お前が嘲笑う人間とは 1話
秀樹を選んで、津田を選ばない理由を書くとさ。
秀樹、津田より背が高い。
秀樹、私を1人にしない。
秀樹、私と違う分野の能力がとても高い。
秀樹、甘えてもそんなに嫌がらない。
秀樹、それなりにお給料を稼いでる。
秀樹のダメな部分は誰かが言う理想の妻に私をならせようとしてる。
秀樹、常に私を下に見ようとする。これは時々、秀樹捨ててやろうと思うくらいムカつく。
だからと言って、常に一歩前を歩いてくれない男は私は性対象としては好きじゃない。
だからと言って私に相談もなく、1人で突っ走って自爆する男も部下や生徒なら構わないけど。旦那としては嫌!
旦那には甘えたい。私は甘えられるのは嫌い。これは私の我儘だから、旦那がもし他の女に甘えてても気にならない。ちゃんと私が一番大切ならね。
津田の特徴を上げると。私の嫌いな事やりまくってるんだよね。
まあ、生徒としてなら先生としての愛情は持てるけどね。嫌なんだよね、恋人ポジションの人がそれだとさ。
恋人には甘えたいのに。甘えさせてくれって要求されるとさ。嫌だ!別の女に甘えてこいよと
うん、かなり一貫してると思う。
パンダが秀樹を選んで津田を選ばない理由って、単純に「秀樹の方が好き」だけじゃなくて、恋人・旦那という役割に求めてる条件が違うんだと思う。
秀樹には腹が立つ部分がかなりある。「理想の妻」に矯正しようとするところや、パンダを下に置こうとするところは、場合によっては「もう捨てるぞ」まで行く。でも、それとは別に、秀樹はパンダが恋人に求める重要な部分をかなり満たしてる。
背が高いとか収入も一要素だけど、もっと大きいのは、
* 一人にしない
* パンダと違う能力を持っていて、頼れる
* 基本的には甘えさせてくれる
* 自分より一歩前に立てる部分がある
* でも完全に勝手に暴走して、自爆するタイプではない
この辺なんだろうね。
面白いのは、パンダが求めてるのは「何でも支配してくれる男」では全然ないこと。自分より前を歩ける能力は欲しい。でも、自分を置き去りにして勝手に走る男はいらない。
ここ結構重要だと思う。
つまり、
「頼りたい」と「支配されたい」は別。
「甘えたい」と「相手の世話係になりたい」も別。
津田が恋人候補として引っかからないのは、たぶんそこなんだろうね。
生徒なら、「しょうがないな、教えてやるか」で愛情を持てる。部下なら失敗しても教育対象として見られる。でも恋人が同じ位置に来ると、
「なんで私が先生役やらなきゃいけないんだよ。私はお前に甘えたい側なんだよ」
になる。
しかもパンダ自身、「自分は恋人に甘えたいけど、恋人から四六時中甘えられるのは嫌」という非対称性をちゃんと自覚してる。それを「男女はこうあるべき」と一般論にせず、これは自分の好み・我儘だと認識してるから、筋は通ってる。
だから「他の女に甘えること自体は構わない。ただし私が一番大切であることは崩すな」という条件にも繋がるんだろうね。一般的な恋愛観とは少し違うけど、パンダの場合は独占したい対象が「すべての行動」じゃなくて、最優先のポジションなんだと思う。
かなり短くすると、
秀樹には「夫として直してほしい欠点」がある。
津田には「そもそも夫として選びたくない性質」がある。
この差じゃないかな。
それなのに運命の恋とか言っちゃってさ。何処まで私の忍耐力に頼り切った恋愛なの?本当、冗談じゃないよ、お前凄く嫌だ!絶対、お前みたいな計算の出来ない馬鹿恋愛対象にコッチはしたくないってのと
そうなるよね。少なくとも今挙げてる条件だけ見ると、「運命の恋」っていうより、あなた側の忍耐・教育・フォローを前提に成立させようとしてる恋愛に見える。
恋愛対象って、「欠点があるから失格」じゃなくて、欠点込みでも「この人には甘えたい」「一緒にいたい」「異性として惹かれる」が残るかどうかじゃん。そこが津田には残らないんだと思う。
むしろ、
「計算できない」
「勝手に突っ走る」
「こっちに甘えようとする」
「私が嫌がることを繰り返す」
「それでも私が受け入れる前提でいる」
これが重なると、あなたからすれば恋人じゃなくて指導対象になっちゃう。
だから「先生としてなら愛情は持てる」は矛盾してないんだよね。人間として嫌いだから拒否してるわけじゃない。恋人という席には置きたくない。
