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聖魔戦記  作者: 西條
英雄の卵達
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少女追想



 照明は点けず机に置かれたランプだけが部屋を灯す薄暗い部屋。


 私は自室で椅子に座り机に向かって今日一日の出来事を日記に記していた。


 日記を書き終えるとパタンと閉じ、「今日も一日頑張った」と自分を褒め大きく背伸びをすると机のランプを消しベッドへとダイブした。

「疲れた」天井を見上げながら深いため息をした。今日一日、普通じゃ考えられない事ばかり起こったのだから。私が疲れるのも無理はない




 ――私は目を閉じ今日起きた出来事を振り返る。





 一度迷うと三日は出られない魔の森で迷い、


 メリーさんと自称する不気味な悪魔に殺されかけ、


 普通のゴブリより明らかに大きいゴブリが現れ保健室が半壊、終いには可愛らしい少女がロボットときた。




 奇想天外続きの未知の体験。それが聖魔学園。




「……ふふっ」


 常識外れの学園だが聖魔学園は戦場だ。いつ死んでもおかしくない場。けれども私は笑っていた。


 ここまで楽しかったのは数年振りだ。聖魔学園は戦場。だけどずっと部屋に閉じこもっているよりは遙かに楽しかった。




 暗くて誰もいない、一人ぼっちの部屋。





 私は外に出ないで数年間ずっと部屋に閉じこもっていた。ユカリや幼馴染のヤマトという青年は毎日のように部屋に遊びに来てくれたが私の心はいつもぽっかりと穴が開いていた。


 聖魔学園に来てからは『悪魔を祓う』という仕事が出来た。部屋に閉じこもっていた頃は何もすることが無くひたすらゲームばかりしていた。


 目標が無く、ただ呆然と生きてきた私だが聖魔学園に来てから生活は一変した。


 寝てばっかりだった毎日が今では毎日六時起床九時就寝。一日のほぼ大半を外で過ごす。ハードなスケジュールだがマドカは誰よりも戦場を楽しんでいた。自分が幾ら非力でも目標があれば頑張れる気がした。






「私頑張るからね……レンカ」




 私が聖魔学園に来た理由はレンカの後を継ぎ、英雄になる事だ。


 しかしそれとは別に私には聖魔学園に来たもう一つの理由があった。


 レンカは何故行方不明になったのか。その原因が知りたいのだ。あの英雄と呼ばれたレンカがどうして行方不明になったのか……レンカが英雄になった場所、聖魔学園ならきっと手掛かりがあると思ったのだ。






少女は胸の内に秘めた感情を日記に書き留めます。


私も同じです。

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