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ウイニングブラッド~近未来競馬物語~  作者: うーた。
第1章
51/130

先行作


キャリア8戦の全てで大逃げのレースをしてきたサイレンススタートが初めて逃げない戦法でレースをすることになった。


祐翠騎手の様子から決してスタートに出遅れて逃げることができなかったという訳ではなさそうだった。

自分の真横にいる祐翠をチラリと見て白浜美波は考える。


「私の馬と違って福山先輩の馬が札幌の2000mに不安があるとは思えない。じゃあ何故?」


久しぶりのレースでもサイレンススタートは行きっぷり充分。祐翠は行きたがるサイレンススタートを必死に抑えている様子だ。


「やっぱり馬は行きたがっているわ。」


ロケットスタートから自身の走りたいスピードで走らせてきたサイレンススタートがいきなり控える競馬をすることは難しい。

馬群に入れて落ち着かせたいところだが、それは白浜が許さない。サイレンススタートを内に入れさせない。


そんな難しいレースになってしまっている状況を祐一調教師はどう見ているのか?


「やはり今更控える競馬は難しいか!でも脚質の幅を広げるなら今しかないんだ。それに‥もしかしたら。」


ーーレースは平均よりやや早めで逃げるセブンシーズ。

そこに最終コーナーで捉えに行くジャックパペットと道中控えていたサイレンススタートが続いていく。


「サイレンス、ここまでよく我慢した!ここから全力で走っていいよ。」


札幌の短い直線でサイレンススタートより内枠でしっかり折り合ってスムーズな競馬ができていたはずのユキンコだが、2頭に着いていけない。


「やっぱり4歳になったこの子じゃ2000mは長いみたい…」


白浜は勝負所で無理をせず4着を死守する着狙いに切り替えた。レースは先頭3頭のマッチレースとなる。


セブンシーズを追う2頭。

本来の逃げ戦法から切り替えて先行作を取った2頭の最後の脚はどれだけ残っているのか。


結果として逃げてはいたが、徐々にペースを上げて押し切る競馬をしていたジャックパペットには番手の違いはあれどさほど今までのレースとのラップの違いも少なく、いい脚で伸びていた。


ジャックパペットの脚は先頭のセブンシーズをゴール前で抜かす勢いだ。


ハイペースで逃げても上がりの出せるサイレンススタートがいつもより若干控えた時の脚はどうなるのか?


期待しながらサイレンススタートを追いはじめる祐翠。

祐一調教師もその様子に熱い視線を送って見守っている。



サイレンススタートの末脚が弾ける!!



誰もがそんな期待をして見ていたが、サイレンススタートは思ったほど伸びてこない‥‥‥

それどころか並走して上がってきたジャックパペットの脚色よりも少し悪そうにも見える。


「ヤバい!」


急遽サイレンススタートをジャックパペットに馬体を合わせる祐翠。それによりサイレンススタートの勝負根性が発動して頭1つ分サイレンススタートは競り勝ちながら上がっていった。


そしてその頭1つ分を最後まで保ちながらゴールを通過した!


豪華メンバーが揃った札幌記念とはいえ、ここは完勝して凱旋門賞に弾みをつけると思われていたサイレンススタートのまさかの大苦戦だった。


2着のジャックパペットとはアタマ差。

3着のセブンシーズにもゴール直前で何とかかわせたところだった。


4着でゴールしたユキンコと白浜が祐翠とサイレンススタートに近づく。

「福山先輩おめでとうございます。最後はギリギリでしたね。」


白浜にうしろから声をかけられた祐翠は後ろを振り向いた。


ーー「ああ白浜ちゃんありがとう!…どうやらサイレンスは脚を溜めても末脚はこれ以上速くならないみたいだ。」


「…そうですか!まあそれが分かっただけでも収穫ありましたね。」


ーー「そうだね。サイレンスはやっぱり逃げ馬だったよ。」


レースをした祐翠と同様に祐一も同じ感想を持った。

「凱旋門賞は大逃げしか勝機は…選択肢は無くなったな。まあ分かりやすくていいか。」


凱旋門賞に向かう有力馬たちがこの後続々と動き出す。


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