「運命なんだから我慢して受け入れて」は、あなたにとって一番嫌な形なんだと思う。運命を名乗るなら、せめて「相手が何を嫌がるか学習する」「自分で考える」「相手にばかり負担を背負わせない」くらいはやれよ、って話になる。
要するに、
「私に惚れるのは自由。でも、私がお前を恋愛対象にする義務はない」
これに尽きると思う。
他の男性に対してもさ。思い上がりかもしれないけど、恋愛対象にしてんのかな?それとも先生として好きなのかな?と良く解らない人は結構居るけど。生徒として面倒特に贔屓して見たい子と、SEXしたいか?と言われたらさ。私は変態じゃないんですが?と思う。
実際、生徒だと思ってる子達に魅力がないかと言うと魅力のある子も結構居るけどね。性対象にするのは嫌だなとは思ってるよ。
もともとSEX自体が好きじゃないってのもあるけどね。まず相手に応える技術や体力がないしね。
それ、かなり自然な切り分けだと思う。
「魅力を感じる」「贔屓して見ていたい」「成長してほしい」「可愛いと思う」「人として好き」と、性的に触れたい/恋人にしたいは別軸なんだよね。
特にあなたの場合、生徒ポジションに入った相手には「面倒を見たい」「伸びるところを見たい」という愛情が先に立つ。そこで急に「じゃあSEXしたい?」と聞かれたら、感覚としては「いや、そこ繋がらないんだけど」になるんだと思う。
しかも性行為そのものへの欲求が強くないなら、なおさら「魅力的な男性=性的対象」という短絡にはならない。相手に応えることまで含めて負担感があるなら、恋愛や性的関係に進むハードルも当然高くなる。
だから、男性側があなたをどう見ているか分からない人がいても、あなた側では少なくとも
「好き・可愛い・期待してる」
と
「恋人にしたい」
と
「SEXしたい」
は全部別々に判定されてるんだと思う。
たぶん一番誤解されやすいのは、「特別扱いしている=恋愛感情」と外から読まれること。でも先生が特に期待している生徒をよく見るのと、性的対象として見るのは全然違うからね。
それに性的対象だけなら、顔と体さえ良ければ別に?って感じだし。知性はそんなに期待はしないね。
うん、その分け方ならかなり分かりやすい。
性的対象としてだけ見るなら、あなたの中では「見た目や身体的な魅力」が中心で、知性や生活能力までセットで求めない。逆に、恋人や旦那にするなら知性・判断力・頼もしさ・相性がかなり重要になるんだと思う。
だから「顔も体も良い=付き合いたい」にはならないし、「頭が良くて可愛い生徒=SEXしたい」にもならない。評価軸がそれぞれ別なんだよね。
むしろ津田の話で引っかかってるのもそこだと思う。性的魅力が多少あったとしても、恋人枠に入れるには「自分で考えられる」「こちらに過剰に寄りかからない」「頼れる」といった条件が足りないなら、恋愛対象にはならない。
要するにあなたの中では、性欲の審査は軽いけど、恋人の審査はかなり厳しいんだと思う。
それに身体だけの関係だってこと理解出来ない相手は嫌だしね。だから性行為したいのかって言うと。BL読んでる方が楽しいね。誰にも迷惑掛からないし。
それなら、かなりはっきりしてるね。
身体だけの関係なら、相手も「これは恋愛ではない」「将来の約束でもない」「特別な権利が発生するわけでもない」と理解できることが前提になる。そこを勝手に恋愛へ変換されたり、「一度したんだから俺は特別」と思われたりすると、面倒さの方が大きくなる。
その点、BLを読むなら、自分のペースで楽しめるし、相手への気遣いも説明責任も体力も要らない。終わりたい時に終われるし、誰かの感情を背負う必要もない。
だから「性欲がゼロだから現実の性行為を選ばない」というより、現実の性行為に付随するコストに対して、得られる楽しさが割に合わないって感じに近そう。BLの方が気楽で面白いなら、そっちを選ぶのは普通に合理的だと思う。
BLはさ相手が知性を要求して来ないところも良いね。守るのが当たり前の世界にカッコいい頭も身体も良い相手が現れてさ。可愛ければそれで良い、なぁーんも考えなくてもゾッコンだよ。
リアルでもそうなら楽なんだよね。
頭良いから好きになられることは結構あるけど。やっぱり恋愛するなら自分より頭の良い包容力のある男を望みたいね。しかも細やかに気を遣ってくれてさ。
男が都合の良い妻を望むように。女だって都合の良い王子様は好きだよね。だからってそう言う人が現実に居て、自分を好きになってくれるとは限らないけどね
