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俺は幼い時から病気がちだった。
身体も細く、ランスウッドの様な両手剣など振り回すどころか持つことさえ叶わないだろう。
体力も少なく、年の3割は床に伏せて過ごすような事もあった。
剣技は得意だが、実際に力で押し勝てるかさえ、微妙だろう……
実際、俺の周りに縋り付く、こいつら農夫の望みすら、正義の名のもとに行使できない上、唯一の家臣には今こうして馬乗りになられ、喉元を抑えられ、いつ殺されてもおかしくない状況だ。
俺は弱い……
この世界の、剣が支配するこの世界では、怖いぐらいに無力で、何ら贖う事など出来ないのは、十分に理解していた。
だから、俺は法を盲信していた。
法は弱者の味方だ。
俺は、法にさえ従っていれば、弱者が強者に刈り取られることが無いと信じていた。
しかし、違った。
やはり、違った。
剣が支配するこの現実で、法の支配を声高々に宣言したところで……それは、何も成すことは出来ないと、改めて知らされた。
俺は……
俺は法に見切りをつける。
剣が支配するというのなら……
力が支配するというのなら……
それ以上の力を行使し、支配するまで。
俺には……
その力があるから……
それが、例え、禁忌の力だとしても……
法の前に、俺の前で行った己の悪行を後悔しながら死ね……




