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神、死する時  作者: わんパチ
仲間編
56/83

9話

 ワールドは街にいなかった。

「シニア、ワールドを見かけたら、拠点にいると伝えてくれ」

「畏まりました」

 ウォールと拠点に一度戻る。

 中では、食堂でガーディが日本食を作り出していた。

「あ、リーダーさん。俺ぁ、日本育ちなもんで、せっかくのお近づきにってことでふるまってんだ」

「ああ、そうか」

 クローとファイアもいる。

「あ、ウォールだ」

「クロ―、ファイア」

「どうだった?」

「いや、何も」

 ・・・室内でも羽をしまわず、たたんでいるところを見ると、僕と違い、本当に生えているものなんだな。

「さて、せっかく集まっているから、いい機会だろう」

 ロイヤル、グリーン、ファイア、スナイプ、レン、クロ―、ララ、クリスタ、ガーディ、ウォールを見る。

「現在の目標は、スナイプ、レンが見たという人影を探すこと。ランカを探すこと。そして、付けくわえて、ランカにつながるであろうローズを探しだすことだ」

「ローズ?」

「そういえば、顔ってわかるのか?」

「人影に関しては、怪しい人物を探すしかないが、ランカに関しては仮面と言う最大の特徴があるからわかりやすいんじゃないか? それに、覚えているやつもいるだろう」

ウォールが言う。少し怒りを込めた声で。

「ローズの特徴は赤のドレスだ。本当に真っ赤だからわかると思う」

「オッケー。探すものが増えたけど、協力者も多い。頑張って探すぞ!」

グリーンはいつも通りだ。

 そして。

「呼んだかしら?」

ワールドが空間転移でやってきた。

「まったく、名前を呼んでくれればいいのに」

「ランカを飛ばした場所聞きたかった」

「それ。それを思い出したの。そういえば私が飛ばしたのよね、って」

「いたか?」

 ワールドは何も言わない。

「言ってくれないか?」

それはウォールやララたちの声だった。

「私たちは復讐のためにこの調査に参加しているの」

「ランカに挑むのはお勧めしないわね。ま、繋げてあげる」

 全員やる気の様だった。

「クリスタは拠点に置いておいていい?」

 クリスタにはランカや復讐など関係ない。

「構わない」

僕もそれに反対する意味もないので了承する。

 クリスタ自身、この状況が理解できているか怪しい。

「俺にランカとの因縁だの復讐はないですが、みなさんの力になりますよ」

 スナイプやレンもついてくるようだ。

 それぞれがランカへの決意をもって挑んでいる。

「ランカへ挑むぞ。死ぬなよ」

 別にこいつらに思入れはない。先ほどであった者もいる。だから、この言葉は本心ではない。

 死んだってどうだっていいのだ。たとえこいつらが死んでも、きっと。

「なんてな」

 願ってしまった。そうなってしまう未来が待っているんだろうか。

 あいつは、何を願って、こんなことをするのか。

 あいつは何がしたいのか。

 僕にはわからない。誰に聞いても分かるわけがない。

 人を殺すように。あいつは僕らを殺す。

「殺されるならば、先に殺すまで」

 それがランカへ向けた言葉だと思ったのだろうか。その言葉に答える声が聞こえた。

 まだ。これでいい。

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