【第1話 : 閉ざされた世界と微かな光】
『フィンらんど』
数あるたくさんの小説から拝見して頂き、誠にありがとう御座います。僕は小さい頃から漫画家になりたかったのですが、小さい頃から考えていたストーリー+現代風を掛け合わせました。
挿絵はちょっとしたイメージです。
漫画化、アニメ化、書籍化が夢です。
YouTuberしております。
物語は第二章からです
章2: 八つの神器の薄れゆく功績
- 物語はニートの主人公がいつもカフェで、
可憐な女の子が一冊の赤い本を忘れていったこと、異世界へワープしてしまったことから始まります。
第一話
閉ざされた世界と微かな光
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春の陽射しが、カーテンの隙間から細く差し込んでいた。
外では草木が風に揺れ、鳥のさえずりが穏やかに重なっている。
街はいつも通り動いていて、誰かが笑い、誰かが働き、誰かが新しい一日を始めていた。
けれど、私の世界だけは止まっていた。
薄暗い部屋。
つけっぱなしのパソコン。
飲みかけのペットボトル。
片付ける気力もなく積まれた本や服。
その中で、私はただ椅子に座り、ぼんやりと画面を見つめていた。
かつての私は、こんな人間ではなかったと思う。
仕事に熱を注ぎ、誰かに認められたくて、必死に努力していた。
期待されることも嫌いではなかった。
むしろ、それが自分の価値を証明してくれるような気さえしていた。
けれど、上司からの過剰な期待と重圧は、少しずつ私の心を削っていった。
もっとできるだろう。
まだ足りない。
君ならやれるはずだ。
そんな言葉が、いつしか励ましではなく、逃げ場のない鎖のように感じられるようになった。
そして私は、職場を離れた。
そこから先の記憶は、どこかぼんやりしている。
朝起きる理由も、夜眠る意味も、少しずつ分からなくなっていった。
誰かと会えば、何かを求められる。
誰かと関われば、また傷つくかもしれない。
それなら、最初から一人でいればいい。
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パソコンの画面に映る自分の顔を見ながら、私は小さく呟いた。
「これでいい……。誰にも傷つけられないし、誰も傷つけない」
そう言い聞かせた。
けれど、その言葉は自分でも分かるほど空々しかった。
胸の奥には、ずっと消えない焦りがあった。
このままでいいはずがない。
でも、どうすればいいのか分からない。
閉ざされた世界の中で、私は毎日、同じ場所に座り続けていた。
そんな私にも、一つだけ外の世界と繋がっている場所があった。
近所にある、小さな喫茶店。
名前は「セレンディピティ」。
古い木の扉には、小さな真鍮のベルがついている。
扉を開けるたび、からん、と控えめな音が鳴った。
派手な看板も、流行りの内装もない。
けれど、店の中にはいつも焙煎されたコーヒーの香りが静かに漂っていて、外の時間だけが少し遠くなるような場所だった。
そこだけが、私が唯一、自分の意思で足を運べる場所だった。
私はいつも、店の隅にある席に座った。
そこは、誰にも深く踏み込まれず、けれど完全に孤独でもない、不思議な場所だった。
「いつものカフェラテね」
カウンターの向こうで、店長が微笑む。
私は小さく頷いた。
いつからか、店長は私のことを「ラテさん」と呼ぶようになっていた。
本名を聞かれたことはない。
私も、自分から名乗ることはなかった。
けれど、その呼び名は嫌いではなかった。
この店の中だけは、私は過去に失敗した誰かではなく、ただの「ラテさん」でいられたからだ。
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そんなある日のことだった。
窓際の席に、一人の女性が座っていた。
長い黒髪が肩に流れ、白い指先が静かに本のページをめくっている。
透き通るような肌。
落ち着いた横顔。
その姿は、まるでこの店の空気から少しだけ切り離されたように、どこか現実離れして見えた。
私は思わず、彼女を見つめてしまった。
声をかける勇気などなかった。
目が合うことすら怖かった。
それでも、その日から私は、喫茶店へ行く理由を一つ増やしてしまった。
それから数日が過ぎた。
その日は、朝から雨が降り続いていた。
