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第二章『朝』
朝になった。
目は覚めていた。
でも、
起き上がる理由がなかった。
仕事もない。
学校もない。
急かされる予定もない。
静かな部屋の中で、
時計の針だけが進んでいく。
カーテンの隙間から差し込む光を見つめながら、
ふと思った。
「今日は何曜日だっけ。」
会社員だった頃なら、
曜日は嫌でも意識していた。
月曜日は憂鬱で、
金曜日だけが少し楽しみだった。
でも今は、
曜日なんてどうでもよかった。
自由になったはずなのに、
何をすればいいのか分からない。
自由って、
思っていたより難しい。
スマホを手に取る。
通知はほとんどない。
昨日の飲み会の写真が送られてきていた。
みんな笑っていた。
自分も笑っていた。
画面の中の自分を見て、
「ああ、本当に笑えてたんだ。」
そう思った。
昨日までは、
終わることばかり考えていた。
でも今日は、
少しだけ、
始めることを考えていた。
何を始めるのかは、
まだ分からない。
それでも、
何もしないまま終わる一年には、
したくなかった。




