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ノアの終焉  作者: 齋藤昴
第3部
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第三章 魔導の起源(1)

 晩餐会の翌日も、前日と変わらぬ快晴に恵まれた。

 リフローネ達はマリアの案内で、グランルートの王立図書館へ向かうことにした。王立図書館には、王国成立当時から国内外を問わず集められた膨大な数の蔵書が収められているという。そこには希少な古文書も数多く保存されており、魔導に関係するものも多い。マリアの話によれば、図書館の一室で熱心に古文書の研究を行っている男がいるので、彼に聞けばいろいろな手がかりを聞くことができるのではないかということだった。マルコだけは、探し人の聞き込みをすると言って途中で別れ、港の方へと向かった。図書館へは、マリアとリフローネ、ナジャ、そしてマリアの護衛として同行するリチャードの4人で行くこととなった。

 初夏の心地の良い風を受けながら、白壁の建物が続く美しい街を南へ向かって歩いて行った。

 正面の遥か遠くには、大きな山が霞んで見えている。

 リフローネが雄大な山の姿に見とれていると、ふと、山の頂上付近を小さな影が飛んで行くのを見た気がした。

「マリア、教えていただいてもいいかしら。あの山の上の方に、何かが飛んで行ったように見えたのですが」

 リフローネの指先を目で追って、マリアが答える。

「ああ、きっとそれは飛竜じゃないかしら。あの山はヴァルガ山といって、飛竜の住処になっているの。それだけじゃないわ。その飛竜を飼いならして、自由に空を飛んで狩りをするゴルド人もいるのよ」

「そうなのですか」

 飛竜と、それを操るゴルド人。自分が想像もしなかった世界に触れ、リフローネは改めて驚かされた。

「ゴルド人については、あまり多くのことはわからないの。私たちと関わることはほとんどないし、昔からエルドラドとは何度か衝突もしている。だから、今でも警戒を続けているの」

 心なしか、マリアの声も険しくなっている。すると先頭を歩いているリチャードが肩越しに振り向いて、にこやかに話しかけてきた。

「ご安心ください。飛竜がこちらの方まで飛んでくることは滅多にありませんし、我ら騎士団が厳しく見張っておりますので」

 彼の優しい声を聞き、マリアの表情も和らいだ。

「そうね、リチャード。貴方や騎士団のみんなには、とても頼りにしているわ」

 遠くに霞む山影を見上げながら、彼らは目的地へと向かって歩き続けた。

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