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ウイニングブラッド~近未来競馬物語~  作者: うーた。
第2章
95/130

ラビット


アブソルート産駒最強候補のワールドファラオの次走、プロドミネートステークス。

2戦2勝のワールドファラオは1番人気と差のない2番人気。

オープン戦ならダントツ1番人気になってもおかしくないのだが、このレースに前日の2000ギニーで2着したスリップノットが出走した為に1番人気を譲った。


G1でも格の低いG1ならアブソルート産駒の対決は避けることが多いのに不自然だよな。

競馬に少しでも知識のあるものならこのレースにスリップノットが出走してくることが、どれだけ不自然なレース選択かが分かるはずだ。


「英ダービーの前哨戦と言ったアンタの意味を見せてもらうぞ。」


先日キングジェームスと会話した言葉が気になったジュニアはこのレースを注目していた。


ワールドファラオとスリップノット以外には目立った有力馬も見受けられないレース。

普通に考えたら2頭の一騎打ちで、スリップノットを目安にしてワールドファラオがどんなレースをするのか?

ここで苦戦するなら英ダービーはサイレンスストーリーの一強ムードになってくるだろう。


そんな予想からレースがスタートすると、スリップノットは逃げ馬の真横につける2番手。

ワールドファラオは馬群の中団につけた。


「スリップノットは2番手か…このメンバーなら単騎逃げすると思ったが…ん?」


2番手につけたスリップノットはレース序盤から鞍上のテイラーが激しく同馬を追っていた!


「え?どうゆうことだ?」


その光景に驚いたジュニア。

一般的に馬を追うという行動は、馬に手応えが無くなってきて、人が無理やり追わないと進んでいかない状態になってきたという合図と言われている。


その為、1番人気のスリップノットがレース序盤に起こしたそのアクションに驚くのは当然だ。


序盤から激しく追われるスリップノット。

しかしその行動に反してスリップノットが減速する気配はない。

逆に逃げ馬が突然減速し出した。

一気に後方に下がっていきレースを辞めてしまいそうな勢いだ。


変わって先頭に立つスリップノットと中団から抜けてきたワールドファラオが直線で先頭で並んだ。

道中不自然なことがあったが、直線では予想通りの2強の対決の構図となった。


ここから2頭の痺れる追い比べが見れると思った観客は唖然。

スリップノット鞍上のテイラーは明らかに追う手を和らげてそのままキングジェームスとワールドファラオに先頭を譲った。


そしてワールドファラオはそのまま先頭でゴールした。


「あの人は1番人気のスリップノットをラビットにしたのか?」驚きが止まらないジュニア。


海外競馬では有力馬に有利なレースにするために、ラビットという先導馬を出走させることがあるが、このレースではワールドファラオよりもスリップノットの方が実績もあり、人気していたレースなのだ。


「八百長で叩かれるぞ。」


関係者ルームに乗り込むジュニア。

レース後に上がってきたスリップノット騎乗のT.テイラーを見つけるとジュニアが駆けつける。


「テイラーさんアンタ…今のレースは誰かの…アーロン・マスクの支持か?」


テイラーに詰め寄るジュニア。

恒例のマスクを外すテイラー。

テイラーがレースに乗る時にマスクを着用するのは大富豪アーロン・マスクの支持によるものと噂されており、テイラーはアーロンの犬なのではと言われていた。


「…ジュニア。」

ジュニアに声をかけられてそこまで冷静を装っていたテイラーだが、明らかに動揺した様子。


「すまん、ジュニア。何も聞かないでくれ…。」


「テイラーさん…。」


「キング…アンタらはこれを英ダービーで祐翠の馬にやるつもりなのか?」


胸くそ悪い気分になったジュニアはボーゼンとレース後のグッドウッド競馬場を眺めていた。



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