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焦がれる程に



あれから暫くたって、僕は1人、実家の前で覚悟を決めていた。

叔父さんが残してくれた言葉を無駄にしないため、僕は大きな一歩を踏み出す。



「…お久しぶりです、父さん」



「――――あ、来た来た。

お疲れー」

「ねぇ、そろそろ寒いしここでの待ち合わせ止めにしない?」

「えー?

まだ大丈夫じゃない?」

「もう少しで冬なんだけど…。

まあ、良いや。

はい、これ飲みなよ」

「わ、ココア!!

流石ー!分かってるー!」



嬉しそうに缶のココアを受け取る彼女に、少し頬が緩む。

相当重症だなこれは。



「あ、そうだ。

君に聞きたい事があったんだ」

「僕に?」

「うん。

ずっと前に聞いて答えを貰えなかったんだけど、」



彼女の目が僕を射抜く。



「君は私の事結局好きなの?」



直球過ぎるだろ…



「急だね…」

「だって今思い出したし。

あの時はアイツに邪魔されたけど、今なら私以外誰もいないから大声で言ってくれて構わないよ!」

「流石に大声では止めておこうかな。

…まあ、別に嫌いじゃないよ。

これで満足?」

「全く!!

完全にアウトだよ今の!!

嫌いじゃないって何さ、嫌いじゃないって!!」



こういうところは彼とそっくりだな。

納得するまで許さないところとか。



「…「焦がれる程に、君を想う」」



ポツリ。

聞こえたのか聞こえなかったのか、彼女は特に何も反応しなかった。

けれど、



「…「君の名前を教えてください」」



なんて言って笑うから、僕もつられて笑ってしまう。

そうして2人で初めての自己紹介。

おかしいね、もうずっと前からお互いの事知ってるのに。



「私たちらしくて良いじゃん!!」



そうしてまた、彼女は太陽のように笑った。




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