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今はまだない「交響組曲『戦犯の孫』ヘ短調」楽曲解説  作者: ふたぎ おっと
3章 交響組曲『戦犯の孫』ヘ短調について
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14/23

3‐3.キャラクターモチーフ~祖父~

 「交響組曲『戦犯の孫』ヘ短調」(※実在しません)のモチーフについて。

 ブランカとヴォルフまで話しました。


◆前回までのおさらい~~~~

 *ブランカのモチーフ

 調:ヘ短調(F moll)

 感情次第ではF#もF♭も。

 ブランカの日常:6/8系(忙しなさと揺れ)

 ブランカの感情:2/2系(叶わない夢への切望)


 *ヴォルフのモチーフ

 基本:ト(G)

 ヴォルフのタタタタ:本質 2/4系のト短調(G moll/走りながら考える推進力と土臭さ)

 ヴォルフのタータ:包容力 6/8系のト長調(G dur/安心感)

 担当楽器:チェロかファゴット


 *ブランカとヴォルフのロンド

 6/8系のクエスチョン・アンサー系語り合い

 ヴォルフはGdur で励まし、G♭(=F#)に降りる

 ブランカはFmollで臆病になりながら、F#に引っ張られる

 二人で一緒に揺れる(As mollので繊細で空気の濃い優しい音楽)

 ブランカはコンサートマスター (バイオリンソロ)、ヴォルフはチェロソロ

~~~~~おさらい終わり


 今回は祖父について話します。


◆祖父はバッハ

 死後も世界に影響力のある祖父。

 これ、すなわちバッハです。


 音楽でバッハとは、神さまみたいな存在です。

 現在も続く音楽の基本であり、基本を確立させた人です。

 楽器をやってると必ずバッハを通るんですが、畏怖ですよ。


 音楽には色んな和声 (ハーモニー)の作り方があるんですが、その全ての礎はこの人から、と言っても過言ではない。

 バッハは元々プロテスタントの教会付きの作曲家だったんですが、宗教音楽だけではなく舞曲なども書いていて、やっぱり基本なんですよね。

 クラシック音楽では、バッハは何世紀も経ても影響力の強い作曲家なのです。


 『戦犯の孫』の祖父をバッハに当てはめるのは、バッハに失礼かもしれない。

 けれども物語の世界観を考えたら、やはりバッハ的なんではないかと思います。


 しかし、「バッハ的」とは何だろう?


 まずオルガン。

 教会音楽は、オルガンが基本です。

 でもオーケストラでオルガンは、ちょっとチート。

 コンサートホールでパイプオルガンは、確かに迫力すごいですよ? だからチート感。

 オケでやるなら、低音楽器でオルガン感を作ろうと思います。


 次に祖父をバッハ的にするなら、通奏低音。

 これは旋律ではなく、ずっと下で鳴っている音楽の土台ですね。

 全編に鳴るわけではないんですが、この音型が来たらいつの間にか祖父の世界、みたいな感じです。


 じゃあ何を鳴らすか。

 

 クラシックの曲には、時々自分の名前を音にするのがあります。

 有名なのはショスタコーヴィチの交響曲十番です。

 「ドミトリー・ショスタコーヴィチ」を頭だけ取って「D. Sch」にし、これを音に置き換えます。

 D (レ)S(=Es ミ♭)C (ド)H (シ)

 つまり、レミ♭ドシ。

 ショスタコ十番は、レミ♭ドシ祭りです。


 これを祖父でやってみます。

 「マクシミリアン・ダールベルク」を「Maxmi. D」にします。

 M→ミ(無理矢理感)

 A→ラ

 Xi→シ

 Mi→ミ

 D→ドかレ

 つまり、ミラシミ→レか、ミラシミ→ドです。


 このミラシミレか、ミラシミドが、低音楽器によってずっと下で鳴っている。

 これの上に音を重ねることで、教会オルガンぽい重厚な祖父の世界観を作ったり、

 あるいはブランカやヴォルフのモチーフとかを重ねることで、今もなお影響されている。


 なんて使い方が、祖父っぽいかなと思います。


 簡単に譜面スケッチにしてみるとこんな感じ。

 挿絵(By みてみん)

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