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レコンキスタ 旅立ちの再会  作者: 樹本茂
第二章 アンケリッツ・ミル・エリミタージュ
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「ムムムー」


「おう! これは失礼」


「消すぞ! 次言ったら、消すぞ!」


「御心のままに……


なあ、リア……


俺の妃になれ……

お前でなければ俺の妃は務まらん。

頼む、俺を愛しているのなら、俺の願いを聞き入れてくれ………………


頼む」


「チクィート……


僕が愛するこの世の唯一の君。


僕にとっては一瞬の様な君との生活。

いずれは、僕だけが残されるんだ……


それに僕は耐えられるのだろうか?


君との夢の様な生活を過ごしてしまった後、僕は君達から見たら永遠のような時間を過ごすのだよ。


……その間、僕は君だけを想って生きていくんだ……

それは……

あまりにも辛すぎやしないかい?


僕には……

多分、耐えられない……」


「リア……

ならば、今、ここで馬を降り、俺のいない生活を送って後悔したほうが良いという事か?」


「そうじゃないよ!」


「ならば、一緒に楽しく暮らし、楽しい思い出を胸に刻む方が、リアの人生にとって良いのではないのか?


俺は簡単には死なんよ。リアを簡単に一人にはしない。それに君にはこの王国が残る。君が皆を導いてくれ……


きっと、寂しいなどと思う時間は生まれないと思うぞ。頼む、愛しの君……

俺だけのミーリア、俺の前から消えないでくれ、頼む……」


男が馬上で涙を流し、女を見つめている。


「チクィート……

王よ………………


王たるもの、いかなる時でも、人前で涙など流すものでは無い。


君は情が深すぎる。

少し冷静に物を見た方が良いよ。

あまり、感情を揺さぶるな……


だから………………

赤ちゃんだと言っているのだ………………


………………

………………

………………


ズルい王様だな。


男は涙など愛する者にしか見せないと聞く。

僕を愛している証左なのだろう?

僕を失う事への恐れなのだろう?

僕の長い人生を想ってのことなのだろう?」


「リア、言ったはずだ……心を読むなと」


「チクィート……そんな事、心を読むまでも無いぞ。

それが人を愛するという事なのだから………………


………………


わかったよ、君の涙に誓おう。


君をこの世界を統べる王となるように導こう。

君を最後まで見守ろう。

君のこの国を最後まで導こう。


僕はこの瞬間から君の妃だ。


君を愛しもう。

君の望みを全てかなえよう。

君を悲しませたりはしない。


だから、一日でも永く僕と一緒に暮らして欲しい……」


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