第73話 ロボット研究部
案内されたのは激王学園の第三中庭だった。噴水の近くにプレハブ小屋が建っていた。
「ここがロボット研究部の開発室だよ」
開発室にしては大分しょぼいような……いやいわゆる部活だしそんなもんか。
「ちなみにこれには三億円かけてるよ」
かけすぎだろ!このボロ小屋のどこにそんな金食うところがあるんだよ。
そう言ってプレハブ小屋の中を見ると色々な機械が置いてあった。旋盤に試作品の山。発明家の部屋と言う感じだがでも三億もかかるか?
「あっここだよ。YOMはそこに置いておいて」
床から出ている取っ手を掴むとギィっと言う音とともに床の隠し扉が開いた。
「気を付けて降りて」
梯子を下りていくとその中は体育館ほどの広さになっていた。これ隠し部屋の方がデカいじゃないか。っていうか中庭の地下全部これかよ!
「この間掘りすぎて忍者部の抜け穴と繋がっちゃったけど、技術提携で許してもらった」
なるほどこの学園には忍者部の抜け穴も……
「後はホスト部の隠しサービス用の部屋とモグラの大家族の家と……あとついでに水道管とガス管と電気ケーブルと下水道もあるかな」
「ついでが一番重要なんだけど?!東京の地下鉄レベルで入り組んでるやんけ」
「地下鉄も通ってるよ。ちなみにそこが地面を掘っているときに間違えて水道管とガス管を外したんだけど、間違えて繋いだらとんでもないことになったらしいよ」
怖過ぎるだろ!どんな学園だよと思ったら地下鉄側がそこを繋ぎ間違えてんのかよ。プロ意識はどこ行ったんだよ。
この付近の安全意識を憂慮していると鮃木先輩は機械を引きずっていた。そのまま地上階に上がる。
「じゃあ今からこのYOMを直すから。危険だから離れていて」
そうして先輩は覆いで壁を作った。
ギィィ、ゴンゴン、ガシャガシャ、ドンドン、ミシミシ、プペペポピー、カンカン。白い布の中で音が鳴り続ける。なんか途中競馬のファンファーレが流れなかったか?
最後になぜかマリオのワンアップ音が鳴ってから出て来た。
「はいこれで元に戻ったよ」
「ツッコミどころが多すぎるんですが……まぁ良いでしょう」
目の前にはYOMが綺麗に直っていた。
機械を戻すのを手伝うためにまた下に降りて、辺りを見回していると変な機械があった。これはオモチャの車のようだが下手なつくりだった。
「み、見るな!」
先輩は俺から車をひったくる。
「え?これ先輩の作品なんですか?」
「小学生の頃の……昔の私は閃き自体は良いのだが技術が付いてこないことが多かったんだ。頭で派か投げていても実際の行動に移れないのと一緒だ」
鮃木先輩はそう俯く。そう過去の先輩にも苦労していた時期があったんだな。
「これはその失敗作の一つだ。解体するのを忘れていたよ。ありがとう」
「先輩も失敗することがあるんですね」
「今はめったにしないけど。この車で作った仕組みもYOMの走行機構に活かされているし」
「それならこの失敗作にも意味があるじゃないですか。壊すのはもったいないのでは?」
「そうか。確かにな、今の技術で改造してみるか。ありがとうね」
先輩は乙女な顔をした。なんだ意外と可愛らしい所があるじゃん。いやそれでこのド変人度合いは中和できるかな……




