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りくの詩  作者: 山田りく


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りく寓話第十二夜【浦島太郎】

 

 とある漁村に浦島太郎という、性根の優しい青年が住んでおりました。


 ある日、太郎が浜辺を歩いていると、子供たちが、何やら騒いでおりました。


 近くに寄ってみると、大きな海亀を虐めておりました。


「これこれ、亀を虐めてはダメだよ」


「引っ込んでろ!」


 太郎は筋肉を見せました。


「にげろー」


 助けられた海亀は

「お礼に竜宮までご案内します」

 太郎は、快く引き受けました。


 いざ、出発!のその時、遠くで子供たちが騒いでおります。


「しばし待ってくれ」


 太郎が近づくと、

「に、にげろー」

 子供たちには一目散に逃げました。


 見ると大きな陸亀が虐められておりました。


 陸亀は、

「お礼に御殿へ案内します」


 太郎は、困りました。

 どちらを先に行こうか?と……


 海亀と陸亀は、自分が先だ!と譲りません。


 そうこうしていると、

 遠くで子供たちが騒いでおります。


 太郎が近づくと

「またか!」

 と子供たちは逃げました。


 見ると、大きな空亀が虐められていました。


 空亀は、

「助けてくれたお礼に天空宮へご案内」


 いやいや、俺が先だ!

 と、陸亀と海亀が空亀に文句を言っております。


 遠くを見ると、子供たちは……(以下略)


 なるほど、太郎は悟りました。

 亀っていっぱい種類がいるんだな!


 後ろでは、陸海空宇宙多次元異世界並行平行などの大勢の亀たちが、

「俺が先に助けられたんだ!」

「お前のところは遠い!」

「うちが最先端だから!」

「テンプレは俺だろ!」

 などと言い争う声がします。


 全てをスルーして、太郎は母の待つ小屋へと帰っていきました。

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