窓の外は薄暗く、雨が窓を叩く音だけが、部屋の中に響いていた。
夕方になると、私は傘を手に取った。
特に用事があったわけではない。
誰かと約束していたわけでもない。
ただ、気づけば部屋を出ていた。
向かった先は、いつもの喫茶店だった。
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古い木の扉を開けると、真鍮のベルが小さく鳴る。
焙煎されたコーヒーの香りと、静かな音楽が、いつものように私を迎えた。
店の奥へ向かう途中で、視線が自然と窓際へ流れた。
彼女はその日も、そこに座っていた。
その手元には、一冊の赤い本があった。
深い紅色の装丁に、金色の模様が細く刻まれている。
中央には赤い宝石のようなものが埋め込まれ、その左右には小さな羽のような飾りがついていた。
古びているのに、不思議と傷んだ感じはしない。
むしろ、長い時間を眠っていたものが、今も静かに息をしているように見えた。
私はいつもの席から、その本をちらりと見た。
何の本だろう。
小説だろうか。
それとも、何かの古い図鑑だろうか。
そんなことを考えていると、彼女がふいに顔を上げた。
目が合った。
私は慌てて視線を逸らした。
けれど、彼女は怒るでもなく、不思議そうにするでもなく、ただ小さく微笑んだ。
そして、本を胸に抱えるように持つと、席を立った。
迷うことなく、こちらへ歩いてくる。
「ラテさん、ですよね」
突然名前を呼ばれて、心臓が跳ねた。
「……店長が勝手にそう呼んでいるだけです」
私がそう答えると、彼女は少しだけ笑った。
どう返せばいいのか分からず、私はカップに視線を落とした。
初対面の相手と話すのは、あまり得意ではない。
まして、こんなふうに向こうから自然に距離を詰められると、余計に落ち着かなかった。
彼女は私の反応を急かすことなく、少しだけ店内を見回した。
「ここ……落ち着きますよね」
「……そうですね」
「私も好きなんです。外の音が少し遠くなる感じがして」
その言い方には、少しだけ共感できた。
私はカフェラテの湯気を見つめながら、短く答えた。
「それは、分かります」
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彼女は嬉しそうに笑った。
しばらく、会話が途切れた。
けれど、不思議と嫌な沈黙ではなかった。
店内に流れる静かな音楽と、カップの触れ合う音が、その隙間を自然に埋めていた。
やがて、彼女は抱えていた赤い本を見下ろした。
「さっき、この本を見ていましたよね」
「……すみません。珍しかったので」
「謝らなくて大丈夫です」
彼女は赤い本を、そっとテーブルの上に置いた。
中央の赤い宝石は、店内の光を受けて鈍く輝いている。
羽のような飾りは金属でできているはずなのに、細かな羽先まで本物のように作り込まれていた。
「綺麗ですね」
思わず、そう言っていた。
彼女は本を見つめたまま、小さく頷いた。
「これは、私のものではないんです」
彼女は一度だけ本の表紙に指を添えた。
「届けるために、持ってきました」
彼女は私を見た。
「あなたに」
一瞬、店内の音が遠くなった気がした。
彼女の声は静かだった。
押しつけるような強さはない。
けれど、言っていることだけは揺らがなかった。
私は赤い本を見た。
表紙に刻まれた金色の模様は、文字のようにも、何かの紋章のようにも見える。
日本語でも英語でもない。
それなのに、どこかで見たことがあるような気がした。
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私は赤い宝石を見つめた。
その奥で、小さな光が揺れた気がした。
彼女は、ゆっくりと頷いた。
少しだけ安心したような顔だった。
彼女が驚かなかったことに、私は少しだけ言葉を失った。
「でも、これだけは分かります」
彼女は赤い本を、私のほうへゆっくり押し出した。
「これは、本来あなたのもとにあるはずだった本です」
その時、赤い宝石がもう一度、淡く光った。
ほんの一瞬。
けれど、確かに。
私は息を飲んだ。
目を離せなかった。
気づけば、私は赤い本に手を伸ばしていた。
指先が表紙に触れる。
紙の感触ではなかった。
石か金属に触れたような冷たさが、指先から腕へと静かに伝わってくる。
次の瞬間、羽の飾りがかすかに震えた。
「あなたは、誰なんですか」
私は彼女へ尋ねた。
