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風見先輩が私のことを好きなのはラノベアニメの主人公に似てるから。〜好感度高めから始まる恋のススメ〜  作者: 宮野ひの


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第15話 三角関係?

 私的には、みなみちゃんより風見先輩の方がファーストキスっぽい感じがあったんだけど……。まっ、いっか。


「でも、そうなったら、みなみちゃんのファーストキスの相手も私になっちゃうんだけど? 大丈夫そう?」


「へぇ!?」


 細かく追求されると思っていなかったのか、みなみちゃんは目を丸くした。唇もワナワナと震えている。


「あ、あたしは百戦錬磨だし? 別にキスくらい慣れているんだけど。は、初めてじゃないし!」


 みなみちゃんはふんぞり返って言った。髪を片手でサラッとなびかせる仕草が妙に様になっていた。


「……あの時、中学生だよね?」


「……っ!」


「みなみちゃん、彼氏とかいたっけ?」


 あの頃、付き合っている人を紹介された記憶が一切なかった。

 というか、今までに一人も言われたことがないんだけど! あれー? 百戦錬磨なんだよね?


「……今日は天気がいいね」


「あっ! 話逸らした」


 今日のみなみちゃんは、やっぱりおかしい。


「話はさ、せっかくだから放課後にでもしようよ。ワッフルでも食べながら……」


「うん!!」


 みなみちゃんに上手くかわされた気がするけど、まぁいいや。


 今度こそ、私は自分の机に向かった。


 最近の放課後は、風見先輩とネットカフェに行ったり、みなみちゃんと遊ぶ予定が入ったりして充実している。


 もしかして、これ……夢のJKライフってやつじゃない!?

 わー。高まってきた!


 ウキウキした気分だったけど、1時間目が英語だったことを思い出して、一気にテンションが下がる。苦手なんだよなぁ。ローマ字のまま単語を読むことができないし。


 でも、放課後にワッフルが待っていると思うと、俄然乗り切れそうな勇気が湧いてきた!

 私は柄にもなく鼻歌なんかを歌ったりした。





「和央ちゃーん!!!」


「えっ。風見先輩……」


 帰りのホームルームが終わって念願の放課後。みなみちゃんと教室の後ろに集まり、まさにワッフル屋さんに行こうとした、その時だった。


 1-Aの教室の前に風見先輩が現れた。ドア付近でキョロキョロして、私と目が合った途端、ブンブンと手を振った。


「……わお、今日も風見先輩と約束してたの?」


 みなみちゃんの声が少し低かった。


「ううん。してないよ」


 本当だった。

 昨日、ネットカフェの前で、風見先輩と別れる時、


「今日はありがとうございました」


「和央ちゃん、じゃあねー」


 というように円満に別れた。

 次回の約束については特に言及していなかった。


 とりあえずと、私とみなみちゃんは風見先輩のもとに行った。


「和央ちゃん。昨日ぶりー。今日もいいかな?」


 彼女は、にこにこ笑顔でご機嫌そうに言った。


「あの。すいませんが、今日はわおとワッフルを食べに行く予定なんですが……」


 みなみちゃんが冷ややかな目をした。


「うわー。そうだった! 今日はみなみちゃんとの約束があったんだよねー。完全に忘れてた。ごめん」


 風見先輩は両手を合わせて頭を下げた。本当にうっかりしていたようだった。


「まぁ、わかればいいですけど……」


「楽しんできてね! それじゃ」


 風見先輩は颯爽と、私たちの前から消えようとした。未練がないような、潔い姿が少し引っかかる。


「あのっ! 風見先輩!」


「えっ。何?」


 私は思わず先輩を呼び止めてしまっていた。彼女がくるりと振り向いた。

 廊下にいた同級生も私たちを見ている。


「い、今からどこに行くんですか?」


 本当に聞きたかったことではない。だけど、話しかける口実が欲しかった。


「ネットカフェだよ」


「……一人なのにですか?」


「うん。今までも放課後はよく行ってたから!」


 風見先輩は優しく笑った。その表情が切なく見えて、胸が少し痛んだ。


「あの……」


 みなみちゃんが横から口を挟んだ。


「良かったらなんですけど、風見先輩も一緒にワッフル屋行きませんか?」


「えー! 楽しそう!」


 風見先輩の返答を待たずに、私が喜んでしまっていた。みなみちゃんが白々しい目を向けてくる。


「——で、どうですか?」


 みなみちゃんは、すぐに風見先輩に目線を移した。彼女の次の言葉をじっと待つ。


 風見先輩は数秒黙った後、


「行きたい……です」


 と、伏し目がちだけど、賛同の意見を口にした。やったー!


「なんで、敬語なんですか」


 みなみちゃんが少し笑った。


「はははっ。ついね」


「嬉しい!!!」


 私はガッツポーズをしていた。楽しみにしていたワッフル屋。人数は多い方が楽しいもんね!


「わお、はしゃぎすぎ」


「だって、3人で食べ合いっこできるかもってことでしょ? 甘い系のワッフルの他に、しょっぱい系もいけちゃうかもよ!? わー。どうしよー」


 人目も憚らず、はしゃいでしまっていた。


「和央ちゃんって、面白いね」


 風見先輩が口元に手を当てて笑った。


「……ちょっと早めだけど、ワッフル屋に向かおうか。お店の前で少しくらいなら待っててもいいかもだし」


 みなみちゃんの合図によって、私たちは並んで昇降口に向かった。

 順番は、みなみちゃん、私、風見先輩だった。


 女子二人に囲まれて歩く経験って今までなかったから、新鮮だった。両手に花って、こういうことをいうのかな?


 廊下を歩く時、男子たちの視線を感じた。仲間で談笑しているのに一瞬だけ止まって、目を向けてくる、あの感じ。

 でも、私にじゃない。みんな風見先輩を見ていた。そりゃ、こんなにきれいな先輩だもん。目の保養にしたいよね。


 私もバレないように、こっそり風見先輩に視線を向けた。


「んっ。何?」


 秒でバレてしまった。


「いえ、なんでもないです」


 反射的に否定しちゃった。変に思われていないかな。

 今日はいつもよりも廊下が長く感じた。嘘。一瞬だった!

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