宅したみたいですが、どうやらお連れ様がいるようです。私はお姉様から客間へ呼び出されました。


「リーリア、私の妹よ」



 お姉様が照れて話をしています。お姉様、ここで男性を連れてくるとか、一体何を考えているのですか?私の鑑定を信じていないのでしょうか。無意識に男を誑かして、ついに連れてくるとは。同性からの不満爆発は止められないかもしれません。


「はじめまして、リーリア様。トレミエール様の友人のノッテンです。よろしくお願いいたします」


 親衛隊なのかしら?短いおかっぱヘアが似合う美男子だわ。美の女神に祝福されそうですね。


【ノッテン・ブリートリアン(女)13歳、美容スキル、高等部の新男装麗人、姉トレミエールへの恋心育成中】


「ほら、昨日の夜、鑑定見せてもらったじゃない?だから、私の仲の良い友人としてあのことを相談させてもらったのよ。ちなみに、こちら女の子ですわ」


 相談相手が間違っていると思うのですが。いや、一応女、女の子?ですし、でも、お姉様への恋心育成中って。これ、ちょっと私の予想を遥かに超えた状況になって混乱してます。


「しばらく私と一緒に行動すればいいとアドバイスしたんだ。思わせぶりな態度以上に近づく必要がなくなるだろうしね」


 男(?)前のイケメン、恋心育成中のノッテン様は嬉しそうです。おそらく、これだけ美しいのですから、貴方の一部の男装麗人ファンもいるでしょうね。さらに反感を買いそうです。


「お姉様は鑑定表示を忘れましたの?無意識に男性を誑かすとは、男性へ思わせぶりな態度をしているということですわ。自分が好きな人へ、美人のお姉様が近づいた時の気持ちってわかりますか?“なにあいつ?うぜぇ”です」


 若き女性達の不満が爆発する前に釘をささねばなりません。学生の集団ほど怖いものはないのです。


「それは、トレミエール様が美しすぎるが故でしょう」


「お姉様、その美しさを怨み、ねたみ、彼女達がナイフを持って顔に傷をつけようと多人数で攻められても後悔しませんか?」


「そんな」


「だから、私が付き合うんだ」


 ちょっとノッテン黙っててくれないかな。鑑定表示しちゃいますよ。キッと睨んで話を続けます。


「お姉様、好きな人に他の女の人が近づいたら嫌な気持ちになるのは当たり前です。いわゆる嫉妬です。お姉様はとても美しいので、靡かない男性はいないと、勝手に思われてしまうこともあるのです。怨みを買って学園生活を送りたくないのなら、今すぐ特定の男性を作ってしまうか、男性とは関わらないかの二択ですわ。ただ、高等部ともなれば将来を約束する出会いもあるかもしれませんもの。男性と全く関わらないということは将来的に殿方への嫁ぎ先で困るかもしれないですわ。気になる殿方はいらっしゃいませんの?」


 ここで、ノッテンの恋心を砕くことも忘れません。え、女性同士?別に構いませんが、彼?彼女は甘やかしてしまい、お姉様本人の解決にはならないと感じますのよ。


「特定の男性は作らなくても女性だけでもいいじゃないですか」


 恋心育成中。なかなか手強いようです。


「今までお姉様がそんなつもりでなくても声をかけた男性、声をかけられた男性がいるはずですわ。その男性が好きで、お付き合いしている女性がお姉様をみたらどう思うかしら。お姉様だって、恋愛小説は読んだことあるでしょう?」


「…ええ。横取り悪女と呼ばれているわ」


 なかなか鋭いネーミングに驚きました。


「お姉様、無意識でしょうけれど、今やっていることは横取り悪女と変わりません。しかも多人数に」


「そんな…」


 青ざめるお姉様は今にも倒れそうなくらい、病弱で儚い美女に見えます。支えたくなる、守りたくなる姿。これぞ無意識のなせる技ですね。


「お姉様、気になる殿方は?」

 さらに重ねて問います。

 ノッテン、気になるのでしょう。儚げなお姉様の背中をやさしく擦りながら、私へ非難する表情をします。嫉妬するのもされるのも、また青春でしょう。



「おり、ませんわ」


 ――嘘ですね。今、表情の中に一瞬ですが思い描いた人がいたようです。


「鑑定」

 こうなったら無理矢理にでも恋心を目覚めさせましょう。


「いますよね?お姉様?」


 鑑定表示には変化はありませんでした。が、恋は勢いと勘違いからスタートすることもあるのです。


「気になる殿方だけに、近づきお話しして、他の男の人にはあまり関わらないことですわ」


 顔をあげたお姉様は珍しく真っ赤になって


「…声をかけるのも勇気が出ませんわ」


 と言いました。


 お姉様の横に表示された特記事項が変化しました。


【高等部プリンスへの憧れ自覚中】


 恋心ではないです。しかもミーハーな匂いがプンプンします。プリンスって。まぁどうなるかわかりませんものね。憧れが恋へ変化するかもしれません。不満爆発で事件が起こる前に押し留めることができたとしましょう。


お読みいただきましてありがとうございました。

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現代物の軽い読み物です。恋愛なしでゆるっと1500字程度ですので、こちらもよかったらよろしくお願いします!
授業中に居眠りする彼の事情
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