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この星の主食

翌朝を迎える。


未だ眠り足りないうちに、頬をつつかれる。

目をあけると、少女と少年が・・・・いや、少女たちがこちらを見ている。


どうしたらいいかわからずに、寝たまま尋ねてみる。


「どうしたらいい?起きたらまずい?」


二人は顔を見合わせる。


「えっと、鉄砲で撃たれたら、起きたらまずいのかな?リュートちゃん」


「いや、えぇっ・・・平気ならいいだろう。たぶん。」


どうも、あの未開な丸出しの武器、「銃」で撃たれると、死ぬものらしい。

あんなので死ぬのか・・・。

じゃあ、宇宙船でちょっとしたトラブルが起きるたびに死なないといけないじゃないか。

あんまり実感が出来ないが、一応覚えておこう。


「う~ん。当たらなかったんだよ。たぶん」


「えぇっ 胸の所に穴が開いてましたけどもっ」


驚きすぎて、二人の言葉使いがおかしい。


「かすったんだ。」


そういうことにしておこう。

とりあえず、様子を見ながら起き上がる。


二人とも、奇声は発していない。

これは大丈夫なんだ。

まだまだ、文化の把握は手探りだな。


とりあえず、またゴミの山に向かう。

今日は老人たちが待っていた。


幾つかの、見た目だけはきれい目な電化製品と、昨日の青年が並べられていた。

青年の胸には穴が開いている。息をしていない。

あぁ、普通はこんな感じなのかと、マジマジとみてしまう。


「昨日はすまんかったな。話を聞いて夜に様子を見に行かせたら、元気そうにしとったから大事無かったかもしれんが・・・。」


そういいながら、青年の頭をグリグリと踏みつける。


「こいつは、うちの商売の邪魔をしようとしてたんでな。処分しといた。」


「あの・・ありがとうございます?」


これで良かったのかどうか、わからないが、老人は仇を取ってくれたのだろう。

ん~。誰の仇なのか。難しいところだけど。


二人が怯えているので、さっさと修理に取り掛かる。

見張りの人が、死体を何処かへとかたずけに行ってくれた。


今日はあまり数が無かったので、早めに終わってしまう。

だか、老人はかわらず20ドルを差し出して、荷物を運んで行った。


「ねぇ テラって 度胸だけはあるよね」


「そうねぇ 頭は打ってしまったせいなのかしら」


もしもし、お二人さん。

聞こえてますよ・・・。


まぁ、自分がこの惑星を侵略するために用意してた、4次元砲を向けられたら、さすがに怖い。

でも、鉛の弾くらいなら、誰だって怖くないと思うのだが・・。


いや、この星の人はそれで死ぬのか。


この辺の認識はすり合わせておかないと、また蹴られてしまうかもしれない。

そのほうがよっぽど、痛い。

なんというか、心が痛い。


二人はそのうち雑貨屋で何を買うか相談をしだした。

今日は、スカスカのパンにペラペラの肉とトマトが挟まれたものを3つ、例の謎ジュースを3本。

どうもこのパンが、この星の主食らしい。


もう少しいいもの食べようよ、太陽系第三惑星の人々よ。


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