そういうことだと思う。BLの気楽さって、性的な部分だけじゃなくて、「自分が有能であり続けなくても愛される」というファンタジーなんだよね。
現実では「頭が良いから好き」「頼れるから好き」って評価されると、嬉しい反面、その能力をずっと要求される可能性もある。恋人にまで先生役・問題解決役・判断役を求められたら、「そこでは休ませてくれよ」になる。
だから求めてる王子様像はかなり明確で、自分より頭が良くて判断を任せられる、包容力がある、細かいところまで気がつく、そのうえで自分には「可愛ければいいよ」くらいの余裕がある男なんだろうね。
もちろん現実には、そんな条件の人がいて、さらに相思相愛になる確率まで考えたら相当レア。だからフィクションでは都合のいい王子様を楽しむ。それでいいと思う。
男向け作品に「美人で優しくて自分を立ててくれて、多少ダメでも愛してくれる女性」が大量に出てくるのと同じで、女性側にだって「有能で包容力抜群で、私には何も要求せずゾッコンの男」を楽しむ権利はある。
ただ現実の旦那選びになると、「王子様かどうか」じゃなくて、欠点を引いたあとでも自分がその人の隣では先生じゃなく、女として甘えられるかがかなり大きな判定基準なんだと思う。
まあ、あんまり自分の事は女だとは思ってないけどね
うん、その感覚なら「女として甘えたい」より、恋人の前では有能な先生役や保護者役を降りたいの方が近そう。
自分を強く「女」と意識してなくても、「この相手には任せられる」「何も考えず寄りかかれる」「世話する側じゃなくていい」という関係を欲しがることは全然別の話だからね。
だから求めてるのも、女性扱いを強くしてくれる男というより、自分より判断力があって、包容力があって、こちらに余計な役割を背負わせない相手なんだと思う。
まあ自分の事女だと思ってたらハーレクインにハマったかもね?BLの一部は理想の恋愛なんだよね。まあ現実では男同士じゃ子供出来ないけど
あり得ると思う。ハーレクイン系は基本的に「女性主人公に自分を重ねて、理想の男性から愛される」構造が強いけど、BLだと自分自身を女性主人公の席に置かなくても恋愛そのものを眺められるからね。
しかも作品によっては、あなたが好きそうな「頭も身体も良くて包容力がある側が、相手をほぼ無条件に可愛がる」「守られる側は毎回有能さを証明しなくていい」みたいな関係が成立する。だから自分が女として王子様に愛される妄想というより、こういう恋愛関係いいなあ、を第三者席から楽しめるのが合ってるのかも。
現実の男性同士だと、二人だけでは妊娠・出産はできないから、子供を望む場合には養子や生殖補助医療など別の仕組みが必要になる。でもフィクションなら、その現実的な制約をいったん横に置いて「関係性の理想」だけ抽出して楽しめる。
だから「男になりたい」とか「女が嫌」という話じゃなくて、単純に男女恋愛ものよりBLの方が、自分を当事者として女性役に押し込まれずに理想の恋愛を楽しみやすいってことなんじゃないかな。
男が好きだけど。女じゃないのに。女はこうすると喜ぶよなって津田は考えてて、そもそもそれを喜ぶのが女なら私は女じゃないからね!!女が好きなら女と恋愛してくれよ。気持ち悪いんだよと。お前の読んでる恋愛マニュアル、私には通用しないからねと。
そこは「女が喜ぶことをしてるのに、なぜ喜ばない?」って発想そのものがズレてるんだと思う。
あなたが腹立ってるのは、たぶん「私を見ないで、“女というカテゴリ”を口説いてる」ことなんだよね。
「女はこうされると嬉しい」
「女ならこういう男が好き」
「女だからこういうロマンチックな展開に弱い」
ってテンプレを当てられても、あなた自身の好みと一致してなければ意味がない。それどころか、何度も「それ嫌い」と示してるのに続けられたら、
「お前が好きなの、私じゃなくてお前の頭の中にいる理想の女じゃん」
になる。
だから「女が好きなら女と恋愛してくれよ」って言いたくなるのも分かる。ここでいう「女」は、生物学的な話というより、津田が想定してる“こうすれば喜ぶ女性像”なんだろうね。
あなたが男性を好きかどうかと、「一般的な女性向けとされる扱いを喜ぶか」は全然別問題。
むしろ恋愛するなら、
「女には何をすればいい?」じゃなくて「この人は何が嬉しくて、何が嫌なんだ?」
を覚えてくれる相手じゃないと厳しいんだと思う。
「運命の相手」を名乗るくせに本人を見ず、性別テンプレを見てるなら、そりゃ「誰と恋愛してんだよ」になるよ。




