表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レコンキスタ 旅立ちの再会  作者: 樹本茂
第二章 アンケリッツ・ミル・エリミタージュ
38/86

38

「ティクエスト! 上手くいったものだね!」


「ああ! リア! このまま駆け抜けようぞ!!」


なんだ?


夕暮れ染まる草原のなか、馬を走らせる男女が見える。

男の前に横向きに座り、しっかり抱きつき愛しそうに男の顔を覗き込む女……

幸せが笑顔から滲んでいる。


何処かで見たような懐かしい光景……


その光景を俺は上から俯瞰してみている。

まるで……鳥にでもなって、一緒に飛んでいる様な……そんな感覚だ。


「なあ、ティクエスト! オーセンは何と言っておった?」


「ああ? 相変わらずさ、『親愛なる王よ。ここにサインを』」


「あはははは! 似てる!!」


「そんなの俺でなくてもよかろう! 今日は、今宵はリアと共に星を見に行く約束をしていたからな、急な雑用は全部捨て置いた、今頃、青くなって俺を城内を捜しまわっているだろうな!」


「ティクエスト……

僕が明日、大臣共に怒られるよ……

『またあの神族の女め、王のお気に入りだからといって好き勝手に』って」


「似てるぞ、リア!」


「そうじゃない! そこじゃない!」


「ハハハハハ! 其方は俺の妃になる女、変な気後れは無用……

もしも、お前をいじめる様な輩がいるのであれば、俺はそいつを裸にして、場外へ捨ててやる、アハハ!」


「ティクエスト……

それは出来ないと……

前から何度も行ってるでは無いか……」


「あ?

世継ぎの件であろう?

そんなものどこぞから孤児でも拾って、俺の子だと言ってしまえばそれまでよ。

気に病むな!」


「そうではないのだ……

僕は本当に君の子を産みたい……


君が本当に望むようにしてあげたいのだ……」


「本当に望むか……


リア、心を読むな……


どんな親しいものであれ、本心など知らぬ事が幸せへの近道ぞ。

それが分かれば……

以降、心を読むことを禁ず。


これは王の勅命だ。

心して置け!!」


「フン!

僕の前ではだらしない男の子じゃないか!


赤ちゃんさ!

チクィートさ!!」


「そうかも知れぬな……

男は誰しも好いた女の前では子供のようになってしまうものだ。

ましてやリアは……


なかなかのご老体であろう?


え~っと……

200歳であらせられるかな?

(おうな)殿!」


「は?

はああ??


今何と言った?


許さん!


UUL・INNMASUTACH・em………………」


「ああ! リア! 

魔法は勘弁だ!


俺が悪かった、許してください!

大魔法使い、ミーリア様、どうかお許しを!」


男がそう言って女の口を自らの唇で塞いだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