第31話 エピローグ
登場人物紹介
真弓 主人公。私立桜ヶ丘高校三年の弓道部女子。
影久勇斗 真弓の幼馴染。真弓と同じ弓道部の三年生。
目を覚ました時、眩い朝日が私を照らしていた。目の前にはRTX5090をその身に宿すPCと、半分に折れたキーボードが見える。
パファルコ・ミリトの激闘が嘘のように感じ、私は頬をつねる。
「痛い……」
夢ではなかった。壊れたキーボードを見ながら、そう感じていた。勇斗との戦いは、紛れもない事実としてここに存在していた。
ふと、時計に目を向けると、七時十分を指していた。
制服に袖を通し鏡を見る。うん、いつもの私だ。寝癖も、隈もない。ここでFPSモードから学校モードへ切り替える。
それでも眠たい目を擦りながら、ママンが作ってくれた朝食を口に放り込んでいく。
高校生がところ狭しと詰め込まれた満員電車に乗り、私立桜ヶ丘高校へ向かう。私の胸には、あの戦いの感触が確かに残っていた。勇斗から心を射抜かれた、あの瞬間を。
教室の扉を開けるとそこには、頬に手をついて窓辺に優しく降り注ぐ桜を見ている影久勇斗がいた。勇斗の髪が、風に吹かれ、朝日を反射する。
そのまぶしい光景に私は目を奪われ、息ができなくなった。
(勇斗になんて話せばいいだろう)
そんなことを考えていた私に、勇斗は振り向いて、優しく微笑みかけた。
「おはよう真弓」
私の靄がかった心が、途端に晴れ渡るのが分かった。やっぱり、私は勇斗の事が好きだ。それだけは代えがたい事実だった。
「おはよう、勇斗」
昨晩、雌雄を決したとは思えないほど穏やかに交わした挨拶は、日常を取り戻すのに十分な会話だった。
私は、勇斗の後ろにある自分の席へ座り、少し大きな勇斗の背中を見る。
(勇斗の背中、こんなに大きかったっけ?)
改めて見る勇斗の背中に、多少の驚きを覚え、その大きさに安心感を覚えた私は、無意識に小さく語りかけていた。
「私、勇斗のことが好き……」
「え?なんて言ったの?」
口から出てきた言葉に自分でも驚きながら、悟られないように軽口を叩いて取り繕う。
「何でもないよ〜」
頬を桜色に染めている私を見て何かを察した勇斗だったが、それ以上問い詰めることはなく、淡雪のようにひらひらと舞い落ちる桜の花びらを、窓越しに眺めていた。
「ねぇ勇斗。そういえば、私を狙ってた理由って何だったのよ」
「あぁ、それはね……」
そんな会話が響く日常が、青い春の教室を明るく照らしていた。
その二人を優しく見守る影。
弓道部の後輩が、赤いリボンを揺らしながら佇んでいた。
完
自分なりに、『一人称を極限まで追求したらどうなるか』をテーマにして、真弓に自由に暴れてもらった作品でした。
弓道女子×FPS×戦闘×ギャグ×青春の、盛りだくさん詰め合わせとして書いたつもりでしたが、最後まで楽しんでもらえたでしょうか?
ここまでで一度終わりを迎えますが、謎はまだたくさん残っています。作り込んだ設定も無駄なままです。
そのうち気が向いたら、第2部として書くかもしれません。そのときはまた、真弓の物語をよろしくお願いします。
AI利用について
作品を読んでもらう人がいないため、本文を読んでもらい、感想をもらうだけに留めています。
AIから文章や設定、展開などを取り入れて反映させることは一切していません。
この作品は真弓が突っ走ってるだけです。




