食
マイク「もうこれでトークンが使えるのか、早速試そうぜ!」マイクのウォレットは10,2847TLを示していた。軍所属の身分は無くなっていた。マイクは嬉しいような、寂しいような、複雑な表情をした。三人は梯子を降り、通気口から出る。マイク「それにしても、結構あそこ広かったな。髪当たらなかったぜ」ゼロ「でもマイク、服油でドロドロだよ」マイク「うわっ、まじかよ...こうなったら...くらえ!」マイクは服の汚れた部分をゼロに擦り付けた。ゼロ「まったく...そんな子供っぽいこt隙あり!」ゼロはマイクに油をつける。マイク「よし!もう終わり!停戦にしよう。」ゼロ「そうだね。停戦。」まだ二人はお互い見て隙を窺っている。目の前に自販機が見える。マイク「懐かしいなー。こういうのは全部撤去されちまってたからな。」自販機にはたくさんの栄養剤と、ジンには見慣れない固形物があった。マイク「嘘だろ、こんな感じで経口食って売ってるのか?」ゼロ「マイクとジンは食べたことある?」マイク「見たことはある。でも食べたことはないな。」ジン「経口食って何だ?」ゼロ「まあ、これはまた今度にしよう。栄養剤とか買ってみよう。そのボタンを押し、ウォレットをかざす。」数年ぶりに聞いた懐かしい決済音が響く。マイク「すげえ!ほんとにできたぞ」ゼロ「当たり前だよ」出てきたカートリッジは同じ赤色だが、何か違うのだろうか。ゼロはそんなことを考えながらカートリッジをつける。カチューという音とともに、首筋から冷たい液体が広がっていく感覚がした。マイク「...何ともなさそうか?」ジン「何がが起きる前提なのか?」ゼロ「一応、体がどう反応するのか確認しておこう。」ジンが固形物をじっと見ている。ジン「これを食べると...どうなる?」ゼロ「栄養になる。僕らが使ってるのと同じようなものだよ。でも、口から入れて胃や腸で消化する。」ジン「胃...まだ、この胃は使えるのか?」ゼロが答えに詰まる。ゼロ「...わからない。」ジン「じゃあ、試してみるか。」ゼロ「そんな簡単な話じゃないよ。」マイクも同じ栄養剤を買った。出てきたそれを持つ。マイク「これを...俺が買ったのか。」1、2時間ほど経過観察をしている間、三人は街を眺めている。マイクはウォレットを見つめ、口を開いた。マイク「もう、戻る場所はないんだな。」ジン「戻る必要があるのか?」マイク「...それもそうか。」ゼロ「これくらいトークンがあれば、しばらくは困らなさそうだね。」マイク「じゃあなんか買おうぜ!何買う?」ジン「刀。」マイク「お前はそれしかないのかよ。」ゼロ「そろそろ移動するか。拠点を構えたい。」マイク「どこか見つかりにくいところ探すか?」ゼロ「いや。ここはもうオフラインゾーンではないからね。」三人が移動を始める。ここはあの檻の中とは違う。親子が手を繋いで歩いている。貨物列車の音の中に話し声も聞こえる。しかし、どこか静かだった。




