32/86
32
「若……
いかがなされました?」
「ああ……
誰かに……
見られている様な気がしただけだ……」
並走するランスウッドの野太い声が……
俺が一瞬警戒した動作を察知し、その趣旨の説明を求めてきた。
深い針葉樹林の鬱蒼とした森の中、囂々と音を立てて降り続く雨の中、俺と唯一の共周り、ランスウッドが警戒の色を濃くした、
180cm、90kgを優に超える体躯のランスウッドは大型の両手剣を縦横に振りかざし、そのパワーで相手の金属板を重ねた鎧など無いに等しく、その外骨格を粉砕し、中の、生身の者を撲殺或いは切り倒す。
まあ……まともに叩き合わない事だ。




