太陽系第三惑星の文化
二人は久しぶりの肉で喜んでいる。
カスカスのパンに挟まれたペラペラの肉なんだけど。
自分はというと、正直あんまり食欲がわかない。
いったい何の肉かわからないものを食べたくない気持ち。
貴方ならわかるでしょう?
そう、誰ともなく問いかけてみる。
もちろん返事はない。
まぁ、ここは思い切って食べてみる。
二人が喜んでいるのに自分が拒否するのは良くない気がする。
現地民との交流は、まず食から始まるのだ。
そんな話を、何処かで聞いた気がする。
墜落したのが罰ゲームだとすれば、こんなことはおまけ程度のことだ。
と、自分に言い聞かせつつ、無理に齧ってみる。
予想通り、肉の触感に身震いしてしまう。
それでも、笑顔の二人を見ていると、なんだか美味しかった気がしてくる。
この二人の笑顔には、何かあるのかもしれない。
こんな身の上でなければ、報告する価値があったかもしれないな。
「明日はゴミ処理場が休みだから、魚をとりましょう。」
おぉ 魚か、資料で見た水生生物。
どうやらかなり美味しいらしい。
期待に胸が膨らむ。
無意識にチチの胸元に手が行くが、その手はリュートちゃんにパシッと叩かれた。
どうも、あの造形には謎の魔力がある。
今日も蹴りだされる前に、小屋の前に寝転ぶ。
チチが段ボールを引いてくれたので、いくらか寝やすい。
雨が降らなければいいなと思いながら、目を閉じた。
翌朝は、不幸なことに雨だった。
背中に溶けた段ボールがべっとりとくっ付いている。
二人が笑いながら剥がしてくれるが、相当間抜けな姿に違いない。
スラムを抜けて、沼とも畑ともつかぬような場所へ着く。
穴を掘って、パンくずをまく。木の枝をかぶせる。
そうすると、二人は僕の手を引いて小屋に帰る。
汚水よりはましといった水で、体を流して拭いてくれる。
魚をどうするのか聞きたいが、なんだか口に出せない。
二人に体を拭いてもらっていると、とても偉くなったような気がしてくる。
メンテナンスに二人使うなんて、惑星連盟なら士官クラスの行いだ。
それが終わるころ、雨がやんでいた。
また、三人で手をつないで沼に向かう。
穴の上の木の枝をよける。
ナマズのような魚と、小さな小魚がウジャウジャいる。
ビニールの袋魚を集めて、雑貨屋に向かう。
カスカスパンとジュース、それに派手なハイビスカスの柄のシャツを一枚と交換する。
二人は満足そうにしている。
小屋に戻ると、ハイビスカス柄のシャツを着せられる。
周りをクルクルと回って眺めてくる。
う~ん。太陽系第三惑星。文化が謎過ぎるぞ。