「フィンです」
フィンは少しだけ目を伏せたあと、まっすぐに私を見た。
「その本を開けば、分かります」
フィンは小さく頷いて、赤い本を私の前に置いたまま、静かに立ち上がった。
彼女は店の出口へ向かった。
私は反射的に声をかけた。
「待ってください」
フィンが振り返る。
「すぐに会えますよ」
赤い本の宝石が、淡く光った。
「あなたが、その本を開けば」
それだけ言うと、フィンは店を出ていった。
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扉が閉まり、店内にはいつもの静けさが戻る。
カップの音。
店長の足音。
外を走る車の音。
全部、さっきまでと同じはずだった。
けれど、私の前には赤い本がある。
中央の宝石はもう光っていない。
羽の飾りも動かない。
それでも、私は分かっていた。
ただ、本を一冊渡されただけではない。
何かが、始まってしまったのだ。
私は赤い本を鞄に入れた。
その日、カフェラテの味はほとんど覚えていない。
店を出ると、雨はまだ降り続いていた。
傘を開き、赤い本を抱えるようにして歩く。
駅前の明かりも、濡れた道路も、いつもと同じはずなのに、その日はどこか違って見えた。
鞄の中に入れた赤い本の重みだけが、妙にはっきりと残っていた。
家に着き、濡れた傘を玄関に立てかける。
靴を脱いで部屋に入ると、いつもの薄暗い空間が私を迎えた。
机の上には、つけっぱなしのパソコン。
窓には、閉じたままのカーテン。
朝から何も変わっていないはずの部屋だった。
それなのに、なぜか少しだけ息苦しく感じた。
私は赤い本を机の上に置いた。
表紙の文字は、部屋の明かりを受けて鈍く光っている。
私は椅子に座り、ゆっくりと本を開いた。
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ページには、びっしりと奇妙な文字や記号が並んでいた。
幾何学模様のようにも、古代の呪文のようにも見える。
文字は読めない。
なのに、どこかで見たことがあるような気がした。
胸の奥で、何かが小さく鳴っている。
警告のような。
呼び声のような。
その時、ふと一つの名前が頭に浮かんだ。
『ディメンジョンGG』。
昔、夢中になっていたオンラインゲームだった。
剣と魔法の世界を舞台に、古代文字を解読しながら各地の謎を追う冒険型オンラインRPG。
なぜそのゲームを思い出したのか、自分でも分からなかった。
ただ、赤い本の文字が、ゲーム内に出てくる古代文字にどこか似ている気がしたのだ。
私は久しぶりにパソコンを操作し、公式サイトを開いた。
懐かしいロゴが表示される。
その直後、画面中央に一つのポップアップが現れた。
『特別招待』
そんなイベント、聞いたことがなかった。
表示された紋様は、赤い本の表紙に刻まれたものとよく似ていた。
背筋が冷たくなる。
フィンの言葉が、頭の中で蘇った。
私は小さく息を吐いた。
今の自分に、守るほどのものがあるのだろうか。
壊れたくないと思っていた。
けれど、もうとっくに壊れかけていた。
変わるのが怖いと思っていた。
けれど、本当は、変わらないことのほうが怖かった。
私は、画面の表示をクリックした。
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次の瞬間、画面が白く弾けた。
強烈な光が部屋中に広がり、視界が揺れる。
椅子に座っているはずなのに、足元の床が崩れていくような感覚がした。
「なっ……!」
声を出す暇もなかった。
身体が引きずり込まれる。
音が消える。
部屋も、パソコンも、現実さえも、遠くへ剥がれていく。
最後に見えたのは、机の上で開かれた赤い本だった。
ページが、風もないのにめくれている。
そして、私は意識を失った。
目を開けると、そこは知らない場所だった。
遠くには、壮麗な城がそびえている。
青い空の下、白い塔が光を受けて輝いていた。
「……どこだ、ここ」
夢だと思った。
けれど、頬に当たる風も、石畳の硬さも、街のざわめきも、あまりに現実的だった。
その時、背後から声がした。
「やっぱり来てくれたのね」
聞き覚えのある声だった。
私はゆっくりと振り返った。
そこに立っていたのは、あの喫茶店で出会った女性だった。
長い黒髪。
静かな瞳。
そして、どこか全てを知っているような微笑み。
「フィン……」
