第27話 Vチューバーミーア
江戸一先輩はスマホを手に取って少し弄って画面を見せる。そこには動画が映っていた。
「ITubeですか?」
「そうだその中でも特にVチューバーと言う生き物を知っているか?」
「無論です」
画面には蒼い髪の女子が映っていている。
『やっほー。青山ミーアです』
青山ミーア……確かこの中でも特に登録者が多い大物Vチューバーと聞くけど、一体事故の捜査とどんな関係が?
「あの先輩一体どんな関係が」
そう尋ねると『ん~?』と返事が返って来た。スマホの画面の中から……
「え?なねここから返事してくるんだよ」
俺が驚いていると舞香が覗き込んでくる。
「知らなかったの?ミーアちゃんは受け答えできるんだよ?」
「いや何でVチューバ―と話せるんだよ。って言うかガワ被ってないで中の人本人に会わせろよ」
そう言うと琴音と愚太郎は大笑いし始めた。
「ハハハハハ!グタロー聞いた?中の人だって~」
「中の人なんていないって言うのに」
中の人がいないって浦安のネズミさんみたいなものなのか?でもそれにも中の人が居るだろうし……
江戸一先輩は俺の反応を見たのだろう。
「ミーアは自律AI思考のVチューバーだよ?」
え、AIのVチューバーだって……
「つまり、人間がダメならAIに聞けばいいんじゃないかと言うことだ」
「へぇ……」
激王学園大学。
高校の裏にある山の上にドカンと置かれているとは思えない巨大施設。
「何で高校生が普通に大学入れるんだよ」
「そこらへんゆるゆる設定だからだね」
随分と便利な言葉だな!愚太郎は笑顔で進んでいく。
研究棟の手前の方に巨大ディスプレイが置かれている。画面の中では、蒼い髪の少女が手を振っていた。
『こんにちは♪激王学園統合支援AI兼副業はVチューバー。青山ミーアです!』
Vチューバーは副業なのかよ。
『月間再生数は好調です♪』
「聞いてねぇ!」
ミーアは画面の中で楽しそうに笑う。
どこかの教授が作ったAIであり、学園の管理や様々な計算を行っているついでにゲーム配信もするらしい。まるで意味が分からない。
「実は相談がある」
『はい♪』
俺は事故のことを説明した。幽霊少女のことも。
ミーアは静かに聞いている。
『分析します』
ミーアが目を閉じると週にが光り出し画面に大量のグラフや写真、データが表示される。
「おお……」
「すげぇ」
愚太郎ですら感心している。
『演算開始、照合率67%。77%99%……』
「おおお!」
これは期待できる。
『結果が出ました』
「マジか!」
『結果は……プロテクトが多すぎてわかりません』
「分からねぇのかよ!!」
思わず机を叩く。
『私はAIですが、個人情報保護のため様々な情報には意図的にアクセスできないようになっています。その為ひき逃げ犯を特定できるだけの情報が不足しています♪』
案外ちゃんとした理由だった
『CPUの一部を別の計算に使っているせいで全力出せないんですよね』
「へぇ何の計算?」
『積分寺先生の計算です。毎日通ってますよ。たまに叫んでますが』
あの人こんな所に通っているのか。
『まぁとりあえず配信で聞いてみますね』
お、お願いします。
こうしてミーアの配信が始まることになった。




