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四季暦は死にたくない  作者: 韋駄天
一章
14/14

林間学校2

「さっさと選べよ!至極簡単な二択だろーが!あぁ!?」

僕の襟を掴んで僕ごと壁ドンしている林檎(覚醒ver)の顔がどんどん険しくなっている… …


え?なんで僕がこんなことになっているかって?


そんなの決まっている……







映画で先にクライマックス見る人のための救済処置かな!


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


「一旦ここのサービスエリアで休憩するから、トイレ行きたい奴。飲み物買いたい奴。行って良いぞー。食い物買ってきた奴はここで没取だからなぁ。」

担任の声で目が覚める。


「ねぇ?どー思うこよみん?酷いと思わない?」

えっ?またやってるのこれ!?最早天然の域越えてるだろ…

「それは酷いなぁ!僕も男として見過ごせないぜ!」

話を聞く感じを醸し出しながら速攻で爆睡した自分を棚上げして、其れがバレないように話を合わしていくのが四季暦である。

「そうだよね!こよみんならそういうと思ってた!じゃあ将来二人で自販機カメラマンになろうね!」


エッ?自販機カメラマン、ッテ、ナニ?

友達カップルの痴話喧嘩ネタとかじゃないの?

というか僕が聞いて自販機カメラマンになりたくなる話ってどんな話だよ!

ダメだ…全く想像もできない…よし!作戦変更だ!


「まぁその事はあとでゆっくり考えるとして、とりあえず喉乾いたから飲み物でも買ってこようかな!」

「さすがこよみんだね!さすが未来の自販機カメラマン!もう自販機が見たくて見たくて堪らないんだね!私もお供しますぜ!!」


………おおっと!又しても選択肢をミスってしまったようだ!

さっきより時雨の目がキラキラしてしまっているぞ!

ここまで来てしまえば、実は聞いてなくて適当に言いました何て言ったらどーなるか…想像することすら怖い。。。


「飲み物を買うついでにね!」

「えっ?未来の自販機カメラマンが自販機を『ついで』にしちゃうの?」

さっきまでの時雨'sキラキラ満面の笑みが音をたてて崩れ落ちる。

あっ!最早、選択肢を間違えるだけで即BADENDの所まで来てしまったらしい。


「ごめん。言い間違えちゃった。『ついで』に飲み物も買いたいしね!」

「そうだよねー!さすがこよみんだよー!ストックにも程があるってもんだよー!」

そう言いながら先程までの笑顔に戻る時雨。

ヤバい…この前では僕の未来の選択肢に自販機カメラマンしかなくなってしまう…いや特に希望があるわけではないが……


まぁとりあえず行こうか!と僕はバスを降りて近くの自販機に向かう。

「やっぱり炭酸が良いかなぁ…カフェオレも捨てがたい…でも缶は捨てるのめんどくさいしなぁ…」

自販機から少し離れたところに陣取り、両手で四角形を作り、自販機の構図を色々試している時雨を無視して、僕は自販機とにらめっこする。



「やっぱ炭酸だな!」そう決意していざ、リュックサックから財布を取り出そうとした僕の時間が止まる……


「えっっっっ?なんで入ってるの!?」


僕の視線の先。持ち運び用の小さいリュックサックの中。懐中電灯や折り畳み式のサバイバルナイフなど、林間学校用の道具達の隙間。そこに諸悪の根元があったのだ。

僕と林檎の秘密の思い出。

絶対バレてはいけない思い出。

僕が林檎の額にチューしてるプリクラ。



僕は急いで記憶を二週間前まで遡る。

林檎からのメールの後。とりあえずどこかに隠さないとという衝動に刈られた僕は、あっ!使ってないリュックがあるじゃん!リュックなら誰か来ても勝手に開けたりしないだろうし!最高の隠し場所じゃん!


そして昨日の記憶を思い起こす。

どーしようか。持ち運びやすいカバンなんて持ってたっけなぁ……あっ!使ってないリュックがあるじゃん!これを使えばいいじゃん!よし!これで準備万端だぜ!!



今なら悲しいほど鮮明に思い出せるのに……昨日の僕に教えてやりたい……


「こよみん?さすがに考えすぎじゃない?もう集合時間過ぎちゃうよ?」

時雨の声で我に変える。


「おおっと!自販機の魅力にとりつかれちゃってたぜ!気づいたら喉も乾いてなかったし、行こうか!」

僕は、そう言いながらリュックから出しかけていた財布を戻し、強く強くリュックの口を閉めながら歩き出す。

バレなきゃ良いだけ……

そんな甘い期待を抱きながら

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