〈 エピローグ 〉
ねえ、トーマ。
あの日、突然ここへ吸い寄せられてしまった私たちが出会ってから、たくさんのことがあったね。
お互い、右も左もわからない世界で戸惑いながらも、寄り添って……。
どうなってしまうのかもわからない未来に怯えていた私に、あなたはいつだって優しかった。
故郷に帰りたいと願いながらも、あなたと過ごした時間は本当に幸せだった。
長くは続かなかったけれど、それでも。
あなたのいなくなった世界で生きるのはつらかったけれど、あなたは私にあの子を残してくれた。
本来ならば出会うはずもなかった私たちが出会った証。
大切な大切な、愛しい我が子。
この体が蝕まれようと、これだけははっきりと言える。
私は、この世界に来れて幸せだった。
来るべくしてやってきたのだと、今なら思える。
再会を約束したあの子たちのために、当分はあなたのところへ行けなくてごめんなさい。
あのね、私たちの子供は自分の足で立って生きていけるようになって、大切な人を見つけたの。
その成長が、ほんの少しだけ寂しくて、すごく嬉しい。
こんな気持ちを感じる日が来るなんてね。
ねえ、トーマ。
あなたのおかげね。
ありがとう――。
【『魔法のおしごと。』 ―了― 】
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました!
その後の彼らはどうしているのか、『皇帝のおしごと。』にて登場します。
ここで一応の完結にはなっていますので、読まれなくとも問題はありませんが、よろしければお付き合い頂けると嬉しいです。皇帝キリュウととある女の子のお話です。
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