第5話:お礼参り
いつもお読みいただきありがとうございます。
ついに隼人たちは特務機関REAへ潜入。
希の能力や過去の因縁、 そして社会の中枢にいる大物との邂逅…物語も少しずつ核心へ近づいていきます。
今回はアクション多めのお話ですので、ぜひ最後までお楽しみください!
【特務機関REAへ】
希と手を組んでから1週間後…
REAをあっさりクビになった希の案内により、
隼人はより一層無機質なビルの入り口に立っていた。
「こんな場所がお国の極秘機関か
刑務所の方がマシだな。」
希は乾いた笑顔で
「クスッ…それは否定しませんわ」
と返す。
「それよりこのセキュリティを突破するには…」
希が話し終える前に
「ドゴォオオ!!」
という爆音が響き、
エントランスの強化ガラス性のドアが吹っ飛んでいく。
「こうしちまえば手っ取り早い」
そして当然のように警備員…
いや、大量の警備ドローンが集まってくる。
「男ってほんとバカ…」
希は呆れ返っている。
「でも、嫌いじゃないですよ♡
なのでここはお任せください♪」
【アビリティ】
希はペリカンの霊獣を実体化させ、
アビリティ”引き摺り込む水辺”を発動。
警備ドローンたちが次々に浸水し、
一斉にショートして行動不能になっていく。
「いい能力持ってんな、あんた」と、
隼人は珍しく他人を褒める。
「どういたしまして♡
さ、まずは4階にある研究室へ。」
どうやらそこで霊獣や世界のヒビについての資料やらがあるらしい。
【奇襲】
隼人たちが研究室に入り、
希がコンピューターからデータを抜いていると一人の女が現れる。
-白武 美香留-
REAの研究員らしいこの女の白衣の名札にはそう書かれている。
「あなた達、不法侵入の現行犯よ」
彼女がそう言うと隼人が不敵に返す。
「ハッ!なら警察でも呼んでみろや。
秘密が明るみになってもいいならな!」
「ええ…でもその必要はないわ。
ここは法律の外側…あなた達がどうなってもあなた達の自己責任よ。」
その瞬間、隼人の体を巨大な何かが締め上げる。
「…!こいつは!?」
隼人の体を実体化したオオアナコンダが巻きつき、ハクを実体化させ応戦するが、完全に不意を突かれ窮地に立つ。
【危機】
しかし異変に気づいた希は何やら考え事をして動かない。
(この女…まさか、まだ…!)
「あら、大空さん、クビになったと聞いてましたけど、随分私に協力的なんですね?」
「え…?あ、うん…まぁ、そうね」
希は完全に人の話を聞いていないモードだ。
ハクがオオアナコンダの頭に噛みつこうにも位置が高すぎて牙が届かない…
絶体絶命のピンチかと思われたその時、希はペリカンを実体化させる。
「はぁ…色々考えたけど、スマートには出来なさそうですねぇ♪」
ペリカンは飛び上がりながらオオアナコンダの目や鼻をクチバシで突き、ダメージを与えつつ注意を引く。
そのうち美香留の目が充血し鼻血が垂れ始めた時、オオアナコンダの標的がペリカンの方に映る。
希は窓を開け、そこに誘導するかのように挑発しながら攻撃を躱していくとついにオオアナコンダはハクの体を一部巻きつけたまま窓の外へ落下する。
「やってくれたわね!」
「アハハ!あなた自身はともかく、ヘビちゃんがおバカでよかった♡
ほら、早く実体化を解除しないとあなたもぺちゃんこですよ?」
一方オオアナコンダとハクの落下地点に、
見覚えのある白いセダンが通りかかる…
ガラスが割れる音と共に隼人と美香留はそれぞれの霊獣の実体化を解くと、聞き覚えのある絶叫が下から響くのであった。
【システムの支配者】
「してやられたわ…」
美香留は狼狽しながら希を睨むと希は得意げに返す。
「ふふん♡
私をクビになんかするからですよ♪
大切なデータ、貰っていきますね?」
「それで勝ったつもり?
あなた達、ここにきたのは最悪のタイミングよ?なにせ今日は…」
その時、隼人の本能が最大級の警戒をする。
「希!何かヤベェのがくる!!」
騒ぎを聞きつけたのか研究室へやってきたその男…
身の丈は185cmはあろうかという体格。
威厳のある顔つき。
そして毎日のようにテレビやネットでもその顔を見るほどの大物、社会システムの根幹にある人物
-自連党幹事長・平 乱人-だ。
「ハッハッハッ!
随分元気のいい若者達だ!
日本の未来はまだまだ明るいな!!
そうだろう!金森くん!!」
大男の脇に礼儀正しく立つエリート目鏡…
金森利一はやつれた表情で頭を下げる。
「はい、平先生のおっしゃる通りでございます。」
金森は怨念を込めた眼差しで隼人を睨むと
「よぉ、久しぶりだな目鏡ヤロウ。この間より”良い眼”になったじゃねえか。」
-これは隼人なりのリスペクトである。
-希もまた
「確かにねぇ♪感情があって人間くさいし、前よりはマシです♡」
と返すあたりどれだけ人間味のないやつだったかが伺える。
【カリスマ】
「ふむ、この若者達との出会いが金森くんを変えたか…実に面白い!!」
そして隼人を真っ直ぐに見つめ、
乱人は自分の政治理念を熱く語る。
適材適所、ライフワークバランス、格差是正…
荒々しい雰囲気とは裏腹に並ぶ綺麗な言葉達。
これが彼が人心を掌握し続けてきた力であり、隼人すらもその勢いに飲まれそうになる。
「どうだね亜仁馬君!
キミの気概は素晴らしい!
私の元で政治を志してみないかね!!」
父親にさえかけてもらえなかった期待と情熱に隼人の心が揺らぐのだった…
ここまでお読みいただきありがとうございました!
希は頭脳派のようでいて、結局やることはかなり豪快だったりします。
隼人と組むとその辺りが加速するのかもしれませんね。
そして今回登場した平乱人はただの悪役なのか、
それとも本当に理想を語る政治家なのか。
隼人の価値観を大きく揺さぶる存在になっていく予定です。
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それでは次回のお話でお会いしましょう。✨




