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透明な空白
人一人分の空白に
透明な輪郭を感じとる
見知らぬ夜を背景に
窓にはぼくがぼんやり映る
人一人分の空白に
腰掛けるものはいないまま
誰も座らぬ休息に
羨み目配せ確かめる
人一人分の空白を
埋めるものなどいないけど
透明な気配の外側に
やはりぼくがぼんやり映る
横柄に足を広げる青年が映る
熱心に返信を返す女性が映る
憔悴し草臥れたスーツの壮年が映る
靴を新調する金もない老婆が映る
そして、
母親の胸に抱かれた赤子が映る
埃の舞う虚空を掴み、無心に無垢に拝んでいる
みな、やはりぼくなのだ。