名前を呼ぶと、彼女は少しだけ安心したように笑った。
「覚えていてくれたのね」
「そんなすぐ忘れられるわけないだろ。ここは、どこなんだ」
私は周囲を見回した。
知らない街。
知らない空。
遠くに見える、白い城。
フィンは、静かに私の前まで歩み寄った。
「あなたには、この世界で果たすべき役割があるの」
「役割?」
「そう。閉ざされた世界にいたあなたが、ここへ来たのには理由がある」
意味が分からなかった。
けれど、彼女の言葉には妙な説得力があった。
まるで、私自身もどこかでその答えを知っていたかのように。
フィンは私を街の奥へと導いた。
やがて辿り着いたのは、巨大な図書館だった。
天井は見えないほど高く、壁一面を無数の本が埋め尽くしている。
空中には光の粒が漂い、静寂の中にページをめくる音だけが響いていた。
図書館の中央で、フィンは赤い本を両手に抱えていた。
「この本に隠された謎を解き明かすこと。それが、あなたの使命よ」
「なんで、私なんだ」
私がそう尋ねると、フィンは少しだけ寂しそうに笑った。
「あなたが、選ばれた人だから」
「私は、そんな大層な人間じゃない」
「それでも、あなたなの」
フィンは赤い本を開いた。
その瞬間、眩い光が放たれ、視界が白く染まった。
体の感覚が薄れていく。
私はフィンに向かって手を伸ばした。
「待ってくれ。まだ何も聞いてない」
けれど、フィンの姿は光の中に溶けていった。
10/10
次に目を覚ました時、私は藁の上に倒れていた。
乾いた土の匂い。
動物の気配。
木の壁の隙間から差し込む、淡い朝の光。
どうやら、ここは馬小屋のようだった。
体を起こそうとすると、全身に重さが残っていた。
さっきまで、私は図書館にいたはずだった。
フィンがいて、赤い本が光って、視界が白く染まって。
そこまでは覚えている。
けれど、その先が分からない。
ここはどこなのか。
フィンはどこへ消えたのか。
なぜ自分が、こんな場所に倒れているのか。
考えようとした、その時だった。
外から、慌ただしい足音が近づいてきた。
次の瞬間、馬小屋の扉が勢いよく開く。
「おい、フィン!何してんだ!」
私は反射的に顔を上げた。
扉の向こうに、見知らぬ少年が立っていた。
けれど、彼は今、確かに私をフィンと呼んだ。
私はフィンではない。
そう思ったはずなのに、その名前だけが、胸の奥に奇妙な重さを残した。
閉ざされた部屋の中で止まっていた時間が、少しずつ進み始めるような感覚だった。
私の知らない世界で。
私の知らない名前で。
私の知らない運命が。
静かに、動き出していた。
章2: 八つの神器の薄れゆく功績
- 物語はニートの主人公がいつもカフェで、
可憐な女の子が一冊の赤い本を忘れていったこと、異世界へワープしてしまったことから始まります。
- 物語の舞台は異世界で、傭兵の試験会場に行き、国の騎士団長の悪戯により主人公は八つの神器に関わりのある一つ、神剣を手にすることから物語が流れます。
- 物語の主人公は八つの神器の英雄の末裔であり、神剣の使い手としての悲しい運命を背負っていました。
- 主人公は彼女が目の前から突然消えてしまい、神剣の真の力を解き放ちながら、様々な困難に立ち向かう決意を固めることになります。
- 八つの神器の伝説は遠い過去の出来事となり、その功績も神器の力も次第に薄れつつありました。
- しかしながら、八つの神器はまだ存在し、それら神器の力を巡る国々の争いは絶えることがありませんでした。
英雄としての活躍
- 主人公は数々の戦場に参加し、勇敢に戦い、勝利を収めることとなります。
- 大陸制覇を目指す王は八つの神器を集めるよう命じ、主人公は天下を手に入れるために戦います。
- 国々の勢力は強大であり、八つの神器を持つ大陸の英雄たちは驚異的な力を備えていました。
既に物語は完結済み、執筆するだけです。
章1: 八つの神器の伝説
- 古代の時代には、多くの戦いを繰り広げる英雄たちが存在しました。彼らは勇敢に戦い、八つの神器を手にし、神を超える存在である魔王を討つために活躍しました。これはその英雄たちの物語です。
外伝
章2: 八つの神器の薄れゆく功績
→執筆中
章3: 魔王の野望と神器の探求
章4: 過去と未来を行き来する戦い
章5: 最後の決戦と救世主の勝利
章6: 絶望と勝利の交錯
章7: ハッピーエンド
続編
章8:脅威の力を持つ神剣を巡る物語




