6年前
逃げるカイショウボーラー。
血統的に2000mの中山は少し距離が長いと思われてあるが、
前走皐月賞と同じ舞台の弥生賞をサイレンスストーリーの2着。朝日杯でもサイレンスストーリーの3着だがここまで6戦4勝。逆に言えばサイレンスストーリー以外の馬にはここまでほぼ負けていないのだ。
「この馬にとっては確かにこの距離はギリギリだ。少しのロスも許されないぞ。」
絶好のスタートからハナに立ったカイショウボーラー。まるでサイレンスストーリーかのような逃げっぷりで魅せる。
大外から同厩舎のコスモヨンビームがポジションを譲るかたちで5番手がコスモアンドリアル。
コスモヨンビームは6番手となった。
そして中団に有力馬はおらず16番手にハーツグレイ、離れた最後方にホワイトタイドとフラッシュジャパンが追走。
「君の馬はいつも最後尾にいるな。」
「言わないで下さい…出遅れたくて出遅れてないんですから。」
レジェンド鷹が大舞台で後ろからレースをすることが多いことをイジっていた。
「そういえばフラッシュフォワードの皐月賞でも出遅れて最後尾からのレースだったな。それで鷹さんのセカンドインパクトと一緒に捲っていったけど、僅かに届かなくて…でも今回はサイレンスの馬もいないんだ負けられないぞ。」
それぞれの乗り馬は違うものの2041年の皐月賞に似た位置取りでレースをする祐翠、春馬、鷹極。
3人も6年前に酷似している展開に昔を思い出していたが、このレースに参加していない小和田竜一はさらに感慨深くこのレースを見守っていた。
「2041年の皐月賞にそっくりな展開だな。あの時は祐翠のサイレンススタートと春馬のフラッシュフォワードが2強と言われていて、極さんのセカンドインパクトが3番手って感じだったけど、当時伏兵扱いだった俺のエスエムオペラオーが勝ったんだよな。」
そんな小和田に話しかける白浜。
「このレースどうみますか?皐月賞勝った経験のある小和田さんは。」
「白浜!アレは祐翠と春馬が牽制してくれて漁夫の利で勝たせてもらったようなもんだからな。」
「漁夫の利?エスエムオペラオーの方が最終的な実績は上だったじゃないですか?G1確か7つ勝ってますよね?」
「4歳の時にエスエムオペラオーの本格化したからな。…でもサイレンススタートとフラッシュフォワードが怪我がなければ本格化したエスエムオペラオーでも勝てなかったと思う。あの2頭は唯一あのアブソルートを苦しめた競走馬だからな。」
「2041年の凱旋門賞ですね…」
そういうと少し悲しそうな表情を浮かべる白浜。
あのレースで日本馬のエース2頭の離脱により世界挑戦が遠ざかってしまったのだった。




