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「ムムムー」
「おう! これは失礼」
「消すぞ! 次言ったら、消すぞ!」
「御心のままに……
なあ、リア……
俺の妃になれ……
お前でなければ俺の妃は務まらん。
頼む、俺を愛しているのなら、俺の願いを聞き入れてくれ………………
頼む」
「チクィート……
僕が愛するこの世の唯一の君。
僕にとっては一瞬の様な君との生活。
いずれは、僕だけが残されるんだ……
それに僕は耐えられるのだろうか?
君との夢の様な生活を過ごしてしまった後、僕は君達から見たら永遠のような時間を過ごすのだよ。
……その間、僕は君だけを想って生きていくんだ……
それは……
あまりにも辛すぎやしないかい?
僕には……
多分、耐えられない……」
「リア……
ならば、今、ここで馬を降り、俺のいない生活を送って後悔したほうが良いという事か?」
「そうじゃないよ!」
「ならば、一緒に楽しく暮らし、楽しい思い出を胸に刻む方が、リアの人生にとって良いのではないのか?
俺は簡単には死なんよ。リアを簡単に一人にはしない。それに君にはこの王国が残る。君が皆を導いてくれ……
きっと、寂しいなどと思う時間は生まれないと思うぞ。頼む、愛しの君……
俺だけのミーリア、俺の前から消えないでくれ、頼む……」
男が馬上で涙を流し、女を見つめている。
「チクィート……
王よ………………
王たるもの、いかなる時でも、人前で涙など流すものでは無い。
君は情が深すぎる。
少し冷静に物を見た方が良いよ。
あまり、感情を揺さぶるな……
だから………………
赤ちゃんだと言っているのだ………………
………………
………………
………………
ズルい王様だな。
男は涙など愛する者にしか見せないと聞く。
僕を愛している証左なのだろう?
僕を失う事への恐れなのだろう?
僕の長い人生を想ってのことなのだろう?」
「リア、言ったはずだ……心を読むなと」
「チクィート……そんな事、心を読むまでも無いぞ。
それが人を愛するという事なのだから………………
………………
わかったよ、君の涙に誓おう。
君をこの世界を統べる王となるように導こう。
君を最後まで見守ろう。
君のこの国を最後まで導こう。
僕はこの瞬間から君の妃だ。
君を愛しもう。
君の望みを全てかなえよう。
君を悲しませたりはしない。
だから、一日でも永く僕と一緒に暮らして欲しい……」




