第34話試験
鼓動が早くなり息が切れる。 もう限界だ、どうやってあんなに速く走ってるんだ。 そうだ、ミラだ! 俺の身内で1番足がミラだ、あいつはどう走っていた? 単純な走力だけじゃない魔力だ。
俺はあいつのような精密な魔力操作は出来ないけど刀で敵を切る時みたいに足に一瞬だけ魔力を込め地面を踏み抜いた。
「うわっ!」
体は前ではなく真上に跳ね上がった。 魔力が強すぎたか、上から列を見ると先頭集団は山道を抜けて塔に着こうとしている。
このままだと地面に直撃する頃には到着してしまうだろう。
腰にさした刀を空中に投げ、刀を踏み台にし魔力を足に込める。 剣士としては失格な行為だが仕方ない。
魔力は足から剣に伝わり俺の体は塔に向かい始めた。 目が乾くほどのスピードで塔に向かっているがここで何個か問題がある。
何とか列に間に合いそうなのは良い、むしろ1番で着きそうだ。 最早そこはどうでも良い、このスピードのままゴールしたら自分のスピードで地面にぶち当たって死ぬ。
何とか体の制御をしようとするがスピードで動きがままならない、そうだ! スライムだ! おじさんから買った温泉スライムを懐から取り出し、持ち出し用の小さな桶から空にぶちまける。
スライムは空中で体にまとわりつき良い具合に気持ち良くなってきた。
違う、違う、そうじゃない、問題はスピードが落ちてるかだ。 スライムは徐々に体から剥がれ落ちていった。
よしスライムは剥がれ落ちたけどスピードは少しは落ちたこれで何とか受け身を取るしかない。 もう地面まであと少しだ、後20m、10、5! いや、無理だなこれ頭カチ割れコースだ。
その時列の先頭の1番ガタイが良いゴリラが地響きが起こりそうな迫力で走ってきて落下寸前の俺の体を掴み、ボールのように投げた。
投げ飛ばされた先は温泉でした。 やばい、温泉スライムよりめっちゃ気持ちいい、魔力切れもあって寝そうだ、いやもう寝るなこれ。




