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『世界の終焉と、明日への購買アイス』

【神界・第4観測ルーム(S-157組デスク)】

見習い神たちが学校のような雰囲気で観測業務を学ぶ、第4観測ルーム。一週間の終わりを告げるチャイムが響くと、教室内は一気に週末の解放感に包まれた。

比較的優秀な「S-157組」のデスクでも、レイとセツがカバンを抱えてミルルの両脇からグイグイとおねだりしてくる。

「今週もお疲れ様ー! ミルルちゃん、帰りに購買でアイスおごって!」

「そうだよー、今週ミルルちゃんに手紙回すの付き合ってあげたし!」

組織の制服を悪役令嬢風にカスタムし、縦ロールの髪を揺らすミルルは、顔を真っ赤にして扇子をバッと広げた。

「くっ、離れなさいな! 我が漆黒の衣が穢れるわ。……それに、魔力を消耗したこの私に、俗世の甘味など不要よ!」

(心の声:一緒に行きたい! アイス食べたい! いちご味のやつ食べたいですーー!!)

【画面の裏側(覗き込んだら引くレベルの地獄絵図)】

しかしその瞬間、ミルルの感情の昂りとシンクロするように、彼女の画面の裏側では、バグが限界突破。なんと『隕石・魔王・天変地異が同時に発生し、人類滅亡まであと0.5秒』という、見習い神の手には到底負えない過去最大のディストピア地獄絵図が広がっていた。今すぐミッシ担当神を呼んで改良グループに引き渡さなければ、世界ごと消滅しかねない。

【日常の行動 ⇄ 世界の終焉(平然とした対処)】

「早く行きましょ!」とレイとセツに両腕を引っ張られ、ミルルの心が「みんなとアイス食べたい!」という純粋な気持ちで満たされた、その瞬間──。

お兄ちゃん譲りの超優秀な頭脳が、パニック寸前で叩き出した超高度な術式。そして、彼女自身が持つ最高峰の「強運」が、担当世界に奇跡のバフを与えた。

ミルルが「な、何をしているのよぉ!」と足を踏み鳴らした瞬間、担当世界に降り注いでいた絶望の巨大隕石群が、彼女の強運によって『すべて美味しそうなアイスクリームの形をした無害な雲』へと一瞬で変化した。魔王軍の攻撃もその雲に遮られ、世界は「手に負えない状態の一歩手前」で、信じられないほど平然と救われてしまった。

【オチ(一日の終わり)】

結局、二人に強制連行される形で、神界の購買へとやってきた3人。

並んでベンチに座り、お目当てのいちごアイスを口に運ぶ。

「サクッ……冷た、もぐもぐ……」

嵐のような最大級の隠蔽ワークを涼しい顔(心の中は大パニック)で終えたミルルは、アイスを堪能しながら、夕焼けの広がる神界の空を眺めた。

すっと悪役令嬢のポーズが解け、素直な、心底ほっとしたトーンの声が漏れる。

「……今日も観測しちゃったなぁ」

(心の声:本当……もう二度と担当替えなんて嫌だし、みんなと食べるアイスが一番美味しいもん……)

それを見たレイとセツが、顔を見合わせてクスッと笑った。

「やっぱりミルルちゃん、アイス食べてる時が一番可愛いね!」

「うん、素直が一番だよー!」

「な、なな何を言っているのよ、凡俗ども!?」

図星を突かれてまた中二病モードでツンツンし始めるミルルを、二人は楽しそうに挟んで歩き出す。

見習い神たちのハラハラで愛おしい観測日誌は、明日もきっと、ギリギリの平和を紡いでいく。



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