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ウイニングブラッド~近未来競馬物語~  作者: うーた。
第2章
104/130

父の末脚


レースは残り250mとなり、逃げていたコスモアンドリアルを完全にかわすリバティスカーレット・ビックバンカメハメハ・フラッシュジャパンの3頭。

勝負は3頭に絞られた。


その中でも随一の脚色のリバティスカーレット。


「だめだ抜かれる…」

自身の馬の脚色より明らかに横の馬がいいと察した安勝は馬を寄せて競ろうとするが、リバティスカーレットには関係ない。

牡馬に混ざって1頭だけ参戦している牝馬のリバティスカーレットだが、気迫でも牡馬に1歩も引かない。


ビックバンカメハメハとの勝負を完全に制した河田ジョッキーとリバティスカーレット。

観客だけでなく乗っていた河田ジョッキーも勝利を確信した。


しかし先頭はまだリバティスカーレットではなかった。

大外にいるフラッシュジャパンのほうがまだわずかに前にいた。


「しつこい奴だ。」

あまりに外側にいたため完全に死角だった河田ジョッキーはここでようやく気付いた。

抜かれるのは時間の問題だと思われた。


しかし…


鞍上の春馬は余裕の表情。


「何っ?!」

驚く河田ジョッキー。


春馬は自身の馬に語り掛けた。

「いけるよなフラッシュ?」


観戦中の祐翠も春馬の表情は見えないまでも何かを感じたようだ。

「いけ、春馬!」


フラッシュジャパンは新馬戦から有り余る闘争心で折り合いに苦労しここまで7戦3勝。

前走の皐月賞で本格化の兆しを見せたとはいえ、父のフラッシュフォワードのような光速の脚を見せたことはなかった。

しかし鞍上の春馬はのこり1ハロン、ここで父と同様の脚を繰り出すことを確信しているようだった。


ここでこのレース初めて鞭を使った春馬。

するとフラッシュジャパンの頭は父のように超前傾姿勢にシフトチェンジした。

それと同時にかき上げる脚が激変する。


脚音が怒号のような音へと変わる。


だだだだだだだだだだ…


現役最速と言われるリバティスカーレットの最高速の末脚が見劣りするほどの末脚で一気に着差を話すフラッシュジャパン。


勝負は決した―――


最終的に2着のリバティスカーレットにも8馬身もの差をつけてフラッシュジャパンが世代の頂点に達した。

それと同時に鞍上の風切春馬にとって2度目のダービー制覇となった。


「やった…」

喜びを爆発させることなく噛みしめるように喜ぶ春馬。


同期のジョッキーたちは観客とともに彼の勝利をたたえていた。


「おめでとう春馬。」


1着 フラッシュジャパン  風切 2分41秒2

2着 リバティスカーレット 河田 8馬身

3着 ビックバンカメハメハ 安勝 5馬身


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