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第32話入団

第33話入団


 坂を登り続けていると道が舗装された道から細い獣道に変わっていった。


 塔が後すぐそこに見えきた。 その時地鳴りと掛け声が聞こえてきた。


 「1……2……1……2」


 「1…2…1…2」


 「1!2!1!2!」



 掛け声が徐々に大きくなっていきゴリラみたいな男たちが列を成して坂の下から駆け上がってきた。 なんだこの人達は?



 「お前ら声が小さーーい! 大地の団の隊員の実力はその程度か!」



 先頭に立っている1番体格が良さそうな男がそう叫んだ。 最悪だ、大地の団はこんな事をしてるのか、今から入団するのが嫌になるな。 俺は後ろから迫る男達から逃げるように余り道幅は無いが出来るだけ逆側の道に寄って肩を縮こめて隊員達が過ぎ去るのを待った。



 「1!2!1!2! 全体止まれ!」



 隊員達は俺の隣で止まったしまった。



 「すみませんが、君は何の理由でここに?」



 先頭の体格が1番良い男が声を掛けてくる。



 「いや、大地の塔に向かってて」


 「じゃあ入団希望者?」


 「はい、そうですけど」


 「やっぱりか! こんな山頂付近に一般の人は来ないからなそうじゃないかと思ったんだよ!」


 「そうだったんですね!」


 「本当に良いタイミングできてくれたよ! さあ君も一緒に走ろう」



 は? 何を言ってるんだこいつはまだ入団もしてない奴にいきなり走れだなんてどうかしてる。



 「いやでもその、荷物とかあるし」


 「そんなもん手分けして持ってやるから、ほら1番後ろで良いから付いてきな、良い汗かいた頃には塔についてるだろうから」



 あれよあれよという間に荷物をゴリラみたいな奴らに奪われた俺はしょうがなく列の1番後ろに並んだ。



 「おい、マルー!」



 隣からの声を掛けられ顔を向けるとそこにはここまで俺達を案内してくれたマイトが汗だくで立っていた。



 「マイトさん! 大地の団の人だったんですね!」


 「おう、久しぶりだな、お前が大地の団だとはな改めてよろしくな」


 「マイト先輩ですね! よろしくお願いします」



 俺はマイト先輩と固い握手を交わした。



 「いや、握手はまだ早かったかもな」


 「え? どういう事ですか?」



 言っている意味が分からず聞き返してしまった。



 「この走りをお前がこの集団に付いて来れるのかって話だよ。 団長は言わなかったかも知れないがこの走りに付いて来れない奴の入団は認められないからな」


 「流石に付いて行けますよ、鍛えてますし、もうそろそろ終わるって言ってましたし」


 「違う、そういう事じゃないんだ、今までの走りはただのウォーミングアップだ。 お前が普通に走るだけじゃ絶対に追い付けない」



 何をこの人はただの走りなのにここまで言うんだ? 早く全速力で走れば良いだけだろ? 



 「大丈夫ですよ、足の速さには自信ありますから」


 「時間だ ラストスパート行くぞ!」



 先頭の団長の声で再び集団は走り出し、俺もそれに合わせ1番後ろで走り出したがさっきまでとは全く違う。


 マイト先輩に言われた通りスピードが段違いに速い、まだ何とか付いて行けるがこれは8割で走っているのに近い、こんなじゃ長くは持たない。



 「もっといくぞ!」



 集団はさらにスピードを上げ山を土煙を上げながら馬のように駆け抜けていく。 


 ジリジリと差を離され始めてきた、どうするこのままじゃ入団が出来なくなる。 考えろ、どうすれば高速で移動出来るのかを。 


何かヒントがヒントがあるはずだ。


  





 


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