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ウイニングブラッド~近未来競馬物語~  作者: うーた。
第2章
129/130

決着


「おかしい。そろそろアブソルートが追いついてきてもいい頃だ。」

先頭を走る祐翠は予想外の展開を感じていた。


後ろを振り向いて確認したい。

そう感じながらも必死にサイレンスストーリーを追う祐翠。

すると残り200mでその不安に恐怖がのしかかってきた。


それは過去に何度も味わった恐怖。

異次元の末脚で追いかけてくる競走馬の足音が近づいてくるからだ。


しかも今回はそれが2頭の足音なのだ。


「アブソルートも一緒か?!」


アブソルートとフラッシュジャパン、2頭の猛追を感じた祐翠は自身の腕がちぎれるかのごとくサイレンスストーリーを追う。

8頭のレースなのに観客全ては先頭の3頭しか見えていなかった。


異次元のスピードで走る3頭。

しかし観客の目には逆にスローモーションに映った瞬間だった。異次元の末脚で先頭を追うアブソルートとフラッシュジャパン。


フラッシュジャパンは最後の1ハロンで日本ダービーでも見せた父の走法にシフトチェンジ。

超前傾姿勢に変わり光速の脚を繰り出した。


そしてアブソルートも何と同様の走法に変わりフラッシュジャパンに喰らいついていた。


そんな2頭の猛追に必死に耐えるサイレンスストーリー。

本馬のスタミナはとうの昔に切れていた。

限界を超えた走りで再び加速するサイレンスストーリー。


数秒の間に攻防が激しく入れ替わる3頭。

フラッシュジャパンがアブソルートを頭1つ出し抜くとアブソルートが盛り返してくる。



絶対王者らしからぬ必死のレース。



フラッシュジャパンの脚も限界ギリギリの状態だ。



限界を超えた3頭は4着以下に大差をつけてほぼ横並びに並んだところでゴールを駆け抜けていった‥‥‥



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



そして年末‥‥‥



「さあ今年もいよいよ暮れの大レース。有馬記念を残すのみとなりました。今年も日本の競馬界を盛り上げてくれた馬たちが出走致します。」


「まずは今年女性騎手として凱旋門賞に挑戦し自身も年間100勝、リーディングトップ10入りした白浜騎手が枠順抽選を致します。白浜騎手、狙いの枠はどこですか?」


毎年恒例となった有馬記念の枠順抽選。各馬の関係者、調教師やジョッキーが抽選箱を引いて枠を決定するイベント。

前走のジャパンCを勝利して有馬記念に駒を進めたベルモットの枠順を決めるべく、白浜がイベントに参加。


「ベルモットは前走も先行して勝ったので、2枠4番からスタートを出して先行したいですね。」


「めちゃくちゃ素直に作戦を話してくれるんですね。笑」


「あっマズイ。調教師に後で怒られちゃう。笑」


会場が沸いた。


ベルモットは3枠6番に入った。




「そして今年の凱旋門賞で日本馬の悲願の勝利に導いた福山祐翠騎手の登場です。」


おーおーおー


「凱旋門賞はおめでとうございました。」


「ありがとうございます。でも春馬との決着はついてないんで。」


「三冠馬対決楽しみにしています。」


祐翠が抽選箱を引く。

サイレンスストーリーは1枠1番に入った。




「そして次はこのジョッキーの登場だ。福山祐翠騎手と一緒に凱旋門賞を同時に制した風切春馬ジョッキーだー!」


おーおーおー


「俺も祐翠に負ける気はないんでいい枠引きます。」


「期待しています!」


春馬が抽選箱を引く。

8枠18番に入った。




「そしてここで今年最大のサプライズ。史上最強馬アブソルートの緊急参戦からライアンムーアジュニアジョッキーが登場だーー。」


おーおーおーおー


暮れの大レース有馬記念は日本の競馬ファンのみならず普段競馬をしない人も注目する日本の風物詩だ。


この大レースは毎年多くの名馬が名勝負を演じてきた。


ある馬はこのレースで最強を証明した。


ある馬は有終の美を飾り現役生活を終えた。


これまで有終の美を飾らずにターフを去ったものも数多くいた。

このレースで栄光を掴むものもいる反面、敗者も同時に現れる。

しかしいつの時代も変わらないものがある。


それは競馬というスポーツが生まれてからこれまでも、そしてこれからも名馬の血が未来の競馬に繋がっていくことを‥‥‥





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